Ken Ishii 新作インタビュー!

2006年10月23日 (月)

☆『SUNRISER』発売記念インタビュー!



『Future In Light』以来、実に4年ぶりとなるKen Ishii待望のニューアルバムが遂に完成。

1年間の2/3にも及ぶ世界中を駆け巡るDJツアー、自身のルーツとなるデトロイトテクノのスタイルをさらに昇華させつつ、オリジナリティ溢れるアイディアを盛り込み創られた数々の新曲、そして様々なアーティスト達との交流の中で生まれたコラボレーションが収められた全11曲。

「自分なりのテクノをこのアルバムでやり切ろうと思った」との本人コメントから、その言葉がそのまま作品にストレートに表現されている作品となっています。

また本作のキーワードでもある「日はまた昇る=SUNRISER」と、これは日本のテクノ・ゴッドの堂々たるテクノ・アルバムだといえるでしょう。

そのリリースタイミングでKen Ishiiさんにインタビューをさせて頂きました。




Interview with Ken Ishii


4年ぶりの新作『SUNRISER』の完成おめでとうございます。完成にあたって率直なご感想をお聞かせ願えますか?

Ken Ishii:どうもありがとうございます。国内外のツアーや他のプロジェクトで忙しかったせい もあるが、あっという間に時が経った感じ。音作り曲作りに関しても焦らずゆっくり と自分の好きなことをやれて満足している。


この4年間、DJとして世界各国を飛び回る中で、いろいろな国を訪れたり、いろ いろな人々と出会ったりしたと思うのですが、それらの経験は今作にどのような影響 を与えていますか?

Ken Ishii:各地のクラブシーンでどういったジャンルが調子がいいのかを見てきた上で、テクノ は今ひとつ元気がないなと認識、これではいかんと自分が好きな本来のテクノをしっ かり作りたいと思うようになったことが一つ。あとはそうやっていろいろプレイして いく中で知り合った、同じ方向を見て同じバイブをもつアーティストと自然な形でコ ラボレーションするに至ったことが一つ。といったところ。


DJ Ken Ishii として、最近レコードバッグに入れているお気に入りを教えてく ださい。

Ken Ishii:Grooveman 「Master Plan」 <Housejamz>
完全にピークタイム仕様ですね。


今作には何人かのアーティストとの興味深いコラボレーション曲が含まれていま すが、それによって得られた効果とはどんなものですか?

Ken Ishii:テクノの底力の再確認。テクニカルには音色の使い方とかフレーズの作り方で、自分 とは違ったやり方がレコーディングに加わって楽しいなとか。


コラボレーションをはじめ、『SUNRISER』制作過程での印象的なエピソードなど ありましたら教えてください。

Ken Ishii:ある時点でバックアップ用のハードディスクに久しぶりにスイッチを入れたら変な音がし出してそのまま全壊。作りかけの曲のパートや音などが丸ごと消滅したんで、新 たな気持ちで再出発、方向性もより定まったような気が。


『SUNRISER』を聴かせていただき、まず思ったのは「ピュアなテクノ」というイメージでした。それは「テクノ」という音楽に対して、多くの人々が抱くであろうメタリックで躍動的なイメージとそのままぴったり当てはまるような気がしたからです。「テクノをこのアルバムでやり切ろうと思った。」とのコメントにもあるよう、「テクノ」に対しての愛情、想いが今まで以上に強く表現されているのはなぜで しょうか?

Ken Ishii:基本的には上で答えたのと同じ。ここにきてテクノに対する危機感とか、あらためて テクノ本来のアイデアリズムみたいなものを感じるようになって来たので。やは り1990年代と違ってここ数年は世界的に音楽シーンがエキサイティングじゃない し、自分が最初にこの音楽で得た刺激とか勇気とかをまた感じたくなったという部分もある かも。




Ken Ishii
『SUNRISER』

01. Sunriser (Feat. 7th Gate)
02. Let It All Ride
03. Organised Green (Feat. Fabrice Lig)
04. Mars Buggies
05. Time Flies
06. Beam Skywards
07. Perfect Memory (Feat. Bryan Zentz)
08. Reflexion
09. Free Energy
10. The Rescue (Bonus track for Japan)
11. Cubitos de Hielo (feat. Funk D'Void)






ケンイシイさんの作品は、フロアでもリスニングでも機能すると思うのですが、 制作時にはそういったことを意識されていますか?

Ken Ishii:アルバムを作るときは基本的に意識しない。FLRなどで12"用のトラックを作る時は構 成的にDJユースを意識する。


ドキュメンタリー『High Tech Soul』が製作されるなど、デトロイトテクノへの 再評価、さらにはそのアーティスト達の活動も以前にも増して活発化してきていま す。ケンイシイさんの原点でもあるデトロイトシーンのこの状況についてはどのように 感じますか?

Ken Ishii:もともと実力がある人たちなんで、周期的に注目されたりされなかったりはメディア によるところが大きいような気がする。個人的にはいまだにデトロイト・テクノの ファンだし、Derrick May、Kevin Saunderson、Jeff Millsらボクにとっての先輩たちも若いアーティストに 負けないくらいエナジェティックに活動しているのを知ってるから、自分も頑張んな いとなと思ったりもする(笑)。Fabrice LigとかVince Watsonとかヨー ロッパ人だがデトロイト直系タイプのアーティストにも期待している。




Ken Ishii関連作品



左から:1.Ken Ishii 『Play Pause And Play』 /2.Ken Ishii 『Interpretations For Ken Ishii』 /3.Ken Ishii 『Future In Light』 /4.Ken Ishii 『Flatspin』/5.Ken Ishii 『Millennium Spinnin' At Reel Up』/6.Ken Ishii 『Jelly Tones』  






ケンイシイさんにとってのテクノクラシックスを3枚教えてください。

Ken Ishii:
Rhythim Is Rhythim 「Strings」 <Transmat>(Strings of Lifeではない)
Inner City 「Good Life」 <KMS> (⇒Inner City「Good Life - Th Best Of」に収録!)
Model 500 「The Chase」 <Metroplex> (⇒Juan Atkins「20 Years Metroplex : 1985-2005」に収録!)


ファンへのメッセージをお願いします!

Ken Ishii:久しぶりにすべて出し切った感があるアルバムなんでぜひ聴いてみてください!


ありがとうございました!


協力:Music Mine
photo by Junpei Fukushi
Styling by Shingo Mochino





⇒2005年9月 『Play Pause And Play』リリースタイミングでのインタビュー

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⇒日本人クラブニュージック 注目リリース

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