小泉今日子は、女である。

Wednesday, September 6th 2006

大人のムードで、甘いブルースを口ずさむ、
“よからぬブルース"。

ワタシの中のよからぬモノが、
ジョジョビ、ジョバァー、ジョビジョバァー。

このＣＭで、やっぱり、キョンキョン最高！って、
思った方、多いと思います。


ＣＭもドラマも魅力的だけど、やっぱりこの作品、
『風花』の時の彼女が、好きです。


最新作、『雪に願うこと』の原作者、
鳴海章さんが、『風花』のもとになった、
小説も書かれています。

彼は、北海道帯広市の生まれ、
在住ということもあって、
寒い土地、北海道が、作品の舞台になるようです。

人間の本質をていねいに描き、
変化していくさまを、淡々と、
トーンを変えずに、続いていく。

両作品においての、
またの、共通点だと思います。


今は亡き、相米慎二監督の、遺作です。

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東京、春の明け方。

満開の、桜の木の下で目覚めた、
澤城廉司は、頭は良いが、性格が悪い、
謹慎中の、キャリア官僚の男。

泥酔していたため、
隣にいる女が、誰なのか思い出せない。

その女、冨田ゆり子は言う、
「私のこと憶えてないの？どうするの？北海道。」

酔いにまかせて、ゆり子と北海道へ向かう、廉司。

冬枯れの、寂しい北海道の景観が広がる。

そんななか、二人が借りたのは、
あざやかな、パステルピンクのレンタカー。

ゆり子は、不安を抱えながらも、
故郷の、北海道に残した、娘に会えるかもしれない、という
ささやかな希望を抱いて、母の元に向かう。

車の中で、ぎくしゃくとした会話を続けながら、
少しずつ、廉司はゆり子との出会いを、思い出していく。

珍道中を描いた、物語。

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風俗嬢"レモン"を熱演する、
"レモン"という名前に、強烈に惹かれたという、
小泉今日子。

いい具合に枯れた、大人の熟れた女が、
あまりにも、かっこよく、
寒そうな表情や、けだるそうに、
たばこを吸うしぐさ。
あきらめたような、目つき。

それらが、静かに、十分な色気を湛えていて、
女の本質、内面を、あらわにしていた気がします。


ヒールとか、赤い口紅とか、
透けた下着とか、ブラジャーとか、
コンパクトとか、ストールとか。

女のモチーフ、を感じさせるものって、
そこにあるだけで、人物の不在を
如実にあらわしていて、
それがなんとも、美しいと思うのです。

場末の、酒場じゃないけれど、
そんなところに、ただ1点を見据えて、
たたずむような、女性。
怠惰で、無感情に見えるようで、
繊細なところ。

そんな、女は女である、
が感じられ、やられてしまいました。




風花とは？

冬から春へと向かう晴れた日に、
まだ雪の残る山肌を撫でて、
風に吹かれ飛んでくる細雪のこと。

ひらひらと、風に舞い散る桜の花びらのように、
はかない雪。



『風花』
2000年

相米慎二、 小泉今日子

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