HMVインタビュー:Karafuto (田中フミヤ)

2006年8月18日 (金)

『Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006』 発売記念インタビュー
&<Soup Disk/Disques Corde>大特集!



日本テクノ界の最重要人物、田中フミヤによるプロジェクト、Karafuto名義でのライヴミックスCDが登場。

当初、田中フミヤ名義からこぼれ落ちてしまう音楽性を表現するのに用いられていたこの名義。テクノのみならずブレイクビーツ、アンビエント、ハウス寄りのサウンドまでを視野に入れ、主にDJ活動にてその音楽性を展開してきました。

Karafuto名義では『Karafuto Dj Mix 1/2』以来6年ぶりとなる『Shift To The Other Time』。今作は2006年1月28日代官山Unitにて行われたパーティでのDJ模様からハイライトとなる箇所をほぼ無編集で収録したライヴミックス。

Individual Orchestra名義作に続き注目作をリリースする田中フミヤさんに話をうかがいました。


Interview with Karafuto aka Fumiya Tanaka


<Revirth>からのIndividual Orchestra名義作に続いてインタビューさせていただきます。短期間でこのような機会をまたいただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。『Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006』はKafaruto名義でのMix CDというわけで、ノベルティを除く正規発売としては『Karafuto Dj Mix 1/2』以来6年ぶりとなります。<とれま>から「Karafuto EP」が出たのが1996年ということで、気づけば10年になりますね。当初Karafuto名義には「本名名義からこぼれ落ちるもの」というテーマがあったと思いますが、今現在のKarafutoの位置づけというのはどういうものでしょうか?また、KarafutoとしてのDJの際になにか特別に意識されていることはありますか?

Fumiya Tanaka(以下FT):おおまかに「本名名義からこぼれ落ちるもの」というテーマでの活動に変わりはない んやけど、活動の出発点として「本名名義からこぼれ落ちるもの」というテーマを出 発点に活動してきた中で、その活動において本名名義とはまた違う個別に制作したり 考えたりすることで、カラフト名義として着地する考えや、制作することが当然出て きていて、それを個別の活動で表現しきっていくというふうになってきてると思いま す。「Karafuto名義として表現できるもの」。そのテーマといえるようなものがより 具体的になってきていて、個別のメロディー進行や、ベースライン、スケール展開等 といった音楽的要素をミニマルなビートやコード進行に、カラフルに有効的に色づけ して落とし込んでいくっていうのがテーマになってきてると思います。ただこれはあ る意味本名名義にも共通してきてる部分ではあるかと。 Karafutoでのテーマみたいなもんは、すごく簡単に一言で言いきってしまうなら、フ ライヤーなどでもよく使っているキャッチコピー『enjoy super lights!』な印象を 与えられる作品やムードのDJができればと思ってます。と言うてもこれは聞いた人そ れぞれの主観によると思うんやけど。

今作もそうですが、Karafuto名義でのDJでは所謂ミニマル〜クリックハウスというのが大きな印象としてあります。Karafuto名義でのDJと、Richie HawtinのMix CD『De9: Closer To The Edit』などがこうしたスタイルの先駆けだったのではないかと思います。ここ数年は日本でもVillalobosらが高い人気になっており、ミニマル〜クリックハウスというのもより広く好まれてきていると思いますが、所謂よりハードなテクノと比較して、こうしたスタイルの良さというものはどういうものだと考えてらっしゃいますか?

FT:ハードなテクノと比較して良さがどういうものなのかを考えるのは、どうかと思うん やけど、単純にリスナーとしては、出音や曲の構成の展開で、クラブでダンスするっ ていう楽しみかただけに限れへん、リスニングとしてもまた違った印象や感情移入で 音楽を楽しめるということでしょうか。ソフトウェアーやハードウェアーの発展の多 様化で、それらを使った自覚的に出音のおもしろさを追求したひとつひとつの出音な り、音楽的な要素を、ハード なテクノやハウスが持ってるストレートなダンスグ ルーブやミニマル性に、効果的に曲全体に落とし込んでいってる作品のアイデアなど が、複合的に要素としてあって、いろんな捉え方の多様化を生み出していると思う。 でもそれと同時に、そういういろんなもんが発展しようが、曲の中にある個性の重要 さはもちろん見逃されへんと思うんやけど。



*試聴も出来ます

*Karafuto (田中フミヤ )/Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006
1 Ricardo Villalobos / Erso
2 Heartz4 / Some Do FIne
3 Dj Freestyle / Invalid Page Fault
4 Gary Martin / City At Night
5 Lil' Mark / Say You'll (Version And Dacosta Remix)
6 Justin Martin and Sammy D / If You Don't Know A Girl So Good
7 Gary Martin / All Night Long Girlfriend
8 Digitaline / Belladone
9 Tharau & Decaine / Jaw Dropping
10 Serafin / Starship Discoteque
11 2 Dollar Egg / Naxos (Audion's Put Salt In My Wound Mix)
12 Luna City Express / City Slickers
13 Sweet N Candy / Morgen War Sonntag
14 John Spring / Strange
15 Quenum / Update
16 Phage and Daniel Dreier / Salt And Vinegar
17 Robag Wruhime / Workabular (Luciano Remix)
18 Wighnomy Brothers / Pele Bloss





フミヤさんはよく次にかけるレコードがお客さんに「選ばれる」という言い方をされますが、『Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006』に収録された1月のこのUnitでは、DJを通してそうしたやりとりの感触というのは、いかがでしたか?

FT:収録されている箇所は、僕のDJの前にライブがあって、そのライブ終わりでいちから DJを始めたんやけど、そのライブが僕がその日イメージしてた、それで用意してたレ コードとは全然違う音やったから、一旦イメージして用意してたレコードは無視し て、いちからその場で現場対応したから、レコードが「選ばれる」というよりはいち から「選ばれるフロアーを作っていってる」という感触で、ライブ終わりでお客さん も帰る人がいるなか、いちから試行錯誤している時間帯がある程度ながれていって、 その時間のながれで段々とレコードが選ばれていくムード、選曲の厚みができていっ てるという時間帯でした。だから最初から聞いてもらうと出音の密度やグルーヴが時 間を経るにつれて変わっていってるのが分かるかと。

今作は<soup-disk>の別働<corde>からのリリースとなりますね。フミヤさん自身の、<soup>そして<corde>レーベルの印象を教えてください。

FT:<soup>はデザインなども含めてやけど何か和風なイメージ。<corde>はすんませ ん、まだこれといった印象がないです。始まったばかりで。

特に好んでいるMix CDがありましたら教えてください。

FT:


Matthew Dear『Fabric 27』

最近は特にないです。しいて挙げるとすれば、タイトルとか全然わかれへんのやけ ど、たぶんFabricのレーベルから出てるMatthew DearのMix CD。

どうもありがとうございました。


協力:Corde/Soup Disk/Ultra Vybe



*クリック系注目作品


左から:Richie Hawtinのレーベル<Minus>のコンピレーション 『Min2max』/Rihcie Hawtin、2001年の名作Mix CD 『De9: Closer To The Edit』/Ricardo Villalobos 『Salvador』/Lucianoの『Sci Fi Hi Fi』/Isolee 『Westernstore』



*soup-disk/corde 特集

世界に誇る日本有数のインディペンデント・レーベル、<soup-disk>とその別働<disques corde>。
90年代後半から活動を続け、Riow AraiSuzukiskiCappablackIll SuonoInner Scienceなど「和製」とも言えるオリジナリティ豊かなブレイクビーツ〜エレクトロニック・ミュージック作品を多数輩出してきた随一のレーベル。

Karfuto 『Shift To The Other Time: Karafuto Live Mix At Unit 28.1.2006』の発売を記念し、<soup-disk>/<corde>作品をあらためてご紹介。
試聴もたくさん設置してありますので、ぜひこの機会にそのカタログに耳を傾けてみてください。

*Suzukiski/Ozma
その職人的なサウンドでじわじわとリスナーを惹き付けている日本が誇るエレクトロニックミュージック界の才人、Suzukiski。3年ぶり、通算9作目となる新作は近作にはあまりなかったような四つ打ち含めグルーヴィンな楽曲も収録。
発売記念インタビュー
m-1 "Ozma"
m-2 "Hint Oyaji"
m-3 "Cow"
m-8 "Forever"

*Conflict/Confirmation+departure ともに1979年生まれの2人組からなるConflict。「新世代」と呼ぶに相応しい徹底したビートへのこだわりを感じさせる濃密な作品。Dj Shadow、Opus、Indopepsychics好きにお薦め。
発売記念インタビュー
m-2 "I'm Experimentalizm"
m-3 "Radical Braze"
m-4 "Jilu (Ver1.5.1)"
m-5 "Ever"
m-8 "Asimo & ...."



*Ill Suono/Ill Suono
インスト・ヒップホップユニットCappablackの1/2であるHasim B.とAzzuroによるユニット=Ill Suonoのアルバム。ヒップホップを軸にエレクトロニカ、そしてダブ、さらには四つ打ちにまでその野心を広げ、そして見事にそれをIll Suonoサウンドに消化した、ブレイクビーツの未来を切り拓くような1枚。
m-1 "Angel Beat"
m-3 "Phone Beat"
m-7 "Uma Esquina Em Shimokitazawa"
m-9 "Moment Of Sympathy"
m-11 "The Ring World"

*Va/Ill Suono Remixed
『Ill Suono』から1年後に発売されたリミックスアルバム。Dabrye、Omid、Nobody、竹村ノブカズ、Riow Arai、Dj Kiyo、Inner Scienceと日本/海外から興味深い面子が参加。
m-1 "Angel Beat(Dabrye Remix)"
m-4 "Moment Of Sympathy(Nobody Remix)"
m-5 "The Ring World(Omid Remix)"
m-10 "Soul Spirits(Assembler Remix)"
m-11 "History(DJ Kiyo Feel The Vibe Remix)"



*Ratn/J
2005年8月発売、<disques corde>の第1弾。ツジコノリコとRiow Araiという日本を代表する独自性持ったアーティストのコラボレーション盤。ツジコノリコの表情豊かなヴォーカル、Riow Araiによる広がりのあるサウンドが溶け合った素晴らしい1枚。
m-1 "あともう一回だけ"
m-2 "もう一度エイリアン"
m-4 "僕らはもう空を飛ばなくていい"
m-8 "わらうだけ"
m-9 "わたしに分かること"

*Inner Science/Material
自身で<oneowner records>を運営する才人、Inner Scienceの2004年11月発売作。骨太なビートと彼らしいメロディアスな楽曲が高い完成度に達した1枚。
m-2 "Roaf"
m-4 "Squcing Lane"
m-9 "Bloom "
m-14 "Recall Foeiding"



*Riow Arai/Device People
Riow Araiの2003年11月作。とにかく音の強度がすごい、シンプルながらも味のあるブレイクビーツサウンド。
m-2 "Break Literacy"
m-5 "Hip-ruins"
m-9 "Irregular Tips"

*Riow Arai/Mind Edit Syndicate
1999年8月にリリースされ長らく廃盤となっていたアルバム『Mind Edit』に限定12インチとしてリリースされた「Mind Syndicate」をあわせた再発デラックス盤。
m-2 "Undulation"
m-13 "55"




左から:Suzukiski 94年の『Big Tomorrow』再発盤/同じく再発されたSuzukiski 『Thought』/Suzukiski 2001年の通算7枚目 『Utopia』/<Revirth>からの作品やGroupでも活動するTaichiの99年作 『Am I』/Suzukiski 99年の通算6作目 『Message』/のちに<~scape>などからも楽曲を出すIlleven & Hashim B.によるユニットCappablack 97年の『State Of The Night』
Suzukiski "Hanako" 『Big Tomorrow』
Suzukiski "Living In The Room" 『Thought』
Suzukiski "Spider" 『Utopia』
Suzukiski "The Great Koch Curve" 『Utopia』
Suzukiski "Mountains" 『Utopia』

<soup-disk>カタログ全部見る



*WIRE大特集!

HMVインターネットではWIREキャンペーンを開催中。

いよいよ毎年恒例「WIRE」が9月2日に開催。開催目前大特集をお贈りします。豪華特典が当たるHMV×WIREキャンペーン、石野卓球、Disco Twinsのインタビューもあります。

WIRE大特集ページはこちら



*Individual Orchestra 『Mind The Gap: Single 2000-2006』発売時インタビュー

Individual Orchestra (田中フミヤ) 2006年7月
田中フミヤのIndividual Orchestra名義での新作、これまで発表してきた12インチシングル収録曲をまとめた3枚目のアルバムが登場。リリースのきっかけ、Individual Orchestra名義、ジャズ愛聴盤などを伺いました。





▼hmv.co.jp ダンス&ソウル アーティストインタビュー集


関連
日本人クラブアーティスト注目リリース

ハウス/クラブミュージック最新商品・チケット情報