HR/HMの歴史 第ニ章

Sunday, February 13th 2005

HR/HMの歴史 第ニ章

メタリカの大ブレイク〜グランジの台頭

80年代後半はボン・ジョヴィモトリー・クルーガンズ&ローゼズらがトップ・バンドの仲間入りを果たし、正に世界はハード・ロック/ヘヴィ・メタル一色となった。そして88年にはメタリカが4thアルバム『メタル・ジャスティス』を全米初登場3位に送り込んだ。

いつまでもこの勢いが続くかと思われていたHR/HMシーンにも暗雲が立ち込める。それは91年の出来事であった。91年といえばガンズ&ローゼズの2枚同時リリースが話題となった『ユーズ・ユア・イリュージョン1』『ユーズ・ユア・イリュージョン2』スキッド・ロウの2ndアルバム『スレイヴ・トゥ・ザ・グラインド』、そして何よりもメタリカの5thアルバム『メタリカ』がリリースされた年でもあった。

ガンズ&ローゼズの2枚のアルバム『ユーズ・ユア・イリュージョン1』『ユーズ・ユア・イリュージョン2』は全米チャートで初登場ワンツー・フィニッシュを決め、ブラック・アルバムこと『メタリカ』も当然のように全米ナンバー・ワンを獲得した。結果的に『メタリカ』は1,500万枚以上を売り上げるモンスター・アルバムとなった。しかし同じ年にロック界の天変地異とも言える新たなムーヴメントが巻き起こるのであった。ニルヴァーナを筆頭とするグランジ・ムーヴメントの勃発である。

ニルヴァーナが91年に放ったメジャー・デビュー・アルバム『ネヴァーマインド』はロックの歴史を塗り替えるエポック・メイキングな作品だった。アルバム冒頭に収録されている「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」がMTVでヘヴィ・ローテーションとなり、アルバムがチャートを急上昇。初登場は144位であった同作が翌年の92年1月には見事全米チャート1位を獲得した。それはグランジがアメリカを制覇した瞬間であり、(メタリカボン・ジョヴィなど一部の例外を除いて)HR/HMを過去のものへと追いやる瞬間でもあった。

パンテラ以降のHMシーン

グランジの台頭によってHR/HMは完全に過去の音楽に追いやられた。なかでも正統派HR/HMバンドが一番苦しめられたと言えるだろう。アメリカでの活路は完全に絶たれ、主なマーケットは日本やアジア諸国、ヨーロッパの一部のみ。多くのバンドが安易なヘヴィネス/グランジ志向に走り、自滅の道を歩んだ。93年にはジューダス・プリーストからはバンドの看板であったロブ・ハルフォードが脱退、アイアン・メイデンからもブルース・ディッキンソンが脱退している事もHR/HM衰退を示す象徴的な出来事と言えるだろう。

この当時登場したバンドで唯一の救いがパンテラドリーム・シアターの2バンドである。パンテラが92年に発表したメジャー第2弾アルバム『俗悪』はダイアモンド・ダレルの革新的ともいえるギター・サウンドで当時のシーンを震撼させた。ジューダス・プリーストからロブ・ハルフォードが脱退を決めたのはパンテラの登場によるところが大きい。またドリーム・シアターは同じく92年に『イメージズ&ワーズ』を発表し、全米チャート上位に食い込むヒットを放った。様式美HM的な要素を感じさせつつも、圧倒的なテクニックとアイデアが盛り込まれたプログレッシヴなサウンドで多くのHMファンを魅了し度肝を抜いた。

メタル・ゴッド、ロブ・ハルフォードすらも影響を認めるパンテラの猛威は世界中に伝わっていく。「スピード命」であった多くのスラッシュ・メタル・バンドもグルーヴ/ヘヴィネス路線へシフト・チェンジ。この「一同右へ習え状態」もHR/HMシーン衰退の要因のひとつとなった。

シーンの細分化そして...

メタリカメガデスといったトップ・バンドも相次いで失速。それまでトップを走っていたバンドが息切れするのと同時にメタル・シーン全体も停滞していくのだった。一方アンダーグラウンドではデス・メタル、メロディック・デス・メタル、ブラック・メタル、ヴァイキング・メタル、ゴア・メタル、ゴシック・メタル、ドゥーム・メタル、スラッジ、ストーナー・ロックなどなど細分化が進んでいった。

グランジ・ブームが去った後の90年代中ごろ、シーンのトレンドはネオ・パンク・ムーヴメント、ラウド・ロックなどが激しく入れ替わり、動いていくのであった。正統派のサウンドとは言い難いがスリップノットはHR/HM冬の時代の中で生まれた怪物バンドのひとつと言えるだろう。

すっかり取り残された感のあるHR/HMシーンだが、正統派ヘヴィ・メタルの精神を受け継ぐバンドも少なくなかった。一部のメロデス・バンドはヴォーカルこそデス声だが、そのサウンドには正統派ヘヴィ・メタルの熱い魂が感じられたし、ヨーロッパ諸国ではソナタ・アークティカラプソディーといった(やや大仰ではあるが)正統派サウンドを受け継ぐ新世代のバンドがムーヴメントを形成しつつあった。それらのバンドによる作品は日本の市場でもヒットを記録した。

そして2000年、アイアン・メイデンにブルース・ディッキンソンが復帰した2000年あたりからメタル・シーンは徐々に活気を取り戻したように思う。オジー・オズボーンの引退撤回、ハノイ・ロックス再生、ガンズ&ローゼズ奇跡の再来日、ロブ・ハルフォードのジューダス・プリースト復帰、モトリー・クルーのオリジナル・メンバーでの復活などなど...HR/HMの全盛期を知るファンにとっては目から鱗が落ちるようなニュースが続々と届くようになった。

ノスタルジーや解雇主義に終わらないベテランの奮闘は眠っていたメタラーのポテンシャルを引き出したに違いない。冬の時代は終わりを告げ、2005年確実にヘヴィ・メタルが復活する。

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