プラハの春音楽祭ゴールド・エディション第6集(2CD)
2025年12月03日 (水) 16:45 - HMV&BOOKS online - Classical

マズア、ボド、フェレンチーク・・・歴史を刻むプラハの春の名演
チェコ放送の自主レーベル「ラジオサーヴィス」のシリーズ「プラハの春音楽祭ゴールド・エディション」の第6弾。
ディスク1には、1991年6月4日にプラハ、スメタナ・ホールで行われた、クルト・マズア指揮ゲヴァントハウス管によるベートーヴェンの『第9』。クルト・マズア[1927-2015]は東ドイツを代表する指揮者としてその存在感を確立。歌劇場指揮者としてキャリアをスタートさせ、1970年にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の音楽監督に就任すると、オーケストラとの名コンビぶりで知られるようになります。マズアは東ドイツ芸術アカデミーの会員として国家的権威を持ち、芸術家以上に社会的影響力を備えていました。その象徴が1989年ライプツィヒ「月曜デモ」での声明です。七万人の市民に銃口が向けられる中、彼は武力行使を避けるよう訴え、ベルリンの壁崩壊へとつながる契機となりました。統一後も存在感は衰えず、1991年から2002年までニューヨーク・フィル音楽監督として国際的に活躍しました。
音楽面では、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とともに2度にわたりベートーヴェン:交響曲全集を録音しています。最初は1972〜1974年、そして2度目は1987〜1992年にかけて行われました。今回の『第9』は後者の全集録音の時期にあたり、ドイツ統一直後にプラハの春音楽祭で演奏されたことは、音楽的価値に加えて歴史的意味を強く帯びています。こうしてマズアの『第9』は単なる名演の記録にとどまらず、東西ドイツ統一という時代の節目を象徴する響きとして、歴史的にも価値のあるものとなっています。
ディスク2には、フランスの指揮者セルジュ・ボド[1927-]とハンガリーが生んだ世界的な指揮者ヤーノシュ・フェレンチーク[1907-1984]指揮によるプラハ交響楽団との演奏が収録されています。
音楽家の家庭に生まれ、父にオーボエ奏者エティエンヌ・ボド、叔父にポール・トルトゥリエを持つフランスの指揮者セルジュ・ボドは、パリ管、リヨン国立管の監督を経て、後にプラハ交響楽団の首席指揮者として活躍。ビゼーの交響曲第1番は作品完成の80年後、1935年に名指揮者ワインガルトナーによってスイス、バーゼルで初演され、翌年にはシャルル・ミュンシュの指揮でパリ初演が行われました。ボドはパリ管時代にミュンシュと深い親交を持っていたので、このビゼーの演奏も輝かしさに満ちた素晴らしいものだったのでしょう。
そしてフェレンチークによる、ハンガリーの作曲家バルトークの代表作『管弦楽のための協奏曲』。この作品は日本フィルハーモニー交響楽団やハンガリー国立交響楽団と録音されていますが、特有のリズムとアクセントを母国の指揮者ならではの解釈で聴かせています。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1(64:57)
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
ヴェンチェスラヴァ・フルーバ=フライベルガー(ソプラノ)
ローズマリー・ラング(アルト)
ヨアヒム・ヘルムス(テノール)
テオ・アダム(バス)
プラハ・フィルハーモニー合唱団(合唱指揮:ルボミール・マートル)
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
クルト・マズア(指揮)
録音時期:1991年6月4日
録音場所:プラハ、スメタナ・ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ)
Disc2(63:35)
● ビゼー:交響曲第1番ハ長調
プラハ交響楽団
セルジュ・ボド(指揮)
録音時期:1976年5月16日
録音場所:プラハ、スメタナ・ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ)
● バルトーク:管弦楽のための協奏曲 Sz.116
プラハ交響楽団
ヤーノシュ・フェレンチーク(指揮)
録音時期:1981年5月24日
録音場所:プラハ、スメタナ・ホール
録音方式:ステレオ(ライヴ)
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