激ロック×HMV&BOOKS online vol.138

GENRE：SKA, POP PUNK
これぞ、若手最強スカ・パンク・バンドの決定盤！
MAYSON's PARTYの最新アルバム堂々完成！
とにかくエネルギッシュで軽快、痛快、爽快！ OPナンバー「COUNT DOWN」で華やかに賑やかに幕を開け、一気に駆け抜ける約23分30秒。若手最強スカ・パンク・バンドの決定盤だ。「La-La-La」や「NOW WE GO」で心も身体も踊らせ、「Gold Desire」、「PUNK ROCK BOMB」といった衝動剥き出しの楽曲で胸を熱くさせて、「Rachel」や「TWISTED」といったAYATOMO（Vo/Gt）以外のメンバーが作詞作曲やメインVoを務める楽曲、カバー曲「Daydream Believer」が振り幅を生み、ラストはオーセンティックな「UNITE&SKA」でスカ・パンク・バンドとしての矜持を見せる。らしさや魅力ととことん向き合い、ライヴで培ったスキルを活かし、完全に突き抜けた感のある彼等の代表作となるであろう今作。必聴！
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：ALTERNATIVE ROCK, MIXTURE
様々な境界線を越える意思を託した
nuriéの2ndフル・アルバム『Borderless』
ドキュメンタリーすぎる。“このバンドが僕にとっての人生なんだよ”という力強い一節から始まるリード曲のTrack.2「SUPER ROCK BAND」は、nuriéの本音と誠実さと貪欲さが凝縮されたド直球チューン。nuriéは叙情的な表現や水彩画的な淡いトーンを生み出すことも得意なバンドである反面、今作ではロック・バンドとしての野性をより前面に打ち出してきた印象を受ける。だが、それでいてR&BテイストのTrack.5「cue.」で聴けるビタースウィート加減も絶品。本来は2024年夏にリリース予定だったという今作を、より高い完成度を求めてこの時期に出すことを決めた潔さが吉と出た模様。nuriéの進み行く境界線なき世界に光あれ！
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
“嘘”や“矛盾”をテーマに濃密で高質なナンバー揃えた約3年ぶりのアルバム！
理想論と現実問題の間には、だいたいの場合において溝が存在しがちである。そして、嘘や矛盾のまるで介在しない世界もこの地上にはまずありえないものとなろう。vistlipにとって2022年3月発表の『M.E.T.A.』から約3年ぶりのフル・アルバムとなる今作は、なんでも、“嘘”や“矛盾”をモチーフにしながら全11曲を仕上げていくことになったのだとか。楽器隊メンバーが全員コンポーザーとして活躍しているのは、いつもながらのことであるが、今回はいつにも増して各人の持ち味が表出しているところが興味深い。また、智（Vo）のシニカルにして機知に富んだ言葉選びが映えている詞と、それを巧みに表現した歌たちも穎脱。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：PROGRESSIVE ROCK
孤高のプログレ・アイドル、待望のメジャー・デビュー！
前人未到の道を突き進んできた孤高のプログレ・アイドルが、結成9年目にして待望のメジャー・デビュー。おおくぼけい（アーバンギャルド／Key）作詞作曲の幾何学的エレクトロ・ポップ・チューン「レッドシックレコード」を筆頭に、複雑でエピックなキスエクらしさを保ったまま、よりキャッチーに研ぎ澄まされた4曲を収録。モダンなメタル〜ロック・リスナーの耳にも馴染むであろうプロダクションで、間口を大きく広げている。オープニングを飾る幻想的なヘヴィ・バラード「カラトピア」での歌唱表現力は圧巻の一言。彼女たちが、マニア向けのジャンル特化型アイドルという枠に止まらない、卓越した表現者集団であることを示す渾身の一作だ。
サイトウ マサヒロ【ライター推薦】

GENRE：HEAVY METAL
“フランス革命時代に斬首された者たちが現代日本に蘇った”というコンセプト掲げる
異色ガールズ・メタル・バンド 甘い断頭台の1stフル・アルバム
アントワネット断頭シーンを再現したパリ五輪演出には唖然としたが、日本人も“おフランス文化”にはそれなりの影響を受けていると言えようか。宝塚では幾度となく再演され、原作連載開始から半世紀を経て、劇場版“ベルサイユのばら”がこのたび公開となることを考えても、激動の物語は人心を魅了し続けているらしい。そして、2023年春に始動した甘い断頭台はまさに、“フランス革命時代に斬首された者達が現代の日本に蘇りガールズ・バンドを始める…!!”というコンセプトを掲げる異色メタル・バンド。“パンがなければお菓子を食べればいいじゃない”よろしく「不滅の花」で“靴がなければ／裸足で踊ればいいじゃない”と歌う様は実に気高く誇り高い。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：ROCK, MELODIC PUNK
デビュー10周年迎えたWANIMAの今が詰まった
4月からのツアーでの鍵になるEP
2024年10月にデビュー10周年を迎えてのニューEPは、Amazon Originalドラマ“【推しの子】”第6話主題歌「爛々ラプソディ」を含む全5曲で、これまでとこれからのWANIMAを繋いでいく曲が揃った。タイトル曲は、さらなる道を切り開く硬質なアンサンブルと爆発力のある歌が冴える。自ずと声や拳が上がる高揚感で、ここからのライヴでの強力なエンジンになるだろう曲だ。地元熊本愛を歌う「Do Gang」は、カントリー＆ウエスタン風ともトライバルなロックとも言える、形容しがたい独自のノリで盛り上げる。タイトルがキュートな「♡Dear Me♡」は、ここからへの思いを刻んだ熱いアンセムとなっており、歌心が豊かに進化する今が詰まった1枚だ。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
“Change the world”――
RASの初期衝動を改めて掲げる12thシングル
“BanG Dream!（バンドリ！）”発、RAISE A SUILENの12thシングル。表題曲「Bad Kids All Bet」は、彼女たちの初期衝動である“Change the world”の想いを改めて掲げた楽曲だ。Raychell（レイヤ／Ba/Vo）が圧倒的な歌唱力で歌う“死んでも死なない”、“死んでも屈しない”という言葉は、RASらしく強気な姿勢でなんとも頼もしい。カップリングの「WELCOME TO PANDEMONIUM」は終始ジャジーな雰囲気を漂わせており、彼女たちにとってはかなり斬新な楽曲。表題曲で初期衝動を改めて提示しつつも、カップリングでは新たな一面を見せているあたりが、実にRASらしいひねくれっぷりだ。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】

GENRE：METALCORE
東京メタルコア・シーン黎明期から活動中のAGOF
ルーツを振り返りつつも、目線はしっかりと先へ向けられたニューEP
東京のメタルコア・シーン黎明期から活動し、今年2025年には15周年を記念したイベントの開催も決定しているAGOF。彼等の4枚目となるニューEPは、バンドの新機軸と真価を示し、リスナーの心を昂らせる作品に仕上がった。先行配信として発表された「暴霊炎」、「雷轟」ではニューメタルにも通ずるモダンで暴力的なヘヴィネスと咆哮、緊迫感を煽る不協和音に、クリーンVoを中心に据えた叙情的な瞬間が交錯。新曲の「Heart」、「Everything, Pride」ではシャープなリフが容赦なく斬りつける、ド直球のファストなメタルコア・サウンドが炸裂している。ルーツを振り返りつつも、目線はしっかりと先へ向けられていて、彼等の今後の展開にも期待したくなる作品だ。
菅谷 透【ライター推薦】

GENRE：ALTERNATIVE ROCK
全7曲のモノクロな世界観で差し色がよく映えるような
MUCCのヴォーカリスト 逹瑯の美しい1stミニ・アルバム
MUCCのヴォーカリスト 逹瑯が、昨年4月発売のフル・アルバム『COLORS』の続編となる、ソロ初のミニ・アルバムをリリース。前作表題曲では“鮮やかなものに囲まれている絶望感”、“新しい色で染められない、選択肢が極端にない状態の息苦しさ”を描いたと語っていたが、本作には開幕から心を掴む、ダークでヒリつくTrack.1、ホーンやストリングス、ピアノが都会的な情景を作り出すTrack.3、疾走感のある爽快なバンド・サウンドが歌詞の切なさを増幅させるTrack.5、キラキラとしてラストを締めくくるに相応しいTrack.7等、色とりどりな7曲が収録。各曲のモノクロな世界観にそれぞれ加えられた差し色がよく映えるような、美しい1枚に仕上がった。
内堀 文佳【ライター推薦】

GENRE：HARD ROCK, METAL
現代的な方向からの貪欲なブラッシュアップで解像度が格段に高まった
Sadieの2ndセルフカバー・アルバム
悲しみは繰り返され、闇も幾度となくこの世を覆い尽くそうとするからこそ、Sadieは過去の業たちと真摯に向き合うことで、ここに新たな可能性を湛えた音たちを提示したのかもしれない。2023年6月に約8年の時を経て再始動したSadieが、2024年2月にまずセルフカバー・アルバム『THE REVIVAL OF SADNESS』を発表したことは、未だ記憶に新しい。今作『THE REVIVAL OF DARKNESS』はそれに続く2ndセルフカバー・アルバムで、メタル色の濃厚な「棘-toge-」を筆頭に、現代的な方向からの貪欲なブラッシュアップが図られた各曲は、オリジナルの音源たちよりも鋭く研ぎ澄まされ、解像度が格段に高まった仕上がりとなっている印象だ。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
大塚紗英が月見山 渚（Gt）として参加した楽曲収めた
燐舞曲のメモリアル・アルバム
D4DJプロジェクトからの卒業が発表された大塚紗英。彼女が月見山 渚（Gt）として参加した楽曲を収めたのが、燐舞曲のメモリアル・アルバム『-未来-』だ。本作一番の聴きどころは、なんといっても新曲のTrack.1「ラストソング」だろう。別れをテーマとした楽曲を歌う加藤里保菜（青柳 椿／Vo）のなんとも切ない歌声は、次元を超えた想いとして聴き手の胸を締め付ける。なお、Disc2には燐舞曲の代表曲に加えてボーナス・トラックとしてソロ・カバー楽曲が収録され、ファンにとっては永久保存版的な作品に仕上がっている。そんな本作のタイトルが“-未来-”なあたり、燐舞曲の未来は明るそうだ。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】

GENRE：ROCK, MIXTURE, PUNK ROCK
スケール・アップした10-FEETの今が刻まれた
バンド史上屋内最大規模のワンマンが映像化！
バンド史上屋内最大規模のワンマンが映像化。初っ端から「goes on」でぶち上った横浜アリーナが、掲げる拳、轟く大合唱、入り乱れるダイバー、沸き起こるサークル・モッシュと狂喜乱舞で彩られていく様が臨場感たっぷりに収められた。「第ゼロ感」以降広がったファン層もまるっと包み込み一体となって盛り上がる結束力。初期の楽曲も飛び出し新旧織り交ぜながらも、誰一人置いていかない温かな空間。その凄まじいパワーが画面を突き抜けてくる。何よりこの映像の主役はオーディエンスなのではと思わせる程に、次々と抜かれる観客の笑顔、涙が眩しい。海外公演にも挑んだ激動の2年間を追うドキュメンタリーと併せて、スケール・アップした10-FEETの今が刻まれた。
中尾 佳奈【ライター推薦】