【全曲解説】GOTCHAROCKA『MONARDA』
2024年06月28日 (金) 21:00
|HMV&BOOKS online - ジャパニーズポップス
全曲解説テキスト by 樹威(Vo) JUN(Gt)
1. MONARDA
アルバム全体通してのテーマは死生観なのですが、特にそれの核となる感じの内容にしたかった。
このMONARDAに関しては、1Aから1サビの間で人の一生が終わるような、
言葉の使い方で時間の流れの速さを表現したかった。
アウトロ前の言葉を置きにいったようなファルセットのところが気に入ってます。
(作詞:樹威)
最近のGOTCHAROCKAのサウンドカラーを彩る軸となっているのが
ファズを用いたノイズギターでのフレージング。
今作のMONARDAでは更にブラッシュアップされたノイズギターでの
アプローチで攻撃性やエモさなど幅広く表現している。
表題曲のMONARDAは、冒頭より攻撃性MAXなノイズギターのメインリフからスタートし、
ダイナミックなラウドなナンバーかと思いきや、歌が入ると共に景色が大きく変わる。
ファルセットを用いた讃美歌のような広がりのあるエモーショナルな歌の展開にハッとしてほしい。
まさにボーカリストの表現の広さがあってこそ成り立つ曲。
攻撃性のあるラウドな世界ながらもキャッチーなサビからのドラマチックに展開していく大サビ、
そしてノイズギターでのメロディックなギターソロなど、
サウンドとしても物語性の強い、いかにもGOTCHAROCKAらしい楽曲でありながら
全てがアップデートされている濃厚な一曲。
(作曲:JUN)
2. Break The Spell
デモをはじめにもらった時に、ウィスパーっぽい声が入っていたので、
印象のある呪文的な言葉が良いのかなと思い、
Break The Spellという言葉を連呼して当てはめました。
ハテナだらけの麻痺した世の中の憂いを打ち破る為のおまじない的な歌です。
Aメロは力抜いた感じなんだけど、実は感情を込めてるその塩梅が難しく気持ち良かった。
(作詞:樹威)
樹威のウィスパーボイスからの妖艶なスタートを魅せると、それを徐々に覆い尽くすようにGOTCHAROCKA流ラウドポップがスタートしていく。
この曲もまた特徴的なトゲのあるノイズギターのメインリフからスタートしていくが、
そこにリンクするメインコーラスが妖艶さを増すアイコンとなっていて美しい。
ちなみにノイズギターからの派生で、曲全体のギターをアンプを通さないビリビリとした
ノイズ音を混ぜてサウンドを作るという新しい試みがこの曲の独自の雰囲気を作っている。
イントロ〜A、B、サビと、妖艶さ〜キャッチーなアプローチへと雰囲気も展開していき、
ブリッジ〜ギソロの箇所もこの曲のユニークさを増すナイスポイント。
クラップやコーラスはもちろん、楽曲のビート感やメロディーも含めて、
ライブでも様々なノリができて楽しめると思います。
ちなみに俺はこの曲をBTSと略してます。
(作曲:JUN)
3. One Second
この曲のみ僕が作曲したのですが、バンドやり始めの自分が聴いても心が躍るような曲を作ってみようと。
それをGOTCHAROCKAでやったらどうなるかなってのが初期衝動です。
生きていると未来のことも凄く考えるわけで。
でもその未来の先もしくは途中で、人生の最後が訪れることだってある。未来も大事だけど、
今、感じてる一瞬一瞬を存分に楽しまないとなって。
そんなオトナな内容になったかな。
(作詞&作曲:樹威)
この楽曲はアレンジをさせてもらいましたが、
良い意味で王道なスタンスでキャッチーなメロディーの中にジャジーなアプローチがフックになっていたので、
今作の中では唯一、サウンドメイクにストラトキャスターとテレキャスターを用いて「クールさ」を軸に色気のある楽曲に仕上げました。
クールさやシンプルさこそ、歌や演奏の表現力の高さが味になるので、そういった部分でも完成度の高いものになってます。
きっと聴く人の中に入り込みやすく、激しさもありながら心地よく堪能してもらえると思います。
ライブであの王道のノリが見れるのかもしれないのが楽しみです。
(編曲:JUN)
4. DISMALな休日
レコーディングも後半に差し掛かってきて、歌詞も煮詰まってきていたせいか、
一番ネガティブな時期に書いた歌詞です(笑)
練りに練り上げてこんな憂鬱な感じの内容になりました。
でもおかげ様でこのMONARDAの中では一番エモく歌い上げることができました。
(作詞:樹威)
強いし深いっす。
今作の世界観を作るにあたって最初の軸として作曲した楽曲です。
繊細さを構築してダイナミック感を生み出したミドルバラード。
冒頭ではダークな音階で幕開けするが、そこからメロディアスなテーマをギターで奏で、
一気に曲の世界観に引き込んでいく。
歌のメロディーも場面に合わせて展開していき、
とてもメロディアスで感情を吐き出すようなエモいボーカルがかなり美しい。
メロディアスな楽曲でありながら、ノイズギターで繊細さと哀愁を表現している
ハーモニーやサウンドも必聴。
バンドの成長が表現の広さと深みを生み出していて、
とてもドラマチック性の強い一曲。
(作曲:JUN)
5. CanDie Bar
一番最初にデモを聴いた時にサビのメロが凄く良いなと思ったので、
それならぜひ良いことを書いてみようと(笑)
プリプロの段階ではいつも適当な歌詞を鼻歌で歌ってるのですが、
その時に奇跡的に出てきた「良いキャンディーバーください」って歌詞。
そしてそのまま採用挙句の果てにはタイトルへ。
(作詞:樹威)
メジャー感がありながらもクールさも兼ね備えた、スピード感のある突き抜けるナンバー。
選曲会の時に、いろんな角度から見てもこれは良いね!とメンバーが一致した、
今のGOTCHAROCKAにぴったりなロックポップス。
サビで魅せる開ける景色とエモいメインメロディーが際立っていて、
キメのコーラス部分はみんなでコーラスできたらカッコ良さ爆発だと思います。
しつこいけど(笑)、この曲でもノイズギターがメインテーマを奏でているが、
曲中ではボーカルとは違った形でメロディーを細かくフレージングしていて
派手さをユニークに出している。
まさにライブで熱を高めてくれる一曲になること間違いなし。
(作曲:JUN)
6. DROWSY ※ボーナス・トラック/通常盤のみ収録
文章の意味のありなしとかを一旦取っ払って、言葉遊びをしながら
自由度の高い歌詞にしようと試みた結果、一番自由を導けそうな前向きな歌に
なったんじゃないかなと思ってます。
冒頭の英語のところはみんなで合唱したい。
(作詞:樹威)
完全にライブを想定して作曲した、テンションの良いロックナンバー。
決して明るい音階の楽曲ではないのに、前向きになれて熱く楽しめるのがこの曲の強み。
この曲もBreak The Spellでも言ったビリビリノイズギターを全面的に用いて、
サウンド的にもおもしろく、テンションの良さが倍増している。
キーとなるのは、冒頭からみんなでコーラスしているパート。
この部分をみんなで歌うからこそ生まれるエモさを是非ライブで作り上げたいですね。
他にも掛け合いのシャウトがあったり、楽曲としても展開が多く、
言葉とメロディーのバランスも含めエンタメ感の強い曲に仕上がっています。
ライブでぶち上がりましょう。
(作曲:JUN)
GOTCHAROCKA『MONARDA』
GENRE: LOUDROCK
華やかで奥深いミニ・アルバム『MONARDA』の音世界
限りある命は、咲き誇る花の如し。やがて燃え落ち枯れ落ちるのだとしても、生命が見せる輝きの尊さは対峙する者の心を揺り動かす。始動から12年を経て、コンスタントな音源発表とライヴ活動を継続してきたGOTCHAROCKAは、ここに来ていっそう今を生きることの意味を噛みしめながら、ある意味では、“これが遺作になっても構わない”というスタンスで、今作の制作をしていくことになったとのこと。ヴィドール時代よりもさらに描写力に磨きがかかった樹威の歌、隙のないプレイで楽曲の軸を支える十夜のギター・ワーク、コンポーザーとしてはもちろん多彩な発想を生かしたギター・プレイで魅了するJUN。3人の織り成す絶妙な音像と、意思のこもった詞世界は華やかにして奥深くもある。
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