激ロック×HMV&BOOKS online vol.131

GENRE： LOUDROCK
華やかで奥深いミニ・アルバム『MONARDA』の音世界
限りある命は、咲き誇る花の如し。やがて燃え落ち枯れ落ちるのだとしても、生命が見せる輝きの尊さは対峙する者の心を揺り動かす。始動から12年を経て、コンスタントな音源発表とライヴ活動を継続してきたGOTCHAROCKAは、ここに来ていっそう今を生きることの意味を噛みしめながら、ある意味では、“これが遺作になっても構わない”というスタンスで、今作の制作をしていくことになったとのこと。ヴィドール時代よりもさらに描写力に磨きがかかった樹威の歌、隙のないプレイで楽曲の軸を支える十夜のギター・ワーク、コンポーザーとしてはもちろん多彩な発想を生かしたギター・プレイで魅了するJUN。3人の織り成す絶妙な音像と、意思のこもった詞世界は華やかにして奥深くもある。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：SKA, POP PUNK
ライヴ・バンドとしてさらなる高みを目指す
完全ライヴ仕様、盛り上がり必至の最新EP
ライヴ・バンドとしてさらなる高みを目指すべく完成したMAYSON's PARTYの2nd EPは完全ライヴ仕様、盛り上がり必至の1枚。痛快なホーンやコーラス・パート、自然と身体が動く軽快なスカ・ビートから、沸き上がるフロアの光景が見える新たなライヴ・アンセム「SUNSHINE」に始まり、ファンの声を直接レコーディングしたキャッチーな「Apple Orange Banana(A.O.B)」へ。エッジィなギターとドライヴ感ある曲調にスリリングなホーンがカッコいい「TURN BACK TO THE KIDS」から、ラストは疾走感ある曲調に雨上がりの新しい世界への希望を祈るように歌う「RAIN」が作品を締める。バンドの絶好調ぶりが伝わる今作を掲げ、大型フェスやツアーに挑む彼らのさらなる飛躍が楽しみで仕方ない！
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
ヒステリックな女性の心情を音と言葉で描き記した
絶望的な『サリドマイド』の物語を通して伝えたいものとは
思春期時代から心を病み続けたひとりの女性が、環境や人間関係に翻弄され、それでも幸せを掴もうと命を授かるが、授かった命さえ、彼女の前には不運という形で示された。それでも彼女は……。時系列はバラバラながら1曲ごとに詰め込まれた女性の心情をひもとくと、そこからは不幸や不運という言葉だけでは語り切れない、彼女の寂しくも破滅的な生き方が見えてくる。そんな女性の生き様を、時に暴力的なほどにダークでラウドな楽曲に乗せて、時に悲壮感や切なさを覚えるゴシック・メロウな曲調に乗せて表現。凪いだ歌や、乱れ狂うような暴欲的な音が、感情が錯綜するように次々と飛び出してくる。まさにヒステリックな女性の心情を音と言葉で描き記した作品だ。
長澤 智典【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
約4年間の軌跡を知らしめる
最強に“SAVAGE（＝イケてる）”なフル・アルバム！
約4年ぶりにリリースするフル・アルバムは、1曲目の書き下ろし新曲「V.I.P MONSTER」からラストの「CORUSCATE -DNA- 」までイケイケの攻めっ攻め。その勢いには否応なしにテンションが上がり、1枚を通して聴くことでワンマンを観たかのような満足感を味わうことができるはず。騒ぎたく、踊りたくなる楽曲の数々は、このバンドがライヴ特化型であることを再認識させてくれる。デジ・ロック、エレクトロニコアを軸にしながらも、和ロックな「EXIST」などアクセントになる曲を収めることで、一辺倒ではなく多彩で飽きさせないところも秀逸。“SAVAGE（＝イケてる）”の名に偽りなし、バンドリーマー（※“BanG Dream!（バンドリ！）”ファン）はもちろん、ロック・ファンにもお薦めしたい1枚だ。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】

GENRE：PUNK ROCK
さらなる高みを目指すため、THE JAPANESE PRIDE始動！
7年間名乗ってきたバンド名での活動に区切りをつけ、新たな活動を開始するTHE JAPANESE PRIDEの1st EP。パワフルなギターから、“あの日 はじまったんだ”と歌い出す「TIE」で始まる今作。十分なキャリアから鳴らされる強靭なロック・サウンドと初期衝動を思い返しながら現状を見つめる歌詞が、新たな始まりへの覚悟と想いを感じさせる。先行リリースされた「No.8」は高速ビートとエッジィなギターに乗せた吐き捨てるようなヴォーカルで、“カッコいい！”を詰め込んだ楽曲。変わらないこと、変わっていくことを歌う切なさを帯びた「THINK」。前身バンドの人気楽曲をリアレンジ＆再録した「約束」。改名後の初音源に収録する意義のある楽曲が揃った今作は、まさに“NOW”。ここからの活動への期待が高まるばかりだ。
フジジュン【ライター推薦】

GENRE： SYMPHONIC METAL
いつにも増して気高く神々しい宝野アリカ（Vo）様の鉄槌が今ここに下される――
ジャケ写も内容も衝撃的なニュー・アルバム
覚悟せよ。宝野アリカ（Vo）様の鉄槌が今ここに下されるのだ。凶悪打撃武器、釘バットを手にしたアリカ様の勇ましき御姿を拝むことができる、ジャケ写のインパクトがあまりにツヨツヨだとはいえ……今作は内容自体も大層衝撃的。ヤンキー漫画のタイトルと見紛う「爆烈勇侠外伝」では、“突き進め行け 荒くれ者よ”と発破を掛け、表題曲「若輩者」では、“どんな時代だろうと／わが道を貫こう”と鮮やかに歌い上げながら教えを説くアリカ様の存在感は、いつにも増して気高く神々しい。コンポーザー、片倉三起也（Key）の鬼才ぶりもますます盛んで、幻想的な「美しき獣たちの為の」で感じられる浮世離れぶり、大日本愛國唱歌かのような「日本弥栄」に漂うエキセントリックさも痛快至極。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：METAL
果敢にワールド・ツアーを展開し続けるFATE GEAR
究極のダーク・ファンタジーを描く新章
世界を飛び回る旅は目下続行中。Mina隊長（Gt/Ba/Composer）と乗組員らにより編成されるFATE GEARは、ガールズ・スチーム・メタル楽団を標榜するが、昨今の円安とインフレが激化する状況にあっても、果敢にワールド・ツアーを展開し続けているのだ。そんな最中に発表される今作は、究極のダーク・ファンタジーを描く新章としてここに完成した。音的にもゴシック要素やシンフォニックなニュアンスが物語を色濃く彩っている印象で、「This Fate」にはゲスト・ヴァイオリンとしてJill（Unlucky Morpheus／Vn）が参加。また、「Devil’s Pact」では隊長が初メイン・ヴォーカルを務め、登場キャラのヴォイスを一人二役で表現している点も興味深い。新曲4曲に加えライヴ音源9曲も収録。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
仮想都市“NEO TOKYO”を舞台に繰り広げられた
ツアー千秋楽の模様がついに映像化！
先導者たるHYDEが我々を誘うのは、仮想都市“NEO TOKYO”と名付けられたSF的異空間だ。下敷きになっているのは映画“ブレードランナー”や“AKIRA”で醸し出されていたサイバーパンク的シチュエーション。ふたつの物語はいずれも時代設定が2019年であるのが数奇な共通点となり、2019年と言えばあの忌まわしきCOVID-19のこともやはり忘れるわけにはいかない。“3年の雪辱を晴らす時が来た。お前たちを縛る規則はもうない！”――計20公演に上った“HYDE LIVE 2023”のファイナルを飾った幕張メッセ 幕張イベントホールにて、彼が咆哮したあの言葉。それに続いた、大会場をライヴハウスへと変貌させるような白熱のパフォーマンス……。今作はただのライヴ映像ではなく、自由奪還を祝した尊きオベリスクであると言えよう。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：SYMPHONIC METAL
完全復活を遂げた前作に続く
国産シンフォニック・メタルの最高峰 LIV MOONの6thフル・アルバム
国産シンフォニック・メタルの最高峰、LIV MOONによる完全復活を遂げた『OUR STORIES』（2022年）に続く最新作。元タカラジェンヌにして舞台女優としても活躍するヴォーカリスト、AKANE LIV（Vo）による圧倒的な歌唱力と多彩な表現力に裏打ちされたヴォーカル・パフォーマンスを軸として、それぞれが突出した技術を持つ鉄壁の布陣による緻密なアンサンブルが織りなす、ヘヴィ且つドラマチックでシアトリカルな要素も盛り込んだLIV MOON節は本作においても健在だ。ジャコモ・プッチーニの有名なアリアを独自に解釈した「Nessun Dorma」、歌謡曲風のメロディが印象深い「CRAVING」といった楽曲にも、ぜひ注目してみてほしい。
井上 光一【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
平出 悟や堀江晶太（PENGUIN RESEARCH）ら参加で
それぞれにスパイスが効いた逸品収めた3rdミニ・アルバム
スパイスを制する者は世界を制す。宗教戦争とされる十字軍遠征は、実のところ胡椒獲得も目的としていた説があるそう。また、いわゆる大航海時代もスパイスを求めて始まったもので、当時は胡椒が金と同価値だったのだとか。今作の1曲目「SPICE!」は、まさに刺激的なスパイスの効いた逸品。UVERworldのプロデューサーとして知られている平出 悟が参加しているだけに、革新的な音が詰まっているのだ。また、堀江晶太（PENGUIN RESEARCH／Ba）が手掛ける「Bite the bullet」、ショパンの「夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2」を、TRiDENT流に構築した「Nocturne」なども、それぞれにスパイスが効いた仕上がりで面白い。
杉江 由紀【ライター推薦】