URCレコード名盤再発シリーズ第２弾＆第３弾 - 遠藤賢司、加川良、三上寛、友部正人、高田渡など

URCレコード名盤再発シリーズ第２弾 2023年７月26日 (水) ／ 第３弾８月23日 (水) 発売

日本のインディレーベルの先駆けとして1969年に発足。多くの先鋭的な才能が集い、日本のフォーク／ロックの祖と言われるURC (アングラ・レコード・クラブ)。2023年ソニーミュージックが発売権を獲得し、この６月からスタートした同レーベルのCD復刻再発シリーズの７〜８月のラインナップ10タイトルが発表された。

いずれもフォークをベースとしつつ、あり余る表現欲求が暴走し、60年代末〜70年代初頭の混沌とした時代状況が投影された名作・問題作揃い。今後も続く再発シリーズに要注目である。

niyago / 遠藤賢司 (1970年)

フォークの枠を超えた “純音楽家” として日本のミュージックシーンにおいて異彩を放った遠藤賢司が1970年URCからリリースした１stアルバム。遠藤自身のギター弾き語りに加え、Tr.1、4、5ではデビュー前のはっぴいえんどから 細野晴臣・鈴木茂・松本隆が参加した今作は、1970年度『ニューミュージック・マガジン』誌日本のロック賞第２位に輝いた。

教訓 / 加川良 (1971年)

1970年のフォークジャンボリーで好評を博した「教訓�T」を収録した加川良の1971年のデビューアルバム。「教訓�T」「戦争をしましょう」などの自作曲のほかに、シバの「悲しい気持ちで」のカバー、アメリカ民謡に日本語詞を載せた「夜明け」など全12曲を収録。はっぴいえんどのメンバーや早川義夫、鈴木慶一らが参加。

ひらく夢などあるじゃなし / 三上寛 (1972年)

本作品は三上寛が、最初にURCレコードからリリースした「怨歌」集である。独自、唯一無二の世界観をいかんなく発揮した問題作。「パンク」という言葉が無かった当時、すでに充分パンクなアルバムとなっている。

にんじん / 友部正人 (1973年)

URCレコードから1973年１月に発売された友部正人の出世作となった全編弾き語りのセカンドアルバム。「一本道」「乾杯」「にんじん」「トーキング自動車レースブルース」など、闘争の季節終焉後の閉塞の時代にあって共感を呼んだ名曲の数々を収録。

1970年 / 中川イサト (1973年)

元五つの赤い風船の中川イサトによる 1973年発表のファーストソロアルバム。1970年に知人の自宅で録音されたプライヴェート録音のいわば発掘音源で、宅録物の走りとも言えそうな密室的作品。自宅録音ならではのゆったりとしたホームメイド感あふれる名盤。

六文銭 ／ 中川五郎 (1969年)

URC黎明期の名作スプリットアルバム。小室等率いる東京フォークの実力派・六文銭と、関西フォークの新鋭・中川五郎がアルバムの片面ずつを分け合った初録音作品。1969年4月、URC会員第２回配布作品としてリリース、のち市販された。オリジナルLPでは、六文銭サイド＝45回転、中川五郎サイド＝33回転という特殊仕様だった。

おとぎばなし / 五つの赤い風船 (1969年)

フルアルバムとしては第１作目となる通算２枚目のアルバム。デビューから約半年後の1969年に発表された。ディレクションを西岡たかしが手がけ、メンバーそれぞれのソロをフィーチャーするなど、コンセプトアルバム的な志向を持って制作された。

汽車が田舎を通るそのとき / 高田渡 (1969年)

1969年、当時20歳の高田渡が五つの赤い風船とのスプリットアルバムの直後にリリースした初の単独アルバム。自作曲を中心にしたギター弾き語りだが、スタジオに招いた若い女性と会話しながらラジオ番組風に進めていくという特異な構成。

溶け出したガラス箱 / 吐痙唾舐汰伽藍沙箱（西岡たかし・木田高介・斉藤哲夫）(1970年)

木田高介 (元ジャックス)、西岡たかし (五つの赤い風船)、斉藤哲夫の３人によるユニットが唯一残したアルバム。その内容は、まるで音の洪水が渦巻くような混沌としながらも不思議な魅力あふれる実験的な音楽で、海外での評価も高い。ゲストに加藤和彦、細野晴臣、竹田和夫、上村律夫らが参加。ユニットとしての活動はこのアルバムを残したのみでコンサート活動などは行っていない。

親愛なるQに捧ぐ / 加川良 (1972年)

「教訓�T」が話題となった加川良の２ndアルバム。デビューアルバムのメッセージ性とは裏腹に、自己内省的な歌が並ぶ作品。深夜放送で話題となった「下宿屋」でのポエトリーリーディングは本作最大の聴きどころ。演奏は、はっぴいえんどのメンバーや駒沢裕城、伊藤銀次などが参加。

第１弾は、高田渡／五つの赤い風船『高田渡／五つの赤い風船』、中川五郎『終り はじまる』、早川義夫『かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう』、なぎらけんいち『葛飾にバッタを見た』、加川良『やぁ。』の５タイトル。また、TBS「報道特集」特任キャスターの金平茂紀氏を監修に迎え、 “戦争と平和” をテーマに選曲した「URCレコード入門編コンピレーションアルバム」の第１弾も同時リリース。

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