【全曲解説】ナノ『NOIXE』

2023年03月01日 (水) 19:00

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<DISC1>
1. Evolution

Evolution / NANO

「これぞ“NOIXE”の1発目!」って誰もが納得できる、これまでのナノらしい、かつ進化してパワーアップした曲を持ってきました。アニソンでありながらも、アニソンという枠に収まりきらないほど、個人的な想いを歌詞にたくさん込めました。10周年の先を震えながら見つめ、進み始める決意と野心の曲です。

2. FIGHT SONG

タイトルの“FIGHT”とは、日本語だとエール的な意味だけれど、英語圏では“戦う”という意味になるのが面白いなと思い、あえて両方の意味を込めた楽曲になっています。デビュー当時に堀江晶太さんとの初タッグで誕生した「No pain, No game」はこの10年間、ある意味ずっと自分のファイトソングでした。そして今回の「FIGHT SONG」は10周年を迎えて新たな未来へ挑んでいく自分とリスナーのみんなのファイトソングになって欲しいなと思いで誕生しました。

3. We Are The Vanguard with DEMONDICE

今回のアルバムでは、ありがたいことにボーカリストとのコラボにもチャレンジさせていただきました。3人のコラボ相手の中では一番最近の出会いがDEMONDICEでした。彼女とはハワイのイベントでの共演がきっかけで仲良くなり、コラボが実現しました。DEMONDICEさんのパワフルなラップと自分のロックサウンドの組み合わせって今までにありそうで無かったので、お互いすごくやってみたいなと話していました。そして、お互いの世界に向けての強いメッセージを歌詞に込めました。海外のリスナーのみならず、日本のリスナーにも聴いて楽しんでもらえるような躍動感のある曲に仕上がったなと思います。

4. Heart of Glass

草野華余子さんの生み出す独特の心に残るメロディーやリズム感が以前からたまらなく好きで、今回初めて声をかけさていただきました。楽曲制作に入る前に、念入りに打ち合わせをして、その時にナノの持つヴィジョンと、草野さんの思う「ナノ像」を掛け合わせて作りました。この曲はアルバムの中では一番パーソナルな曲で、自分がこれからLIVEをやっていく中で、自分の世界観に浸って歌える大切かつエモーショナルな曲です。

5. Let's Make Noise

この曲は「Heart of Glass」とはメッセージ性は真逆でありながらも、同じくLIVEをイメージして作った曲です。ナノの音楽ルーツは洋楽ベースで、ティーンエイジャーの頃、パンクロックでとにかくはっちゃけて騒げる曲をよく聴いてストレス発散していました。ディープでエモい曲も大好きですが、時には何も深いことを考えず、仲間と楽しく馬鹿騒ぎをすることも必要だなと思うので、まさにそのための曲です。早くLIVEでお客さんと馬鹿騒ぎがしたいです!

6. Broken Voices with KIHOW from MYTH & ROID

Tom-H@ckさんのサウンドと、KIHOWさんのボーカルの唯一無二の世界観とコラボしてみたら良い意味で面白い作品ができるんじゃないかと思い、今回挑んでみました。KIHOWさんとは過去にいくつかの現場でご一緒する機会があり、その中でもステージでデュエットしたのがものすごく印象的で、お互いの声の相性に痺れました。KIHOWさんとナノって言葉に上手く表現できない、似ている魂の何かを感じるんです。その何かは決して美しい物でも、ファンタジーな物でも無く、うちに秘めている苦や人間的な要素なのかなと。そしてそれを歌に乗せてエネルギーに変えている。そういうところをイメージして歌詞を書きました。

7. CATASTROPHE

この曲は魂の叫びみたいに感じます。歌詞的にも、歌っていても。時に人生や世間に対して誰しもが感じる怒りや葛藤にインスピレーションをもらいました。生きるって当たり前のことなはずなのに、何よりも苦しいことでもあったり、何もかもが嫌になることだってたくさんある。でもその壁を一つ一つぶち壊して、乗り越えていく人間って最強だなと。

8. Happiness

人生に苦しみもたくさんあれば、ふとした時、思わぬところに幸せもあったり。むしろ、苦しみという“陰”があるからこそ、その先の“光”という幸せに気付けるのかもしれない。でも、十人十色、それぞれ自分にしか持ちえない心のファインダーを通して初めてそのコントラストが見えてくる。この世の中で、幸せになりたいって、人間の1番の願いなのかなと。

9. A Nameless Color with __(アンダーバー)

この曲に関しては、色んな感情があり過ぎて、正直涙腺がかなり緩みます。アンダーバーさんとは元々ネットの界隈で出会い、「歌ってみた」のコラボが出会いでした。それから10年以上経って、当時、完全なる趣味でやっていた音楽が、お互い今も全力で続けていて、またコラボができるって、色んな意味で奇跡のようなことだと思うんです。そういう喜びに気づかせてくれたのも__(アンダーバー)さんだし、__(アンダーバー)さんの色褪せない「名前の無い色」がとても魅力的に感じ、そして多くの刺激をもらってきた感謝の気持ちを込めて歌詞を書きました。

10. Circle of Stars

10周年記念オリジナル楽曲CDのラストは、やっぱりファンのみんなに届けたい曲です。ファンのみんなに支えられて歩んできた10年でもあるし、音楽を通してかけがえのない宝物をたくさん手に入れて来れました。その想いをシンプルに手紙のように書いて、歌詞にしました。出会ってくれてありがとう、の一言に尽きます。

<DISC2>
1. Rolling Star

今回のアルバムでは、初めてカバー曲DISCに挑戦してみました。選曲の基準としては、もちろんナノが大好きなアニソンばかりではありますが、何より、海外のアニメファンが喜んでくれそうな曲を選びました。BLEACHは海外人気がものすごくて、この曲もほとんどの海外のアニメファンのプレイリストに入ってるんじゃないかと思います。ロックテイストのアニソンには目が無い自分としては、初めて聴いた時、めちゃくちゃ刺さった曲でした。実際に歌うのは実は初めてだったんですが、よりロック感マシマシで、アヴリル・ラヴィーン風のイメージで歌ってみたらものすごくしっくり来ました。

2. TRUTH〜A Great Detective of Love〜

名探偵コナンはナノにとって、アニソンが大好きになる1番のきっかけでした。子供の頃、完全なるコナンオタクとして育ちました。なので、TWO-MIXのトリビュートアルバムでこの曲をカバーさせてもらえて、まるで夢のようでした。実はTRUTH〜A Great Detective of Love〜は、コナンくんバージョンもあり、音痴で歌っている高山みなみさんが本当に可愛くて、よくモノマネをしてきました。(笑) その曲を今回、ナノらしく、かなり激しめのアレンジで歌わせていただきました。

3. リライト

鋼の錬金術師でこの曲と出会い、一瞬で惚れました。アニメもトップ3に入るくらい好きな作品ですが、リライトを初めて聴いた時の衝撃は今でも覚えてます。良い意味で、自分の中にそれまで思っていた「アニソン像」をぶち壊されました。アジカンらしさを全く犠牲にすることなく、アニメの世界観ともマッチしていて、奇跡のマリアージュに感じました。海外での人気も絶大ですね。この洋楽らしいアレンジで歌うことによって、よりこの曲への想いを表現できた気がします。

4. God knows...

この曲は全ての要素において、神曲ですよね。一発聴けばすぐ分かるギターのイントロから、誰もが歌いたくなる癖になるメロディーから、平野綾さんの張り裂けるように歌い上げるボーカルから。この曲を知った当時は英語で歌うという発想は全く無く、家で歌いまくってました。2018年に一度ニューヨークのアニメイベントに出演させていただいた時に、共演者全員でこの曲をコラボで歌ったんですが、その時、お客さんの盛り上がりがあまりにも凄くて、とても印象的でした。全世界で人気の曲なんだなと実感が湧きました。そんな思い出もあって、今回英語でカバーしてみました。やっぱり神曲です。

5. 深い森

アニソンではどちらかというと珍しい、アコギがメインの曲というファーストインプレッションでした。洋楽はアコギの曲が比較的多いので、どこか心に馴染む、けれど邦楽らしさもあって。邦楽らしさは歌詞にも言えて、英訳に関しては、今回のカバーソングの中では一番悩んだかもしれません。邦楽の歌詞の多くは、情景や風景を語ったり、愛や様々な感情や想いを別の形で例えたりしますが、英語の歌詞はそういうエモーションはダイレクトに表現するので、深い森のようなまさに邦楽的な歌詞の良さを、どう英語で違和感の無い表現に訳す、かつ、メロディーにも馴染ませるか、ハードルは高めでした。でもそれが英訳カバーをするそもそもの醍醐味でもあるし、そのチャレンジも含め、大好きなんです。この深い森のカバーこそ、全世界のみんなに聴いてもらいたいですね。

<ナノメッセージ>
改めて、シンガーとして10周年を迎えられたこと、そしてそんな大切なマイルストーンにこんな贅沢な記念アルバムをたくさんの絆とともに作ることができたことに感謝しかありません。ナノにとって音楽はずっと自分の光であり、幾度も無く救われてきました。だからこそ、自分の音楽も、世界の誰かの力になって欲しいと心から願って歌と日々向き合っています。次の更なる素晴らしいマイルストーンに向かって、人生の豊かなnoiseと共に、一緒に突き進んで行けたら嬉しいです。Rock on. NANO

ナノ『NOIXE』

GENRE:LOUDROCK
デビュー10周年。その先の自分に向かってナノが歌い紡ぐ、人生を豊かに彩るノイズ
デビュー10周年イヤーに完成したニュー・アルバム。今回は初タッグとなるトラックメイカーとの曲も多く、10年という節目の年にして微塵も甘美な懐かしさや思い出に浸る気持ちはないようだ。馴染みあるところとしては堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)との「FIGHT SONG」があるが、今回は爽快にシンガロングできるアンセムになっていて、開放的な今のムードが伝わる。その他、木暮栄一(the band apart)とのパーティー・ハードな「Let's Make Noise」も新機軸。ラッパー、DEMONDICEとのコラボ曲「We Are The Vanguard」は、アヴァンギャルドなトラックにふたりの歌とラップが冴える、全編英語によるグローバルな1曲。新たな耳への刺激に満ち、パーソナルな歌詞はより本質的な面を掘り下げ、アーティストとしての進化を深みある表現で提示した。
吉羽 さおり【ライター推薦】

NOIXE

CD

NOIXE

ナノ

価格(税込) : ¥4,400

会員価格(税込) : ¥3,080

発売日: 2023年02月08日

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