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2017年10月6日 (金)

クラシックの作曲家は様々なイメージを元に曲を作っています。中でも、今回は物語をもとに作られた名曲にスポットを当て、紹介していきます!物語の内容を想像しながらじっくり聴いてみて下さい。

1. ベルリオーズ / 幻想交響曲

ある若い音楽家が、恋に悩み、絶望からアヘンによる服毒自殺を図ります。しかし死には至らず、彼は重苦しい眠りの中で幻想を見ます。第1楽章、恋人のことを夢見ながら情熱と孤独を覚える青年。第2楽章では夢の中の舞踏会で恋人の姿を見ます。そしてその後、第3楽章で恋人の幻を夢の中の野原で見出し、青年は再び深い孤独に陥るのです。第4楽章、夢の中で恋人を殺した罪でギロチンにかけられます。そして第5楽章、命の潰えた青年の葬儀で魔女がお祭り騒ぎをします。この曲では、あるひとつの旋律が恋人を表す固定観念として何度も登場し、姿を変えていきます。どこに登場するか、着目しながら聴いてみて下さい!

2. シューベルト / 魔王

ある父親と息子の話。熱を出した息子を医者に連れて行くために、息子を腕に抱き、馬で駆け抜ける父親。夜も更けた頃、辺りは真っ暗です。やがて息子は高熱にうなされ、幻聴に襲われてしまいます。風に吹かれた枯れた葉や木々が、まるで魔王の囁きに聴こえるのです。そして息子は結局、途中で息絶えてしまいます。この歌曲、なんと父親、息子、魔王、語り手の4人の役を一人で演じながら歌うのです。それぞれの登場人物の役柄をどう変化させているかが聴きどころです。声のトーンも微妙にそれぞれ違います。

3. リヒャルト・シュトラウス / ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら

昔々あるところに、ティル・オイレンシュピーゲルという男がいました。いたずら者の浮浪人で、いつも周りを騒がせています。ティルは牛馬を解き放ち市場で大騒ぎを起こしたり、僧侶や騎士に変装し人々を煙に巻いたりします。そして好き放題にいたずらを繰り返しますが、やがてティルは逮捕されてしまいます。その後裁判にかけられ、死刑の判決を受けるのです。ついに絞首台に昇り、ティルは死んでしまいましたとさ...。曲全体を通したコミカルな曲想は、まるでティルの性格を表しているかのようです。今がどんな場面か想像しながら聴くのも楽しみのひとつ。

4. デュカス / 魔法使いの弟子

年老いた魔法使いが若い見習いに雑用を言い残して、自分の工房を旅立つところから物語が始まります。見習いは命じられた水汲みの仕事に飽き飽きして、ホウキに魔法をかけて自分の仕事の身代わりをさせます。しかし見習いはまだ完全には魔法の訓練を受けておらず、床一面は水浸しとなってしまいます。その後もどんどん状況は悪化してもはや洪水のような勢いになった瞬間、師匠の魔法使いが戻ってきてたちまち魔法をかけて急場を救い、最後に魔法使いが弟子を叱る、という物語です。ディズニー映画「ファンタジア」でも知られた有名な作品です。

5. リヒャルト・シュトラウス / 英雄の生涯

この物語に出てくる「英雄」とは作曲者リヒャルト・シュトラウス、自分自身のことです。前奏はなく、突然英雄のテーマが提示されます。途中、評論家や無理解な聴衆からの非難を受け、負けそうになりますが、途中で愛する女性が登場し、救われます。そしてその後、敵が登場するもののその女性と力を合わせて乗り越えていきます。最後、今までの生涯を思い返し、英雄は年老いて息を引き取ります。途中で英雄の栄誉を示す場面で、リヒャルト・シュトラウスの様々な作品が次々と登場するのが聴きどころ。まさに英雄の生涯を、大きなスケールで描いた作品です。

 

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