冨田勲／オホーツク幻想（仮）

Thursday, January 21st 2016

ヒット作『イーハトーヴ交響曲』を経て生まれた賢治とTOMITAの邂逅
オホーツク幻想（仮）
冨田勲

ISAO TOMITAプロジェクト最新作。
前作『スペース・ファンタジー』に続く第2弾オムニバスアルバム。トミタのシンセサイザーサウンドの色彩感ともっとも親和性の高いフランスものから、ラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』と、『マ・メール・ロワ』がメインのプログラムとなります。さらに好評を博したトミタの最新作『イーハトーヴ交響曲』により明るみになった冨田の宮沢賢治への思慕が、今回のアルバムにも刻印されることとなります。

具体的には、「賢治最愛の妹トシから賢治にあてた架空の手紙」を音世界で描いた『オホーツク幻想』が冒頭に置かれているのが特徴。さらに、トミタのシンセサイザーによる最も初期の作品でファンの間では「まぼろし」とされていた『銀河鉄道の夜』（ＴＢＳブリタニカの付録で音源化されたのみで初CD化）がアルバムの末尾に置かれています。

つまり聴くものはたちまち北方オホーツクへのノスタルジーと憧憬に満ちた音世界に没入し、さらに、視線は旋回し、フランス中世の幻想世界（＝亡き王女、マメールロワ）へと至り、その先にはまた、賢治が描いた天空の銀河へと至る、という幻想が大きく弧を描き宇宙へと飛翔するような大きなコンセプトに貫かれているアルバムです。（日本コロムビア）

【収録情報】
● 冨田勲：オホーツク幻想
● ラヴェル：亡き王女のためのパヴァーヌ
● ラヴェル：『マ・メール・ロワ』～眠れる森の美女パヴァーヌ
● ラヴェル：『マ・メール・ロワ』～夜の森に迷った一寸法師
● ラヴェル：『マ・メール・ロワ』～パゴダの女王レドロネット
● ラヴェル：『マ・メール・ロワ』～美女と野獣の対話
● ラヴェル：『マ・メール・ロワ』～妖精の園
● 冨田勲：『銀河鉄道の夜』～ケンタウルス祭の夜→天気輪の柱
● 冨田勲：『銀河鉄道の夜』～白鳥の停車場
● 冨田勲：『銀河鉄道の夜』～水晶の砂の川原
● 冨田勲：『銀河鉄道の夜』～鳥捕りのおじさん
● 冨田勲：『銀河鉄道の夜』～さそりの火