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『宮崎駿作品集』の魅力とは!?〜メルマガにて公開中深堀りレビュー!

Sunday, June 8th 2014

  • 【6/8(日)配信号掲載】
    宮崎駿監督による「スタジオジブリ」制作映画の第7作(2004年11月20日公開)。

    ハウルの動く城

    ★★★★☆

    ユーザー評価 : 4点 (29件のレビュー)

    DVD

    ハウルの動く城

    ジブリ

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    深堀りレビュー
    『ハウルの動く城』は宮崎駿監督による「スタジオジブリ」制作映画の第7作。2004年11月20日に公開し2005年5月1日までに観客1500万人を動員!なんと2004年と2005年の2年にわたり興行成績第1位を記録!「スタジオジブリ」作品としては『千と千尋の神隠し』に次ぐ大ヒット作品となっています。

    ―科学と魔法が入り交じった世界を舞台に「荒地の魔女」に魔法をかけられ90歳の老婆にされてしまった18歳の少女ソフィーと、「美女の心臓を食べてしまう」と町で噂されている魔法使いの美青年ハウルとの恋を描く。  
    『ハウルの動く城』はイギリスの作家、ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる『魔法使いハウルと火の悪魔』が原作。物語の前半は原作に準じた展開となっていますが、後半部分では原作では描かれなかった「戦争」シーンが加えられるなどかなり違った展開になっています。このことを原作者であるダイアナ・ウィン・ジョーンズは了承しており、また宮崎駿監督による『ハウルの動く城』を絶賛!しています。彼女は宮崎駿監督のファンでもあり「ハウルの性格を変えない」という条件のみで内容の変更を快諾してくれたそうです。
    『ハウルの動く城』は第61回ヴェネツィア国際映画祭にて「オゼッラ賞」授賞!またその翌年にはニューヨーク映画批評家協会「最優秀アニメーション賞」を受賞!さらに第62回ヴェネツィア国際映画祭において、宮崎駿監督は世界的に優れた映画人に贈られる「栄誉金獅子賞」も受賞!前作『千と千尋の神隠し』同様、海外においても非常に高く評価されています。

    ―一番、自分の中にトゲのように残っているのは『ハウルの動く城』です。
    宮崎駿監督の最後の長編作品となった『風立ちぬ』公開後の2013年9月6日、スタジオジブリは都内で宮崎駿監督の引退会見を行いました。これは同年の第70回ヴェネチア国際映画祭で突然発表された宮崎駿監督引退の報を受けて開催されたもの。この引退会見の場で宮崎駿監督は「最も思い入れのある作品は?」という質問に対して「一番、自分の中にトゲのように残っているのは『ハウルの動く城』です。ゲームの世界なんです。でもそれをゲームではなくてドラマにしようとした結果、まぁ、本当に格闘しましたが、あの、スタートが間違っていたんだと思うんですけど(笑)、自分が立てた企画だから仕方がありません。」と答えています。
    これはどういうことを意味しているのでしょう?宮崎駿監督は別のインタビューでこうも答えています。「僕は魔法の理屈を説明しない映画を作ったんですが、そしたら僕も途中で迷子になってしまった(笑)。」…これは原作の舞台や物語の設定がまるでゲームのような構造になっている為、ただそれを一つ一つ映画の中で説明しながら物語を構築するようなことをあえてしなかった、ということかもしれませんね。また原作にはない「戦争」シーンを付け加えたことも戦火の中の「ドラマ」を構築する為に必要なことだったのでしょう。ちなみに押井守監督は『ハウルの動く城』を「戦場でボロボロになりながら戦うハウルを通して、男には妻にも子どもにも見せられないダークサイドがあることを宮さん(宮崎駿監督)が初めて描いた。ストーリーとしては滅茶苦茶な映画だけど、表現も円熟している」と評しジブリ作品で一番好きとも発言しています。※押井守…『うる星やつら ビューティフル・ドリーマー』(1984年)、『機動警察パトレイバー』(1989年)、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』(1995年)、『イノセンス』(2004年)などを手掛けた日本が誇る名監督。宮崎駿監督とも古くから親交があります。
    また「荒地の魔女」役を演じた美輪明宏は「ご覧になられるとお分かりになられると思うんですが、宮崎さんとお話したときに「(作品の)説明は全部はぶいてある」とおっしゃっていたんです。ひとつひとつ『あれはおかしい』とかいう人もいらっしゃると思いますが、ジャン・コクトーが『この作品はただ感じてもらえればいい』と申しましたように、観る人のボギャブラリーや許容力に預けてある作品なんです。他にも家族とはどういうものであるのか、善と悪とはどういうことなのかなどいろんな要素が入っていますので、そういうところをお楽しみいただければありがたいと思います。」と語っています。※『ハウルの動く城』ロマンアルバムのインタビューより。

    ―言葉は魔法。〜あたしなんか、美しかったことなんか一度もないわ!
    『ハウルの動く城』物語の中で最も曖昧な表現となっている部分があります。それは「ソフィーは自分自身気づいていないが実は魔法の力を持っており、その言葉はそのまま実現化すること。そしてその言葉の魔法で相手に生命までも吹き込むことができる。」という設定です。
    ソフィーは、自分の容姿に常に劣等感を抱いています。彼女が言った言葉はその魔力によりそのまま実現していくのです。ソフィーはハウルから「秘密の庭」のプレゼントを貰って若返った時も「あたしきれいでもないし、掃除くらいしかできないから……。」と言った途端に外見は年寄りの姿に戻ってしまいます。彼女が老婆になるのは実は「荒地の魔女」の魔法による呪いというよりも彼女の自己暗示のようなものなのです。だから眠っている時や素直な気持ちが表現できる時には自己暗示が解けている状態なので外見も若返って見えます。
    宮崎駿監督がこの物語を通じて私たちに伝えたいことはファンタジーの世界や「魔法が使えること」ということではなく「すべては自分の気持ち次第、いつでも自分は変われる」ということなのだと思います。そしてソフィーは「どうか、カルシファーが千年も生き、ハウルが心を取り戻しますように……。」という言葉で最後は相手に生命までも吹き込むのです。
    宮崎駿監督は引退会見の場でこうも語っています。「僕は児童文学の多くの作品に影響を受けてこの世界に入った人間ですので、今は児童書もいろいろありますが、基本的に子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』ということを伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になければならないと思ってきました。それは今も変わっていません。」

    ちなみに、もはや「スタジオジブリ」作品の名物!となっている食事シーンの数々。『ハウルの動く城』といえば「ベーコンエッグ」の朝ごはん!ハウルの「あとベーコン二きれに、卵を六個ちょうだい。」というセリフもたまりません。個人的には『天空の城ラピュタ』のドーラ一家の根城「タイガーモスでの食卓」に匹敵するレベルですね!

    また『ハウルの動く城』ではハウルが鳥の姿になって戦うシーンがありますが原作にはないイメージです。これはもしかすると『クラバート』の影響でしょうか。『クラバート』はドイツの児童文学者オトフリート・プロイスラーがラウジッツ地方の古い伝説を下敷きにして書いた作品です。作中では鳥に変身することの出来る魔法使いの親方が登場しています。宮崎駿監督は『クラバート』をプロイスラー作品の中でも特に気に入っていて『千と千尋の神隠し』制作時にも参考にしていたそうです。文庫版の帯には宮崎駿監督の「いい本です。自信をもっておすすめできます。」という推薦コメントも付いていました。『クラバート』はドイツ児童文学賞、ヨーロッパ児童文学賞などを受賞しプロイスラー文学の頂点といわれる作品です。こちらも未読の方にはぜひオススメしておきたい作品!です。

    関連アイテム

    Diana Wynne Jones / 魔法使いハウルと火の悪魔 ハウルの動く城 ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる『魔法使いハウルと火の悪魔』が原作の物語。
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    Diana Wynne Jones / 魔法使いハウルと火の悪魔 ハウルの動く城 


    オットフリート・プロイスラー / クラバート 改訂 文庫版の帯には宮崎駿監督の「いい本です。自信をもっておすすめできます。」という推薦コメントも付いていました。
    Book

    オットフリート・プロイスラー / クラバート 改訂 

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