アニー・フィッシャー/EMI録音集
Friday, February 21st 2014
アニー・フィッシャー/EMIレコーディングズ(8CD)ハンガリーの名ピアニスト、アニー・フィッシャー[1914-1995]は、幼少からピアノの才能をあらわし、8歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏、翌年、9歳でフランツ・リスト音楽院に入学しています。音楽院では、リストの流れを汲むアルノルド・セーケイやエルンスト・フォン・ドホナーニらに師事しており、その後、19歳でリスト・ピアノ・コンクールに優勝、以後はヨーロッパ各地で活躍するようになります。
戦時中はスウェーデンに戦禍を逃れていましたが、戦後ブダペストに戻ると、夫のアラダール・トートがブダペスト歌劇場芸術監督に就任、トートがオットー・クレンペラーを音楽監督に招いた繋がりもあって、アニー・フィッシャーはクレンペラーと親交をもつようになり、クレンペラーがブダペストを離れた後も、ロンドンやアムステルダムで共演していました。
リスト・コンクールに優勝したアニー・フィッシャーは、リストのほか、モーツァルトやシューマン、ベートーヴェン、バルトークの演奏でも高い評価を受けており、その演奏はリヒテルなども称賛、ショルティはハンガリー最高のピアニストと称えていました。
アニー・フィッシャーは、生涯ブダペストを拠点として活動していたため、遺されたレコーディングは少ないのですが、ここでは彼女がEMIでおこなったレコーディングを集めています。
ボールト、サヴァリッシュ、クルツと録音したモーツァルトのピアノ協奏曲は昔から定評がありますし、クレンペラーと録音したリストとシューマンのピアノ協奏曲でのロマンティックで堂々とした味わいも魅力的で、マルケヴィチとのバルトークのピアノ協奏曲第3番も美しい仕上がりとなっていました。
独奏曲では、アビーロード・スタジオで録音したベートーヴェン、シューベルト、シューマンが収められており、アニー・フィッシャーの詩情豊かな演奏を味わうことができます。(HMV)
【収録情報】
Disc1
モーツァルト:
・ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K.466
・ピアノ協奏曲第23番イ長調 K.488
フィルハーモニア管弦楽団
サー・エードリアン・ボールト(指揮)
録音:1959年
Disc2
モーツァルト:
・ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467
・ピアノ協奏曲第22番変ホ長調 K.482
フィルハーモニア管弦楽団
ヴォルフガング・サヴァリッシュ(指揮)
録音:1958年
Disc3
モーツァルト:
・ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491
・ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
エフレム・クルツ(指揮)
録音:1966年
Disc4-5
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集
・第8番ハ短調 Op.13『悲愴』
・第14番嬰ハ短調 Op.27-2『月光』
・第18番変ホ長調 Op.31-3
・第24番嬰ヘ長調 Op.78『テレーゼ』
・第21番ハ長調 Op.53『ワルトシュタイン』
・第30番ホ長調 Op.109
・第32番ハ短調 Op.111
録音:1957-1961年
Disc6
シューベルト:
・即興曲集 D.935〜第2番
・即興曲集 D.935〜第4番
・ピアノ・ソナタ第21番変ロ長調 D.960
録音:1960年
・シューマン:幻想曲ハ長調 Op.17
録音:1958年
Disc7
シューマン:
・謝肉祭 Op.9
・子供の情景 Op.15
・クライスレリアーナ Op.16
録音:1957年、1964年
Disc8
・シューマン:ピアノ協奏曲イ短調 Op.54
・リスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調 S.124, R.455
フィルハーモニア管弦楽団
オットー・クレンペラー(指揮)
録音:1960-1962年
・バルトーク:ピアノ協奏曲第3番 Sz.119
ロンドン交響楽団
イーゴリ・マルケヴィチ(指揮)
録音:1955年
アニー・フィッシャー(ピアノ)
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