再登場 Mary's Blood / Saki!

Thursday, June 27th 2013

Saki / Mary's Blood
Saki / Mary's Blood

Mary's Bloodメンバーからコメント!


グダグダのSakiさんに注目!
Mary's Blood / Guitar Saki『悪魔と私のエトセトラ』

 こんにちは、HMV コラム2回目の登場、Mary's Blood のちゃっきーこと SAKI です。今回は来る7月5日に新しいミニアルバム 『AZURE』 が発売されることになり、コラムを掲載して頂くことになりました。このミニアルバムは昨年にリリースした 『SCARLET』 と対になるミニアルバムです。前作は赤をテーマにしていたのですが、今作は青がテーマです。1曲目の 「DEEP-SIX」 というのも聞きなれない言葉かと思いますが水葬する、海に沈めるという意味の言葉なんです。今回も前回同様に皆で曲を持ち寄ってあーだこーだ言って選曲したのですが、蓋を開けたら激しいのばっかりになってしまいました(笑)。「Voyage」 だけは少しまったりした曲調ですが。私たちの今を詰め込んでみました今回のミニアルバム、是非とも皆様に楽しんで頂きたいです。なんだよ〜、またミニかよ〜!というそこのアナタ!覚悟してちょっぴり待ってなさい!(笑)

 さて今回は何を書くかと申しますと、前回は英国の至宝、否!世界の至宝 QUEEN について恐れ多くも書かせて頂いたのですが(前回のコラムはこちら)、今回は私が最も深く敬愛している最強の宗教団体、聖飢魔II について書かせて頂きます。これは始まる前から長くなる気がするでしょう?ブラウザを閉じるなら今の内ですよ?いや、逃しません!最後まで読んで悪魔教に入信するのです。今回も一応私もギター弾きのはしくれなものですので、ギタリストに着目して語らせて頂こうと思います。


聖飢魔II

1、最初期〜悪魔が来たりてヘヴィメタる
 そもそも 聖飢魔II とはどういう成り立ちの集団なのかと申しますと、早稲田大学の WFS というサークルで結成されたは・は・はまださんバンドがその原型であります。これは後の創設者、ダミアン浜田殿下がメタルやりたいからとサークルに所属していたメンバーを集めて組んだバンドなんですね。そのあたりの経緯については『ひとでなし』という書籍に詳しく書かれていますのでご参照下さい。

 このバンドが後に 聖飢魔II となり、ソニーのオーディションに浮かってメジャーデビューを果たすわけです。その初期の楽曲はダミアン浜田殿下の曲が中心となっていて、その世界観を形成しています。

2、ダミアン浜田というギタリスト
 この方の作る曲はどういう曲かというと、とにかくおどろおどろしくて恐怖感を煽るようなリフや歌詞など個性的な曲が多いんです。かの有名な『蝋人形の館』もダミアン浜田殿下のペンによるものです。この方の曲の特徴は強力なリフがある、世界観が物凄い、ということでしょうか。いわゆる分かり易くてキャッチーでポップなメロディがあるのではなく、一聴して耳に残る独特なフックを持つメロディが特徴的です。この方の曲が完全に 聖飢魔II の世界観を創り出しているんです。どの曲も聴けばすぐにダミアン浜田の曲だなと分かるんですね。実はこの彼の作曲群こそが 聖飢魔II の背骨であって、これがあるからその後の構成員の悪魔事異動を経て、どんなにジャズやフュージョン風のアプローチを盛り込んだ曲をやろうとも、聖飢魔II が 聖飢魔II たり得るわけです。悪魔の世界を表現している完璧な曲であると思います。楽曲それぞれの雰囲気としてはやはりおどろおどろしいロックといえば BLACK SABBATH のような雰囲気もあるのですが、それよりもジメっとしているというか、安直な言い方になってしまいますが、どことなく日本の歌謡曲的なニュアンスを含んだ空気感を持っています。しかし、このダミアン浜田殿下という悪魔は地獄でサタン44世が危篤に陥ったため、聖飢魔II の地球デビューの際には脱退をします。その地球デビュー時にリリースされた大教典が 『聖飢魔II〜悪魔が来たりてヘヴィメタる』(B.D14) です。収録されている楽曲の殆どがダミアン殿下による作曲でした。

3、様式美ヘヴィメタルからハードロックへ
 続く 『THE END OF THE CENTURY』(B.D13) も、ダミアン殿下と入れ替わりに加入したジェイル大橋代官作曲の "DEMON'S NIGHT""FIRE AFTER FIRE" の2曲を除いて全てダミアン殿下の曲です。そして続く3枚目の大教典、『地獄より愛をこめて』 ではこのジェイル大橋がその楽曲制作におけるイニシアチブを握るのです。この3枚目ではベーシストもゾッド星島親分からゼノン石川和尚に悪魔事異動が行われています。3曲目の "モアイ" ではベースソロなども聴くことが出来るように、楽器隊の主張が更に前に出るようになった感があります。

 とにかくこの 『地獄より愛をこめて』 という大教典では、ダミアン曲の割合がぐっと低くなり、ジェイル大橋の曲の割合が高くなった作品で、彼のギターセンスが光りまくっている作品だと言えるでしょう。一曲目の "DEATH LAND" も爽快なロックンロールのリズムとリフから始まり、続く "APHRODITE"、強力すぎるリフを持つツェッペリンフレーバー溢れる "アダムの林檎" などなど、とにかく全曲ギターがかっこよすぎる! "FROM HELL WITH LOVE" もジェイル大橋作曲ですが、大きなビートでギターのバッキングの映える7分弱の大曲です。この曲もギターリフがメインとなって引っ張っている曲です。この大教典収録曲で後年にもよく演奏されているのは "アダムの林檎""APHRODITE""秘密の花園" でしょうか。イントロの早弾きパッセージと、サビでのポリリズム的なバッキングが印象深い "悪夢の叫び" もその後 『舞踏歌劇 怒羅吸裸』 の劇中歌として演奏されたものが活動絵巻となっています。ちなみにツェッペリンフレーバーと先述しましたが、これはギターだけでなくライデン湯沢のドラムスに寄るところも大きく、彼の敬愛するジョン・ボーナムへの多大なリスペクト溢れる叩きっぷりがこの曲の強力なノリを作っているとも言えるでしょう。(後に『ドラマー・パーフェクト・ガイド ジョン・ボーナム』なる教則DVDを出すほど、彼はボンゾに心酔しています。)

4、ジェイル大橋というギタリスト
 ダミアン浜田脱退後の 聖飢魔II を引っ張ってこの大教典を作り上げたのは紛れもなくジェイル大橋なのですが、その音楽性や志向は純然たるアメリカン・ハードロックであって、それまでの大教典にあった BLACK SABBATH 的なブリティッシュな香りやおどろおどろしさはいくらか減退しているという印象です。"アダムの林檎" はジェイル大橋脱退後の後期においても演奏される曲ですが、この曲の大きな魅力はリフや曲の持っているビート感であると言えるでしょう。音符の後ろに強い“ノリ”を持ってきて弾くギタリストなので、後期において後任ギタリストであったルーク篁参謀がこのリフを演奏する際とのノリの違いが分かり易くて面白いところかと思います。ちなみに 『THE END OF THE CENTURY』 に収録されている "FIRE AFTER FIRE"『1999 BLACK LIST[本家極悪集大成版]』 に再録されていますが、こちらはルーク篁が演奏しているために細かな違いがあって面白いですね。ソロ後半の駆け上がりフレーズの音符の振り分け方が違ったりだとかしています。

 ジェイル大橋は演奏のみならずステージングもワイルドでかっこいいギタリストなので、是非とも活動絵巻を手に入れて観てみることをおすすめします。大きく足を拡げて猫背気味で低めに構えたギターと、独特の片足を上げてリズムを取る様子が特徴的です。演奏面では太くて甘いいわゆるレスポール的なサウンドを好むようで存在感のある音がその特徴です。チョーキングやビブラートも大きめに演奏し、特に "秘密の花園" ではアーミングとも使い分けていて、その豪快で繊細な演奏を聴くことが出来ます。D.C.7 の再集結時のミサテイクが個人的にはお気に入りですので是非聴いてみて頂きたいです。また、先に述べたようにリズム感が非常に独特というか、こう言ってしまうととても安っぽく聞こえますが日本人離れしている感覚を持っているギタリストでしょう。事実、聖飢魔II 脱退後 CATS IN BOOTS という日米人混合バンドをアメリカで結成してデビューします。日本に帰国していましたが2013年より再び渡米して活動を展開していくようです。

☆大橋さんにまつわるお宝
 じゃじゃん。Aria ProIIから発売されているシグネチャーモデルギター、RS-JAILです。


 こんなに聖飢魔IIの信者になったのもバンドをやっているのも、ズバリ言ってこの大橋さんになりたかったのが純粋な動機です。再集結の映像をNHKで観ていて、"創世紀〜地獄の皇太子"という流れで「ふ〜ん、見た目通りこういう曲やるんだ」という意識で観ていた所に"BRAND NEW SONG"が始まっておや?と思い、"STAINLESS NIGHT"でなんて美しい曲なんだ!と感銘し、次の"蝋人形の館"で現れた代官を見て、「私、この人になりたい!(人じゃないけど当時は人だと思ってた)」と思ったのが全ての原動です。もしこの映像を見てなかったら今頃私はエレキギターを弾くこともなく、バンドをやることもなく普通に大学を卒業していたことでしょう。幸か不幸かはわかりませんが…(笑)
 RS-JAILは売ってなくてなかなか手にすることが出来なかったのですが、ある時信者仲魔の方がRS-JAILをもっと普段から弾く人に譲りたいと言うことでかなり安値で譲って下さったんです。それからのお付き合い。ネットを探すと半分エースさん、半分ジェイルさんの顔でこの子を弾いてる写真も出てきますよ。ちょっと調子が悪いのでお蔵入り気味ですが、きちんとリペアに出してまたステージで弾いてあげなくちゃ。



5、中期〜最終構成員の集結
 いよいよ構成員も固まってバンドとしてより成長していこうか、という矢先にジェイル大橋が脱退します。その後任として加入するのがルーク篁です。その後の 聖飢魔II のソングライティングにおいてバンドを牽引していったのはこのルーク篁でした。『地獄より愛をこめて』 に収録され、その後D.C.1の解散時、最後に演奏されるなど不動の名曲 "El.Dorado" もルーク篁の作曲によるものでした。『地獄より愛をこめて』の後、解散まで不動の最終構成員の5名によって発表されたのが 『BIG TIME CHANGES』 です。今作から全ての構成員が曲を持ち寄っていく様な作風にシフトしていきます。1曲目の "ROCK'N'ROLL PRISONER" から始まり、最後はエース清水長官がボーカルをとる "ANGEL SMILE" で終わります。この大教典の特徴は全ての構成員が曲を作る様になったことから、バラエティに富んだ作風になったということでしょう。ギタリストに言及して大雑把に言ってしまうと、ストレートなリフやキャッチーなメロディのある曲を担当したのがルーク篁、少し捻ったコード進行や転調を含んでサビで一挙に広がりを持たせるような曲を担当したのがエース清水と考えることが出来るかもしれません。エース清水作曲の表題曲、"BIG TIME CHANGES" はその後解散まで演奏される曲で、基本的に重たいリズムのロックンロールな曲ですがそのソロでは実に4回も転調がなされています。

6、エース清水というギタリスト
 このエース清水というギタリストの特徴というのは、通常ハードロックというジャンルでは使われることのないスケールをどんどん持ち込んで、新鮮な雰囲気をその楽曲に持ち込んでいる点であるでしょう。例えば "蝋人形の館" のソロでもフュージョン的なフレーズが織り込まれていたり、後の 『メフィストフェレスの肖像』 収録の "WHO KILLS DEMON?"『MOVE』 に収録されている "サクラちって、サクラ咲いて" (曲自体もロックバンドでは稀有なメロウな曲でありましたが)などで、ディストーションギターではあまり用いられないオルタードスケールを含んだソロを展開しています。そもそものキャリアの出発点も つのだ☆ひろ&ジャップス・ギャップス であることからもわかるように、一般的なハードロックギタリストとは一線を画しているわけですが、ジャジーなアレンジの中でもきちんとハードロックに帰結させているのはひとえに彼の音楽的センスが高いというだけでなく、聖飢魔II というバンドのバランスをきちんと考えていての事であったのでしょう。以降のインタビューや書籍などで見受けられるエース清水、ルーク篁両氏の発言として、相方のギタリストとは違うアプローチをしていようと考えていた、というものが見受けられますが、こうした意識からも曲の住み分け、書き分けが行われ、こうしたギターアプローチにも自然とそれが現れていたのではないでしょうか。

Sakiさん、エース氏のフレーズをプレイ!


 理論的な根拠に基づいてきちんと組み立てられた楽曲はどれも非常に聴き応えがあり、解析のしがいもあるものだといえるでしょう。ご本悪魔が執筆された理論書、『鉄人への道』も初心者向けのフレットの押さえ方からギタリストにとって必要と思われる理論を実践的に学ぶことが出来る本であります。もちろん理論的であるのは間違いありませんが、理論を駆使して他のギタリストが弾かない独特の美しいギターソロのメロディを生み出せるのはセンスの賜物にほかなりません。その演奏の安定感も特筆すべきものがあります。ミサでの演奏音源であっても正確無比なバッキングが堪能出来ます。バッキング聴いてるだけで御飯3杯は食べられます(笑)。

☆ACEさんにまつわるお宝
さて、エース清水長官は現在は元GRASS VALLEYのキーボーディスト、本多海月さんとface to aceというユニットで活動されていて、そのボーカリスト&ギタリストを務めていらっしゃいます。実は何を隠そうこの私、人生初めてのライブがACEさんと対バンだったのです!!と書くと、さも凄そうですが(笑)。とある楽器屋さん主催の高校生限定のライブイベントでface to aceがゲスト審査員、そしてスペシャルライブを披露するという催しがあったんです。そこで文化祭に向けて結成していたキャシー&キャロルなるバンド(お気づきの通りジュディマリなどガールズロックのコピバンでした)で、メンバーに何の了解も取ることなく勝手に出場を決めてしまったのです(笑)。それが人生初のライブというやつでした。それまでは聖飢魔IIのセッションイベントを探しては色んな世代の人達と混ざって聖飢魔IIをひたすらにコピーしていたんですが、この時初めてライブに向けてスタジオに何回も入るということを経験しました。もう緊張しすぎて死ぬかと思いましたが、聖飢魔IIのミサの定番、"創世紀"から始めてそのままアヴリル・ラヴィーンの"sk8er boi"に繋ぐというめちゃめちゃなことをやりました。それを観てたお2人が笑って下さってて、それからちょっとずつ緊張がほぐれていったんです。とは言ってもガチガチでしたけど(笑)そんなACEさんにまつわるお宝がこちら。


元々弟の同級生のお父さんにギター収集家の方がいて、小さなアンプと一緒にこのギターを譲って頂いたんです。初めてもったエレキギターでした。で、これがノーブランドでヘッドにブランド名がなかったことから、ACEさんがこんな茶目っ気たっぷりのサインをして下さったんです。これってレアじゃないかな?このサインを貰いに行ったのは忘れもしない、face to aceの誇る旅情エレクトロの名曲"ヒグラシ"のリリース記念インストアイベント in 海月さんのお膝元熊谷でした。懐かしいなァ。



おっと、時間が来てしまいました。
今週はここまで。
あまりに大作になってしまったので、今回は二週連続の掲載にして頂きました。


来週また会おう、ぶひゃはははは〜


Saki

後編(7/24アップ)はコチラ



【Mary's Blood ライブスケジュール】

•2013/06/15(土)
MIYAMAE METAL CONNECTION 2013
会場 : 宮前市民館 大ホール
※終了しました
•2013/06/17(月)
天下一音楽会
会場 : 目黒 鹿鳴館
•2013/06/28(金)
『KING KONG FESTIVAL IN SAITAMA』
会場 : HEAVEN‘S ROCK さいたま新都心 VJ-3
※終了しました
•2013/07/27(土)
3rd MiniAlbum発売記念イベント「Birth of Queen Vol.2」
会場 : 渋谷 DESEO
•2013/08/03(土)
音食フェス『真夏の戦慄』
会場 : 心斎橋 KING COBRA
•2013/08/24(土)
"Electric Lady Loud"
会場 : 名古屋 ElectricLadyLand & ell.FITSALL & ell.SIZE
•2013/09/15(日)
『nonLinear Metal DynamiX Vol.23 in TOKYO』
会場 : 吉祥寺CRESCENDO



【HMV オリジナル特典:メンバー直筆サイン入り生写真】※終了しました

7月5日発売の Mary's Blood 『AZURE』 (NSMB0002)をお買い上げのお客様に HMV オリジナル特典『サイン入り生写真』を先着でお付けします!





※終了しました





Mary's Blood 関連 Links

* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

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