【ライブレポ】 「hy4_4yh 祝7周年記念＆ちゃんゆみ生誕祭記念GIG」

3月24日　西麻布eleven
「hy4_4yh（ハイパーヨーヨ）祝7周年記念＆ちゃんゆみ生誕祭記念GIG」

まさに大充実だった2012年を締めくくり、迎えた2013年。ハイパーヨーヨの第一声は『今年はFUNKOTで行くよ！』だった。名実共に「元祖GIGアイドル」の称号を得た彼女たちは今新たに「元祖ティッケー！アイドル」を名乗り、その大暴走にさらに拍車をかけようとしている。最初は偶発的な産物だと思っていたハイパーヨーヨのFUNKOT。それが今や彼女たちの代名詞になろうとしている？・・・3月24日、西麻布elevenに於いて大々的に開催された「hy4_4yh（ハイパーヨーヨ）祝7周年記念＆ちゃんゆみ生誕祭記念GIG」、個人的にはお祭りムードよりもハイパーヨーヨのロックンロールな部分 vs ティッケー！（FUNKOTで多用されるボイスサンプル。ディージェイのインドネシア訛りらしい）な部分、勝つのはどっちかしっかり見極めてやる、と鼻息荒く。

この日鍵開けを務めたミッツィー申し訳氏のゴキゲンなDJがひと段落、お馴染みの出囃子サバスの「Iron Man」が流れ出したので慌てて物販机を畳みフロアに飛び込むと、まず驚いたのは暗闇に蠢く人影の数。広いelevenのフロア、ギュウギュウとまではいかないものの本当に良く入っている！出会って一年半、ハイパーヨーヨのワンマンでは過去を遥に凌駕する圧倒の大入りだ。FUNKOTを聴きたくて来た人もいるだろう、そしてもちろん久しぶりのバンドでのGIGを楽しみに来た人もいるだろう。・・・そんなことを考えている内に不穏なリフが一転して「UWFのテーマ」の進軍ラッパへと切り替わり、さあハイパーヨーヨが登場だ！勢い良くステージに現れたyukarin、Yumiko、Sadachiの三人が身に纏っているのは極彩色のツナギ・・・そして続いて現れた赤いツナギのティッケー親方こと高野政所 a.k.a. DJ JET BARON・・・FUNKOTセットが先攻だ！

のっけから「ゆけゆけGOGO女の子！！」、そして「H・M・V」まで、ハイパー屈指の名曲たちがいとも簡単に魔改造されてゆく。慣れ親しんだギターリフの代わりにスコスコスコ・・・の高速カウベル、一瞬エッ？と戸惑うも、そこにブッ太いベースラインが合わされば、身体が勝手に反応してしまう。よく分からない、ただどうしようもなく楽しい！小学生並みの感想だが、高野政所親方に言わせればこの解釈は間違ってないらしい。敢えてyukarinに言わせれば、『考えるな、感じろ』。これでOKとのこと。FUNKOTはインドネシア産の快楽追求高速レイヴ・ミュージック。とにかくアゲる、アガるための音楽だ。考えてみれば『打ち上がろう！』をモットーとしてきたハイパーヨーヨとの相性が悪いわけがない。

このセットは視覚的にもサイコーだ。BPM200近くで荒れ狂う高速ビートを笑顔で乗りこなす三人、何かにとり憑かれたように踊り狂っているかと思うと、急にカワイイダンスをキメてきたりするからたまらない。そんな三人を後方のDJ卓から見守る高野政所親方も負けじとノリノリ、時に一緒にポーズをキメて、さらにブチ上げていく。ハイパーヨーヨ×FUNKOTは鬼に金棒、そこに親方も加われば金棒二刀流の鬼が四匹だ。そしてFUNKOTセットのクライマックス、ラストの新曲二曲、これがヤバイ！ハイパー用語を散りばめた呪術的な「HYPER TICKEEE QUEENの歌」でフロアは強制的にまた異次元へ突入、そしてとにかくヤバイアンセム「ティッケー大作戦〜YAVAY」はフロア全体を問答無用でブチ上げる凶器のようなカワイイハードコアチューン！ヤバイ！・・・四人の鬼がステージを去っても、まだしばらく「するするピット」跡からは作戦完了を告げる狼煙のような熱気が立ち昇っていた。

そんなこんなでハイパーヨーヨ×FUNKOTは観ている側の体力の消耗も非常に激しい。一瞬の休息を求めてラウンジに避難するも束の間、すぐに力強いバンドサウンドで「ハイパーアワー！」のイントロが聴こえてきたので慌ててフロアに舞い戻る。転換ものの数分で早くも後半戦、バンドセットのスタートだ。FUNKOTのキーワードに惹かれてやってきたご新規と思しきお客さんが隣で「お？なんかすげえぞ？」と身を乗り出すのが確認できて痛快。今宵もバックは目木とーる（Gt.）、BACKY（Ba.）、藤澤有沙（Key.）、クリス（Drs.）というお馴染み才色兼備のハイパーな最強布陣だ。元祖GIGアイドルの魅力をとくとご覧あれ！

バンドも含めた総勢7名のメンバー紹介を兼ねた「ハイパーアワー！」に続き、祝典にふさわしい「ぉめでとぉ毎日が記念Be→」で早くもフロアをロック。新たな決意表明曲「スターティング・オーバー GO！」は過去と未来を繋ぐファイティングポーズ。「海の日々。」ではSadachiをしっかりフックアップすることも忘れない。かつての称号・歌メロラップグループとしての真骨頂「せいいっぱいの恋」からは7年というキャリアの重みを今一度噛みしめさせられる。ここまで新旧バラエティに富んだ選曲ながら、どの楽曲でもメンバーから溢れ出る音楽愛が胸を打つ。この人たちは本当に音楽に対する姿勢が真摯だ。だからカッコいいのだ。先ほどのお隣さんも完全に打ちのめされている様子。


本日の主役でもあるYumikoのワンマンショーでは、Yumikoがハイパーヨーヨの新曲を一足早くソロで初披露、「3秒感の世界」と名付けられたこの曲は、UK風味なハイパーヨーヨのロック面での新境地とも言えるナンバーでこれは今後に向けても楽しみな収穫だった。するとYumikoのお色直しタイムに、ｙukarinも負けじとソロ曲を披露。１月のyukarin生誕ワンマン時に初披露した「サイエンス・ノンフィクション」、敬愛する甲本ヒロトが乗り移ったかのようなyukarinのヴォーカルがカッコいい、ハードでちょっとシリアスなナンバー。こちらもハイパーヨーヨとしてのラインナップに加わるという。これまた楽しみが増える！

七人の「バンド」が定位置に戻り、ここから怒涛のロックンロール・ショウ。名曲の連打、連打。「444のキセキ」、「をげちねこ」、「ハイパーヨーヨのスピード狂時代」「U☆CHU」、この辺りのバンドから発される熱量はFUNKOTのそれに負けず劣らず、フロアがまたドカンと燃え上がる。そして本編ラストを飾った「ハミングバード〜Give me song」はもういよいよアンセムと呼ぶにふさわしい装い。ただでさえ名曲だけど、楽曲が育つとはこういうことを言うのだろう。手拍子とフロアを揺るがす大合唱。こういうものが観たかった！

「ハミングバード」での大合唱の余韻がそのままアンコールの大合唱に繋がって、そこに現れたのは・・・ハイパーヨーヨの三人と、再び高野政所親方が登場！アンコールに応えプレイされたのはこれまた摩訶不思議な「HYPER YAVANGUARD pt.1」なるナンバー。いわゆるハイパーヨーヨのFUNKOT楽曲をMASH UPしたという、そりゃもう反則でしょ！な一品。大きな声では言えませんが・・・これはまたヤバイですよ。シングルには収録されないようだけど、どこかの特典にでもなるのかしら・・・？

まだ終われない。再びメンバーが、今度はバンドの四人と共に登場。ありったけの感謝と、さらなる進撃をまた約束し、感動的なバラード「ありが to U」で大団円。サビでは隣の人同士肩を組んで、その横に伸びた人の帯がステージから二重にも三重にも、四重にも五重にも連なって、感動的なラスト・・・と思ったらまだあった！本日の一曲目に魔改造ver.で披露された「ゆけゆけGOGO女の子！！」がバンドで再び！ロックンロール！・・・計25曲！3時間超え！だけど終わってみればあっという間！こうして伝説の夜と呼ぶに相応しいフェスティヴァルはようやく幕を閉じた。


最初から野暮だとは分かっていたが、今宵のFUNKOT vs バンドに勝者も敗者もない。どちらもハイパーヨーヨ。全てが最高だったとしか言いようがない。あえて言えば、ちゃんゆみことYumikoのワンマンショー内で披露された毎年恒例、ふたりの「みゆき」完コピ・ショー。鳥居みゆきのネタ完コピ・ショーと、中島みゆき「銀の竜の背に乗って」の完コピ・カヴァー、このクオリティが今年もまた凄まじ過ぎたので、今宵はYumikoの独り勝ちということで手打ちといたしましょうか？・・・しかしハイパーヨーヨと高野政所親方のジョイントはハマりすぎてて一夜限り・シングル一枚限りとは到底思えないし勿体ないし、ロック・バンド、ハイパーヨーヨとしての新曲もどれも素晴らしくそれらの音源化も待たれるし、とにかくFUNKOT vs バンドのワンマンGIG、しっかり決着がつくまであと何度かやってくれ！なんて・・・