本家では明るみにならなかった
”陰”または”影”の部分に踏み込める場合も
大変長らくお待たせしました。ズルズル茫々で年跨ぎを犯してしまった、針小棒大・転石カヴァー特集の後編です。70年代以降の楽曲カヴァーに関しては、そもそもの分量が心許なく、また正直うだつが上がらないものが多いことからも、無念、、進退これ窮まる・・・と思いきや、探せばあるもの。廃盤・未CD化の秘宝を躊躇なく投入し整えたひとかどの上玉ラインナップに、図々しくも手盛りの称賛やむこと知らず。
ストーンズに限った話ではないが、カヴァーに関しては賛否色々あることでしょう。愛おしき妙味がある一方で付いて回るある種の虚空感。それこそが「もののあはれ」なるしみじみとした情趣の世界と取るか否か。むしろ、本家では明るみにならなかった曲の”陰”または”影”の部分に踏み込める場合も間々あるのでは? と勝手に解釈すれば、カヴァーと言えども実に奥深いものに・・・。
[後編] では、サエキけんぞうさん、中山康樹さん、お二方のカヴァー十傑リスト〜覚書も公開中です!

サエキけんぞうさんの場合
ストーンズカバーといえば、やはりグループサウンズ(GS)だろう。オックスの「夜をぶっとばせ」。とにかくこれにつきるのです。気が抜けて仕事をする気がなくなるほど良い。日本語だというのがいい。沢田研二のザ・タイガースも全盛期のライブ・アルバム「オン・ステージ」では全12曲中5曲がストーンズ。自分達の曲より多い。このストーンズのメドレーをそのままカバーしたバージョンの切れっぷりが最高。テンプターズ盤もいきなり「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」で始まる。ショーケンのミックは癖が強くてよい。
洋楽物では、ソウル実力派のカバーがやはり面白いです。ミックよりはるかに歌唱力があるわけですが、だからといってストーンズをしのぐ作品になるか?というとそういうわけでもない。しかし、オーティス、アレサ、そして後にミックと共演するティナ・ターナーと、魔神のようなシンガー達が歌うストーンズは、別の凄さが極まってる。ある意味「ブルー・アイド・ソウル」となる白人のカバーは、それぞれにノドが凄まじい人ばっかりで、前述の黒人魔神歌手達にも負けてない。やっぱりストーンズは本格派シンガーに受けるのだな、と思います。
不肖、私も「ストリート・ファイティング・マン」を「パール兄弟+白井良明」というメンバーでやらせていただいてます。元々、インド的な指向性がある楽器編成の同曲を、良明さんのシタールを全編にフィーチャーすることにより謎解きしました。しかも同曲はベース以外完全アコースティックであることを踏まえ、アコースティック編成でカバー。
サエキけんぞう(ミュージシャン/作詞家/プロデューサー)
サエキけんぞうのストーンズ・カヴァー ベスト 10
- (1) 夜をぶっとばせ / オックス
- (2) ローリング・ストーンズ・メドレー:エヴリバディ・ニーズ・サムバディ〜ペイン・イン・マイ・ハート〜アイム・オール・ライト / タイガース
- (3) ジャンピン・ジャック・フラッシュ / テンプターズ
- (4) (I Can't Get No)Satisfaction(Live at Monterey Pop Festival) / Otis Redding
- (5) Honky Tonk Women / Ike & Tina Turner
- (6) Jumpin' Jack Flash / Aretha Franklin
- (7) Jumpin' Jack Flash / Leon Russell
- (8) Sympathy For The Devil / Guns N' Roses
- (9) Honky Tonk Women / Humble Pie
- (10) ストリート・ファイティング・マン /
パール兄弟+白井良明