2012年12月28日 (金)
先頃リリースされた最新作『WITH ONE WISH』は、ベスト盤やコラボ盤といった企画が続いたこともあり、久々にオリジナル新曲が大半を占めるファン待望のニューアルバムとなった。そして、プロデューサーに盟友・鳥山雄司を迎えた本作は、これまでの葉加瀬のアルバムとは一線を画す質感を持っていた。
その理由を探るべく、現在32ヶ所38公演(※追加公演を含む)の全国ツアーを展開中の葉加瀬にロングインタビューを敢行した。新作の制作秘話はもちろん、彼がいま現在バイオリニストとして、音楽家として立っている地点とその眺めについて存分に訊いたロングインタビューをお届けします。
PART 5 : 「音楽でやりたいことがたくさんある。そんな僕の旅に、どうかご一緒していただきたい」
-- これまでのインタビューでも度々お話しされていますが、葉加瀬さんは「60歳を迎える頃、納得のいくブラームスのバイオリン・ソナタを弾ける自分で在りたい」とおっしゃっていて、その為に、ここ数年ロンドンでバイオリンを一から学び直していると聞きました。その途中経過は、現在どんな感じですか?葉加瀬太郎(以下、葉): まだまだ本当に途中です(笑)。こればかりは精進する他ないので。レッスンは今でも先生について受けていますよ。厳しいですよ。ピシッと叩かれて!『ダメでしょ!』みたいな感じ(笑)。ブラームスのソナタは、少しだけ、何かが分かりかけてきた感じがしています。ここ5、6年の格闘で、まずはほとんどのスコアが頭に入った。身体が覚えることが大切ですからね。ただソナタというのは、その日その日の楽譜の見え方があるので、ある意味朗読みたいなものなのですが、そういう意味でようやく“あらすじ”のようなものが分かってきたという感じかな。
-- その成果か、コンサートを拝見して感じたのですが、少しフォームというか、姿勢が変化したような気がしたのですが。背中に一本もの差しが入ったような。
葉: それは嬉しいですね。出来るだけ重心を下に、低めに意識するようにしています。それでいて決して力を入れずに、むしろ抜いていかなきゃならない。正直言って難しいです。毎回本番前に『よし、今日こそ力抜いて弾くぞ!絶対ゴシゴシ弾かないぞ!』って言い聞かせてステージに出るんですけれど、緊張したり、盛り上がってくると、結局ゴシゴシ弾いちゃうんですよねえ。
-- でも盛り上がったら盛り上がりたくなっちゃうじゃないですか。人間だもの。
葉: でもそうすると音は悪くなる、肩は痛くなる、腕は疲れてくる。大先輩の古澤巌さんのように、絵に描いたように美しく弾けたらいいのですが。彼とは『80歳になってもバイオリンを弾こうぜ』という約束をしているのですが、彼の演奏を観て、どうしたらああやって自然に弾けるんだろうと思ってご本人に訊いたら『ご飯を食べるように弾けばいいんだよ』って言われてね(笑)
-- それは軽妙なのにものすごい重さを持った教えの言葉ですね。
葉: まったくです。でも彼はそうおっしゃる以前に、身体の鍛え方から何から、それこそ居合いまでやって、それが全部バイオリンの為というお方ですからね。
-- 以前合気道の師範代にお話をうかがった際に丹田(※意味は気の田のこと。気から成る丹を耕す田。内丹術で気を集めて煉ることにより霊薬の内丹を作り出すための体内の部位)の話になったことがありまして。要は『頭でモノを考えていた人が、へそから下で武道をやり始めるとオーラをまとうようになる』というお話でした。もしかしてバイオリンにも通じるところが?
葉: まさしく。丹田についてはいつも古澤さんに言われます。『バイオリンを弾くのはとにかくヘソの下だ。そこに重心があれば、どこに行ったって絶対ブレないぞ』って。やっぱりすべての名演奏家は重心が低い。まあ理屈は合っているよね。土台がしっかりしてれば上が動くという。ただ実際には……そうは簡単なお話じゃございません(笑)
-- 今後の精進をお祈りします。では、現在ツアー中ですが、コンサートを観にいらっしゃるお客様にメッセージをお願いします。
葉: こんなに長くコンサートをやらせていただいて、自分でもビックリしています。とても幸せなことだし、どこの会場にもお客さんがたくさんいて、手拍子で、拍手で盛り上げてもらえて演奏が出来る。そんなバイオリニスト、世界広しといえどもそうはいないはずですからね————僕には音楽でやりたいことがたくさんある。そんな僕の音楽の旅に、どうかこれからもご一緒していただきたい。僕は音楽のチカラを信じています。音楽にはとてつもないパワーがあると信じているので、一緒にミラクルを体験していただけたらと。クオリティは確実に保証しますので!
-- 分かりました。では最後に。ブラームスのソナタ、古澤さんとの約束と、いくつかの目標があるなかで、ここ最近新たに生まれた目標はあればお聞かせ下さい。
葉: 最近は有り難いことに自分が予想もしていなかった世代にも多くのリスナーがいるようなのです。そういった方々が聴いている若いアーティストの方とコラボが出来たらいいですね。それは→ Pia-no-jaC ←(※ピアノジャック。今年7月にリリースしたアルバム『BATTLE NOTES』でコラボ)と共演した時の手応えも大きいのかもしれない。今は怖いものがないというか、何でも楽しめるという確信がある時期のようなので。
-- それは楽しみですね。またお話がうかがえる日を楽しみにしています。
葉: こちらこそ!
葉加瀬太郎 『WITH ONE WISH (+DVD)』 [発売中]
満を持してのリリースとなる今年の最新アルバム『WITH ONE WISH』は、テレビCM曲を中心に話題曲を収録。
新たな葉加瀬太郎の魅力を追及したニューアルバムはプロデューサーに鳥山雄司氏を迎えたオリジナルアルバム。
息のぴったりあった二人によるアルバム制作は「Traveling Notes (2003年)」、「What a Day...(2004年)」以来となる。
※DVD付きの限定盤には、高級リゾートと有名なメキシコ“ロスカボ”をはじめ、フランス、スペインの映像にBGMとして、ひまわり、Sunshine Shower、Etupirka を使用したスペシャル映像を収録。
収録曲
- 01. WITH ONE WISH
- 02. Back to our home
- 03. シリアンセレナーデ
- 04. ARAB EXPRESS
- 05. 上島町のうた
- 06. Prep
- 07. PRECIOUS TIME
- 08. Invitations
- 09. ZERO HOUR
- 10. 希望の風
- 11. MY HOMETOWN
- 12. Someone To Watch Over Me
【葉加瀬太郎プロフィール】

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HMV ONLINE 関連ページ
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葉加瀬太郎のニュー・アルバム
プロデューサーに鳥山雄司氏を迎え、新たな葉加瀬太郎の魅力を追及したオリジナル・アルバムが11月7日にリリース! -
HATS UNLIMITED
葉加瀬太郎が音楽総監督を務める『ハッツ・アンリミテッド』レーベル特集。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
DVD付き数量限定盤
WITH ONE WISH (+DVD)【数量限定盤】
葉加瀬太郎
価格(税込) :
¥3,666
会員価格(税込) :
¥3,373
まとめ買い価格(税込) :
¥3,117
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販売終了
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通常盤
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ベストアルバム
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