【HMV インタビュー】 Kenichiro Nishihara

2012年12月20日 (木)

約3年ぶり!JAZZY HIPHOPを牽引するKenichiro Nishiharaが、本当に待望の3rdアルバム『Illuminus』を完成させた。JAZZ、HIP HOP、エレクトロニカ...に彩られた甘く上質なノスタルジックビーツ。哀愁を孕んだ美しい音楽が導く心地良い時間。またしても名盤をリリースするKenichiro Nishiharaにインタビューを慣行しました!
更に、年の瀬迫る今回は、氏に「2012年に良く聴いたアルバム3枚」を伺いました。インタビューに続けて掲載しているので、こちらも併せてチェック!!!!
インタビュー・文:馬場 洋弥

■ 宜しくお願いします!まずは自己紹介をお願いします。

Kenichiro Nishiharaこと西原健一郎です。12月21日に三枚目のフルアルバム『Illuminus (イルミナス) 』をリリースします。よろしくお願いします。

■ 本作『Illuminus』は恐らくですが造語だと思うのですが、どういった意味合いがあるのでしょうか?

これはまずIlluminusという言葉がハッと思いついて、辞書をひいてものっていない。それで自分なりに言葉を分析してみると、luminus (発光する) とilluminance (照度) が合わさってるんじゃないかなというところにたどり着きました。つまり造語だということに後から気づいたわけです。
ひとつひとつの音がまるで発光するかのように、イメージを遠くへ飛ばしている、というような事を思い浮かべてアルバムに込めました。想像して聴いていただければ嬉しいです。

■ ピアノの旋律が本当に美しくて、ドラムの音もベースの音もしっかりと太い、という西原さんの代名詞である音の良さは前2作の流れを汲みつつも、やはり新たな挑戦や、自分を取り巻く現在の環境などを音に落とし込んでいったりはしましたか?

セカンドアルバム『LIFE』から実は3年近い月日がたっていて、その間にいろいろなプロデュースワークをやっていました。今回はそういう意味では集大成的な、この数年をまとめるような作品になったと思います。そうすると時代感に大きく影響を受けた作品と言うことができるかもしれません。
また3年もかかってしまったもう一つの理由として、普遍性のある長く聴いてもらえる作品を作りたいと思っていたので、曲の強度を試す時間が必然的にかかってしまったということもあります。何度も曲を聴き返し、弱い曲はどんどんボツにして行きました。
そういう意味では、時流というよりは、より自分に向き合った作品と言えるかもしれません。

■ ピアノの旋律はどのような時に浮かぶんですか?

最初はピアノを目の前にして指の動くままをどんどんレコーディングして行きます。そうするとある時、自分が気になるフレーズが思いも寄らず飛び出してきたりします。そんなモチーフを拾い出して一つのメロディーに育てていく、というような事をやっています。
とっかかりになる即興の部分は、たぶんその日の気分以上の自分の何かが反映されている気がして、とても大切にしているところです。逆に頭を使って考え出すのは、もっと先の過程ですね。

■ Feat勢の人選はどのように決めていったのでしょうか?

まずSubstantialやTamalaなど身近なアーティストに関しては、曲作りの段階から声をイメージしたりしています。Pismoに関しては来日時に一緒にスタジオに入ってその場で曲を作ったり。ある意味、縁があったアーティストと必然的に仕事をしてきたというのが本当のところだと思います。

■ 基本的には声やフロウがスムースなラッパーやシンガーを起用する事が多いと思うのですが、やはりご自身の作られたトラックに合う声やフロウのアーティストを敢えて選ぶようにしているのでしょうか?

敢えてということはありませんが、確かにトラックに合う声というのは無意識に選んでいるかもしれません。
むしろ感性が近いアーティストが身近な存在としてい続けてくれるということが大切で、僕が興味を惹かれてしまうアーティストの傾向というのも、知らず知らずのうちに感性を共有するような人が多くなっている気もします。

■ 本作を聴き始めた時、一瞬ですが、もはやJazzを越えてサティのジムノペディを想起させる位の陶酔感を味わう感覚があったのですが、クラシック等は聴かれたりするのでしょうか?

クラシックは聴いていますし、グレングールドごっこ的な事をしてバッハなんかを気分転換に練習したりもします。 ただクラシックに関してもあくまでJazz的な耳で、気張らず構えず触れ合っているような感覚です。

■ 更に2曲目3曲目...と聴き進めていって最後に思ったのですが、この作品は1曲目で聴き手をグッと引き付けて、2〜3でリズムに乗せて高揚させて、4〜8の流れでディープな部分に潜らせたり、浮遊感で旅させて、9の郷愁感で終わりの始まりを感じさせ、あとはフィナーレに向けて泳いでいってもらい、12でラストをグッとしめる、という道筋が出来上がっている感じがしました。曲順を決める際に、こうした事は気にされたのでしょうか?

まさにおっしゃる通りの流れを意識しました。ただ曲が出来つつある段階では、大まかな位置が自分の中でほとんど決まっています。これは最後の曲だな、とか。最終的にはそのイメージに従って実際に曲を聴きながら自然な流れを意識して配置していく感じです。

■ ご自身のパッケージとしての作品のほか、色々な場面でのBGMなども手掛けていらっしゃると思うのですが、そういう場面とパッケージとしての作品と作り方に違いがあれば教えてください。

どちらもコンセプトワークを突き詰めていくことに変わりはありませんが、自分の作品を作る場合はより個人的でパーソナルな表現になります。
自分のアルバムでは個人的な感情や感覚が表現されているか、ということが最も大切なことだと感じています。
逆に自分の作品以外の時は、むしろ代弁をするようなイメージで求められている表現を探す過程が重要だと思います。

■ 最新の音楽を聴くのと、古い音楽を聴くのと、どちらの方が比率的には大きいのでしょうか?

経験的には過去の音楽を聴くことが圧倒的に多い気がします。特に趣味としても好んで聴いているJazzに関しては新譜で衝撃を受ける作品が非常に稀なこともあり、そういう割合になっているかもしれません。
ただ新譜も定期的に出来るだけチェックしているつもりです。

■ 最近の日本の音楽シーンについて思うところがあればお聞かせいただけますでしょうか?

激動。そんな中、いかにインディペンデントであるかということがより大切な時代になってきたと思います。
そして組織的というよりは、個人的な活動や表現をしているものに興味を惹かれてしまいます。
将来的には細分化されて混沌とした、もはやシーンとは言えないような状況に可能性を感じています。

■ 最後にこのメールインタビューを読んでいる方にコメントをお願いいたします。

例えばJazzy HipHopなど時流に合わせたジャンルってあると思いますが、イメージにとらわれず自由に聴いていただければ嬉しいです。それで、もしもラップをあまり聴いていなかった人がHipHopに興味を持ってくれたり、Jazzを聴いていなかった人がピアノを通して幅広い音楽に興味が出たりしてくれたら素晴らしいです。
この作品を通して少しでも聴いてくれる方の生活が楽しくなってくれたら、それこそが僕の音楽の目的です。


アーティストが選ぶ『Best of 2012』


僕等の興味があるのは売上ベースのランキングじゃなくて、私的感性全開のベストセレクト。アーティストは2012年に何を聴いてきたのか?哀愁を孕んだ美しい音楽で心地良い時間を提供するKenichiro Nishiharaの『BEST OF 2012』をご紹介。チェック!!!
アーティストが選ぶ『BEST OF 2012』サマリページ

Kenichiro Nishihara が選ぶ『BEST OF 2012』

My Bloody Valentine

My Bloody Valentine 「Loveless」

待ちに待ったリマスターがようやく発表された、自分にとって最も大切なアルバムの一つ。ずっと聴き続けているアルバムですが、今年は沢山聴きました。

Weldon Irvine

Weldon Irvine 「In Harmony」

こちらもようやくCD再発されたフェイバリットアルバム。そして最も好きなピアニストの一人。一緒に再発されたタイトルと合わせて聴いています。

バンドじゃないもん!

バンドじゃないもん! 「バンドじゃないもん!」

仕事を通して観た、今年一番衝撃を受けたライブをきっかけに。初めて観た時は本当に衝撃過ぎて笑った。

Kenichiro Nishihara プロフィール

JAZZY HIPHOPの中心人物、安定感のあるリリースを続ける注目のプロデューサー
”手がけるすべての作品がヒット!!!”
作曲家・選曲家・プロデューサー
音楽レーベル・プロダクション "UNPRIVATE ACOUSTICS" 主催。ファッションを中心に幅広い分野の音楽で選曲・作曲・プロデュースを手掛け、2008年には1stアルバム『Humming Jazz』、2010年には2ndアルバム『LIFE』を発表。Folkloveシリーズや企業ブランドとのタイアップ企画、またコンピレーションへの楽曲提供やアーティストのプロデュースなど多岐に渡る作品・プロジェクトで手腕を振るっている。心地よさを追求したジャジーでスムースなサウンド、ピアノをフィーチャーしたメロディーセンスは日本国内のみならず世界的に強く支持され、多くの作品がヒットチャートをにぎわしている。

 Kenichiro Nishihara 『Illuminus』[2012年12月21日]

Kenichiro Nishihara 『Illuminus』洗練されたジャジーミュージックで多くのヒットを産み出し続けている Kenichiro Nishihara。ジャジー・エレクトロニカサウンド ESNO 名義での活動や、日常空間をスタイリッシュに彩る「Folklove」プロジェクトなど、積極的なリリースを続ける彼が、約3年ぶりのオリジナルアルバム『Illuminus』を完成させた。今やジャジーヒップホップの代表格アルバムである過去2作を踏襲しながらも、あたらしい感覚に満ちている切なくも甘い上質なノスタルジックビーツ。決して「美しい」だけでは語れない哀愁グルーヴを絶妙なバランスで保つ、他になし得ないサンプリングセンス。時にスピリチュアルジャズを聴いているような高揚感と、ジャズへの愛を感じさせる生演奏。今を生きる多くの人の記憶にアクセスする、押しつけのない格別なリラックスタイム。不思議な引力に惹かれる、まぎれもない“JAZZY HIPHOP”の最新形。

『Illuminus』収録楽曲

01. Children's Introduction
02. Rise Son feat.Substantial
03. Blind Remix feat.Junggigo -Illuminus Mix-
04. Colors feat.SLik d -Illuminus Remix-
05. Illuminus Swing feat.Gregg Green
06. Ancient Light
07. Mature Opinion feat.Daichi Diez -Illuminus Remix-
08. Findaway
09. Get Inside Your Heart feat.Pismo -Illuminus Remix-
10. Thinking of You feat.Nina Vidal -Illuminus Remix-
11. Future Illumination
12. Serendipity feat.Tamala & Takurah
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

フィーチャー商品

Illuminus

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Kenichiro Nishihara

価格(税込) : ¥2,750
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LIFE

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Kenichiro Nishihara

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Humming Jazz

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Humming Jazz

Kenichiro Nishihara

ユーザー評価 : 3.5点 (2件のレビュー) ★★★★☆

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フィーチャー商品

  • Nature Relax presented by Folklove

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    Nature Relax presented by Folklove

    Kenichiro Nishihara

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  • Celestial Beats selected by Kenichiro Nishihara

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    Celestial Beats selected by Kenichiro Nishihara

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    発売日:2011年05月13日


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