10-FEETのあの日、あの時 4

2012年10月26日 (金)


10-FEETのあの日、あの時 第4回:上京! そして、ついに正式CDデビューへ!!
文●有島博志(GrindHouse)

クリックで拡大  結成から4、5年経った2001年春、10-FEETはついに念願の正式CDデビューを飾る。今回の改めての取材(10月24日実施)で初めて知ったんだけど、バンドはこのために地元京都を離れ、東京に移り住んでいる。アーティスト・マネージメントをする(当時の)会社(俗に言う事務所)に入った、ということも大きかったようだ。KOUICHI(ds, background vocals)が言う。
「デモ音源を出した後、とある人の紹介で事務所に入ったんかな?」
 NAOKI(b,vo)が続いた。
「そう、もともとは京都でスノーボードのショップやっている知り合いが“10-FEETのライヴすごくいい!”って言ってくれて。その人と、Mobstyle(アパレル・ブランド)の方が知り合いで。当時その方がstormy(アパレル・ショップ・チェーン)に勤めながら渋谷FM(コミュニティFM放送局)のラジオ番組でパーソナリティーも担当していて“番組に出てほしい!”ってなって。で、そのためだけに東京にいったら、その方がお世辞で言ってくれた“お前ら東京でやったらいいのに”っていうのをボクたちは真に受けて本当に東京に出てきちゃったっていう(笑)。だからその方ビックリしてましたよ、“エッ、ほんとにきたんだ!?”って(笑)」
 自分は東京生まれの東京育ちゆえ、「わかっている?」と訊かれたら、正直、胸を張って「うん!」とは言い切れない。だけど地方出身者が東京に居を移し、生活しながら自身の好きなことをやり、かつそれを形にもしていく、ということはとても大変で、過酷なことであろうことは十分に察しがつく。それは昔も今も変わらないだろう。だけどNAOKIの発言にもあるように、彼らはいとも簡単に決断し、東京に出てきた(笑)。

クリックで拡大 KOUICHI「その当時、みんなちゃんと仕事をしていたので、そのことも考えたらもちろん、すぐには返事できなかったですよ。で、よく考え、みんなと話し合った結果、“まぁいいかな”みたいな(笑)。“コレが最後の挑戦かな”とも思いましたし」
TAKUMA(vo,g,key,blues harp) 「ボクだけただのアルバイトやったんでっていう立場をすごくわかっていたんで、一番迷いなく無茶言えんのオレや、みたいな。“言わな!”みたいなのもありましたね。逆の立場やったらやっぱ考えてまうし。で、煽って煽って煽ったらNAOKIもKOUICHIも意外と簡単に“行くわ!”みたいな、それもわりとすぐ(笑)。ちょっと地方で2、3本ライヴやろか、ぐらいなノリで(笑)」
――で、勇んで東京に出てきたはいいけど、誘ってくれたと思っていた人からいきなり“エッ、ほんとにきたんだ!?”っていう洗礼を受けた、と(笑)。
TAKUMA「(笑)。NAOKIは就職していたし、KOUICHIは準社員やったけど、わりとバーンって辞めて。どっちも上司とか先輩が話をわかってくれはる人で、応援してくれたっていう」
NAOKI「そこに至るまでもけっこう…親にも反対されますしね」
TAKUMA「そら親は反対するわ」

クリックで拡大  東京では3人一緒に住んでいた。「3LDKだったんで、みんなで部屋を割りわけて生活していました」 (談・NAOKI)。「生活すんのも大変は大変でしたけど、それよりもバンドのことの方が…“今後どうなんねやろ?”っていう不安の方が大きかったですね」とKOUICHI。で、TAKUMAがこう振り返った。
「音楽なんぞで一生食っていけるわけないけど、だけどどこまでやれるかやってみようって。で、ダメだったら京都に帰ろうって。だからキラキラした期待や希望があったり、絶対こうなってやる!みたいな想いっていうのはあまり輪郭をハッキリさせず、ピントも合わせてこなかったんですね。だけどそうは言うも、やるからにはしっかりとっていう強い意識は3人ともあったんで。だけどライヴんときやっぱお客さんの数少なかったり、なかなか友達できんかったり、お金もなかったりだったんで、めちゃくちゃ精神的にキたし、ほんま3人とも10キロも痩せて。それでも、どこまでいけるかやろうっていう目標は変わらずで。そして2年目ぐらいから少しずつライヴの動員も増えていったことで、1日1日を踏みしめられる感が少しずつ出てきて…」
 で、そのさなかの時期に、彼らは『april fool』と『May I help you?』というそれぞれ4曲入りのマキシ・シングルをBUDDY RECORDSより発売することで正式CDデビューを飾ったのだ。前者を2001年4月1日に、後者を同年5月1日に、という2ヵ月連続リリースだった。そのジャケが右にあるものだ。今回の取材のとき現物を持っていき、メンバーの前に出したところ、TAKUMAはこう言ってCDを2枚手にとった。

「うわ〜ナッツ〜!(笑)」(「うわ〜懐かしい!(笑)」という意味)

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 このマキシ・シングル2種で聴ける10-FEETの楽曲と音楽はまだまだ若く、そして蒼い。“テンフィ節”がようやく芽生え始めたと言え、TAKUMAの声色も歌唱法も今現在のそれらとは違う。曲調も今よりずっとずっとシンプルでストレート。正直“若気の至り的作品”なのだけど、そこがまた初々しく、よかったりする(笑)。なお、今回の連載からヘッダーのアー写(アーティスト写真の略称)を代えたけど、この写真はまさにこの頃のもので、『april fool』のインナー裏側に掲載されている。KOUICHIがこう口火を切った。
「最初はフル・アルバムを出そうっていう話だったんですけど、シングルを2ヵ月連続で発売し、話題作りをしようって。で、収録曲8曲を一度にバッて録って、4曲ずつにわけ、2ヵ月連続で発売したっていう」
NAOKI「だけど、まったく話題にならなかったんですけどね(笑)」
 で、NAOKIが2枚のマキシ・シングルのタイトルに込められた“秘密”を初公開してくれた。
「4月1日発売やから『april fool』で、5月1日発売で『May I help you?』の“May”は実は5月を意味し、“I(アイ)”を数字の“1(いち)”に置き換えたっていう(笑)」
TAKUMA「超アホやね。オレたちチーム全員(笑)」

 実はこの2枚のシングル収録曲は今もなおライヴで披露される。10月23日の横浜公演ではワン・コーラスのみだったけど、「SO」と「ANXIOUS」を続けて演っている。「ちょっと演ってみよかってなって、演ってみたらできた(笑)」 (談・TAKUMA)。さらに「LIFE LIFE LIFE」「PLANLESS」「BE FRIENDS AGAIN」は、今も時折セットリストに組み込まれる。10年以上も前の楽曲を、今も引き続きライヴで演る、っていうバンドもそんなには多くなく、珍しい。この点もまた、10-FEETというロック・バンドの特性、個性のひとつだ。

 今回の更新分にTAKUMAの幼少の頃の姿がないのは、提供してくれた写真数が3回の連載にすべて掲載したからだ。


10-FEET関連タイトル

VA / 『ROCK STUDY』(2012年)
ここまでの連載のメンバーのコメントからもわかるとおり、3人はかなり洋楽ロックから音楽的影響を受けている。それがなければ今現在の10-FEETは存在しないと言っても過言ではないほどで、今なお洋楽ロックより刺激を受け続けている。そういうバンドの音楽的ルーツなどをものすごくわかりやすく教えてくれるコンピが発売される。それが今作で、自身初となる監修盤だ。SUM 41、RISE AGAINST、MR.BIG、WEEZER、FINCH、ASIAN DUB FOUNDATIONとパンク・ロックからラウド・ロック、はたまたエレクトロ・ミュージックと幅広く3人それぞれが選曲している。21組21曲入り。写真入豪華インタヴュー44P・歌詞・対訳・解説というヴォリュームながら税込1,980円というのは、めちゃくちゃ買い得だ。
文・有島博志(GrindHouse)

10-FEET 最新作ニュース

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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