少しずつ広がる世界を巧みに構築した意欲作。
Tuesday, July 17th 2012
ドラゴンクエストIV
導かれし者たち
発売日:1990年2月11日
対応ハード:ファミリーコンピュータ
販売価格:8,500円(税抜)
ファミリーコンピュータでは最後となる4作目『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』。本作の最大の特徴は、5つのストーリーをそれぞれの主人公の視点で展開されるオムニバス形式の章仕立て。
王宮戦士のライアンから始まり、おてんば姫アリーナの冒険、「不思議のダンジョン」シリーズで
主人公にも抜擢されたトルネコ、踊り子マーニャと占い師ミネアの姉妹、そして、最後に自分自身が主人公となり
世界を救うのが本作のストーリー構造。
主人公=自分だったこれまでのシリーズとは違い、世界のどこかにいる冒険者たちを操作するという、
いままでにない新鮮な冒険が楽しめました。
4章まではそれぞれの主人公を操作し、5章でいよいよ自分の分身となる主人公が登場するわけです。
まったく別の場所で生まれ、目的も違うキャラクターたちが続々とパーティーに加わってくる
展開には本当に興奮したし、感動しました。1章のライアンなんてプレイ開始時から久々の再会ですから。
そして、シリーズ初となる馬車が登場し、最大10人までパーティーを連れて歩けるようになりました。
個性あるキャラクターたちも好みでパーティーを変えられるので、
ドラクエIIIの転職システムとは違ったプレイヤーの個性が反映される面白い要素となっていました。
また、複数人のパーティー時には、キャラクターたちが独自で判断をし、行動するAI機能が
搭載されました。いわゆる、「ガンガンいこうぜ」とか「いのちをだいじに」、「いろいろやろうぜ」といった
作戦指示が本作で初めて可能になったのです。
当時としてはかなり画期的ではあったものの、そこまで優れたAI機能ではなかったので、
殺すことのできないボスモンスターに、延々ザラキを唱えるクリフトには殺意を持ったものです。
1章単位では行動範囲に限りがありましたが、それぞれの主人公の視点で描かれる物語、
異なる土地での冒険、物語上で時折交わる主人公たち、そして、
5章で世界のすべてが冒険の対象となる壮大さ、シリーズ出るたびに進化し続けるドラクエの
意欲的な発想と進化に気づかされた作品でもあります。
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