SIGH 川嶋未来氏コラム番外編！

2012年6月22日 (金)

ANGEL WITCH

＜ NWOBHM の帝王 Angel Witch 再来日、Kevin 独占インタビュー＞

　2009年8月、 Angel Witch 初来日。多くのメタルファンが驚いたに違いない。まさか Angel Witch を生で見られる日が来るなんて、想像していた人間はいただろうか？凄まじい期待と同時に、一抹の不安があったのも事実。果たして全盛期のパワーはあるのか？それとも昔のバンドを温かい目で見守るライブと割り切るべきか？そもそも集客力は？セカンド、サードの曲をたくさんやったらどうしよう？（こうやって書くと不安の方が余程大きかったように見えるが、決してそんなことはない。）

　当日、会場の渋谷クアトロに着いてみてびっくり。会場はすでにお客さんであふれ返っている。 Angel Witch ってこんなに人気があったのか！そして演奏が始まって2度目のびっくり。完全に現役バンドの力いっぱいのライブ。セットリストも完璧。私の余計な心配は、すべて杞憂に終わった。 "Angel Witch" の大合唱は一生忘れることができないだろう。そもそも2009年に入り、Angel Witch は世界各国のフェスティバルに出演、十分なリハビリを済ませた上での来日だったので、『ライブ大丈夫なのかなあ』などという心配は、完全な余計なお世話であったのだが。

　あれから3年弱、2012年になり、今度は Angel Witch がニューアルバムを出すということでまたびっくりさせられることになる。驚きは続く。1stだけが名盤と名高い Angel Witch の新譜だしなあ、などという偏見を吹き飛ばすニューアルバムの完成度。個人的には2012年度上期 No.1 のメタルアルバムだ。そしてとどめはまさかの再来日！！（川嶋氏コラム第1回：Angel Witch）
初来日のときにも『まさか Angel Witch を生きているうちに見られるとは』と涙したものだが、もう一度あの感動を味わえるとは想像だにしなかった。そして今回はセカンドギタリストとして、あの Bill Steer もやって来る！

　ということで、来日直前、バンドの創始者でありリーダーの Kevin Heybourne に軽く話を聞いてみた。

--- 川嶋未来(以下K) : まず最初にニューアルバムについてお伺いします。率直に、非常に素晴らしい出来だと思うのですが、ファーストアルバムのパート2を期待していたファンも多いのではないでしょうか？個人的には、1曲目を聞いた瞬間、ファーストのパート2を作るつもりは一切なかったんだなと感じましたがいかがでしょう？ニューアルバムを作るにあたり、永遠の名作とされるファーストは意識しましたか？: Kevin Heybourne(以下KH) : 今回は何よりもライブにおける Angel Witch のフィーリングを再現したかったんだ。ファーストアルバムではあまりにもギターやコーラスのオーバーダブが多すぎて、ライブで再現するのが困難だった。ニューアルバムはもっとリアルで、Angel Witch のライブの生々しさを表現したものになっている。
--- K : ニューアルバムが今年出ることについては、随分と長いこと秘密にされてましたが、何故ですか？もっと前から大々的に Angel Witch、ついにニューアルバム発売！と宣伝することもできたと思うのですが。: KH ：　アルバムが完成するまでは、ニューアルバムについて発表したくなかったんだ。何があるかわからないからね。
--- K : ニューアルバムで、"Rendevous with the Blade" をリメイクしたのは何故ですか？現在振り返って、セカンドアルバム "Screamin' n ' Bleedin'" やサードアルバム "Frontal Assault" についてはどう思われますか？: KH ：　"Rendevous with the Blade" については、オリジナルのタイトルである "Guillotine" として再録したかったんだ。 "Screamin' n ' Bleedin'" や "Frontal Assault" の他の曲についても、何曲か再録したいと思ってるよ。この2枚はあまりにレコーディングが短期間に行われたせいで、本当の Angel Witch のサウンドを得ることができなかったと言うのが俺の考えなんだ。
--- K : 前回の初来日では、初期の曲をメインにプレイされていましたが、今回のセットリストはどんな感じでしょう？何かサプライズは？: KH ：　教えてしまったら、それはもはやサプライズじゃないだろう(笑）　とりあえずニューアルバムから何曲かは演奏するよ。
--- K : Bill Steer はあくまでライブのみヘルプですか？将来的にスタジオアルバムに参加する可能性は？: KH ：　ああ、すでに新曲は書き始めているが、もしビルがレコーディングに参加したいということであれば、もちろん大歓迎さ。
--- K : そもそも Angel Witch とはどういう意味なのでしょう？天使と魔女というのは対立する概念ですが、何故この名前を選んだのですか。: KH ：　意味はそのままさ、あらゆる物の中の善と悪。陰と陽というか。最初は Lucifer というバンド名だったのだが、すでに同名のバンドがいることがわかってね。その時にはすでに "Angel Witch" という曲は完成されていて、バンド名もそれにしようと決めたんだ。俺はその時17歳で、たくさんのホラーやSFの本を読み漁っていたんだよ。
--- K : 音楽的な影響はどんなバンドから受けていますか？ Angel Witch の音楽は非常にオリジナルであり、直接的に影響を受けたバンドを指摘するのは難しいように思うのですが。: KH ：　最初は Black Sabbath から影響を受けた。やがて Angel Witch 自身の道を見つけることになったがね。
--- K : 来日に向けて日本のファンへのメッセージをお願いします。: KH ：　東京で再びプレイできることを心から楽しみしている。ファンが我々のショウを楽しんでくれることを願うよ。日本がフクシマの災害から立ち直りつつあるのは素晴らしいことだ。

東京で会おう。どうもありがとう。

　名盤ファーストアルバムにおいて重要な役割を果たしていた分厚いコーラスが、ニューアルバムにおいて使われていないことに疑問を抱いていたのだが、こんな深い理由があったとは！（じゃあコーラスとれるメンバー加入させろよ！などと不粋なことを言ってはいけない。）そして 2nd、3rd アルバムについても全否定しているわけではないのも興味深い。

Kevin にはまだまだ質問したいことが山ほどあるので、来日の際にもっと色々と話を聞いてみようと思っている。

Angel Witch 2度目の来日は 2012/6/29（金）東京渋谷O-EAST にて。
メタルファンなら行くのが義務。まさか『どうしようか』なんて悩んでいる人はいないと思うけど、一応言っておくと今回も文句無しのセットリストになりそうな予感。
万が一それでも踏ん切りがつかない人がいたら、
http://www.setlist.fm/setlists/angel-witch-3bd6f4f4.html
で最近のAngel Witchのセットリストを見てみよう！迷いなんて一瞬で吹っ飛ぶはずだ。

メタルファンでいながら "Angel Witch" の大合唱に参加しないなんて有りえない。不可能だ。

ということで皆さん、当日会場にてお会いしましょう。

川嶋未来／SIGH
http://twitter.com/sighjapan

ANGEL WITCH JAPAN TOUR 2012
Kevin Heybourne (Vo&G), Bill Steer (G), Will Palmer (B), Andrew Prestidge (Ds)

2012年6月29日（金）東京：Shibuya O-EAST
OPEN 6:00PM / START 7:00PM

前売￥6,500（税込・スタンディング・ドリンク代500円別途）
（問）東京音協：03-5774-3030　（平日10:00～17:30）

ローソンチケット：0570-084-003 （Ｌコード：71848）