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MARILYN MANSONのあの日、あの時4

Friday, May 18th 2012


大飛翔のとき到来!ついにメインストリーム域で大炸裂!
文●有島博志(GrindHouse)

 MARILYN MANSONとしての通算2枚目のフル・アルバム『ANTICHRIST SUPERSTAR』は、'96年10月に発売された。それまでジワジワきてたMARILYN MANSON人気 & 期待度が一気に本国アメリカ全土規模で大炸裂したかのようで、チャートに初登場3位で飛び込み、ロック界を仰天させた。この時期、USロック界はまさに前代未聞の大変なことになっていた。その3週間前に発売されたTOOLの2枚目のフル・アルバム『AENIMA』はUSチャート初登場2位を、『ANTICHRIST SUPERSTAR』の翌週に発売されたKORNの2枚目『LIFE IS PEACHY』は同3位をマークした。ヘヴィ・ロック・シーンの“顔役”がいったい誰で、その後誰が同シーンの先頭に立ち、引っ張っていくのか、を短期間でとてもわかりやすく知らしめた。そしてそれはその後の同シーンのさらなる隆盛において、とてつもなく大きな原動力、推進力となったことは言うまでもない。

 今作は、後に発売の3枚目『MECHANICAL ANINALS』('98年)、4枚目『HOLY WOOD (IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH』(2000年)と進む3部作の初編であり、完結編でもある。作品の発売順とタイムラインが逆になっているからで、“The Heirophant(秘儀の司祭)”、“Inauguration Of Worm(虫けらの就任式)”“Disintegrator Rising(分解の急騰)”という3部構成のロック・オペラなコンセプト作だ。また、アルバム・タイトルはアンドリュー・ロイド・ウェバーが手がけたミュージカル『JESUS CHRIST SUPERSTAR』('71年)をもじってつけられたもので、ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェからインスパイアされたものでもあるそうだ。『SMELLS LIKE CHILDREN』('95年)を含む前2作と同じくNINE INCH NAILS(以下NIN)のトレント・レズナーがエグゼクティヴ・プロデューサーに就き、US南部ルイジアナ州ニューオリンズにあるトレント所有のNothing Studiosで制作された。“NIN人脈”がそれまで以上にズラリと顔を並べているのも特筆すべき点だ。ロビン・フィンク、ショーン・ビーヴァン、ダニー・ローナー、クリス・ヴレンナがそうだ。

MANSON’S SINGLE COVER GALLERY

「THE BEAUTIFUL PEOPLE」 (1995)
今も必ずライヴのセットに組み込まれる、MARILYN MANSON最大級のシングル・ヒット曲。このヒットが『ANTICHRIST SUPERSTAR』を強く押し上げた。残念ながら絶版ゆえ入手困難だけど、ジャケはもろ当時のマンソンのビジュアルだ。“$4.95”と書かれた値札シールも今なお貼ったまんま(笑)。

 制作中、作業は困難を極めた。かかわった人間のすべてが極度の睡眠不足に陥り、その状況を乗り越えつつ進行するべく大量のアルコール類が投下されるなどの、相当混乱した環境のなかで完成を見たと聞く。そうしたただならぬ雰囲気が見事に作品に反映されたんだろう。極端なまでの緊張感に支配され、すべてが尖りまくり、そしていろんな意味でヘヴィでバイオレントだ。この緊張感の高さだけは意図して出せるもんじゃない。手前味噌な話で恐縮だけど、数多あるMARILYN MANSONの作品群において、自分がもっとも好きな作品だ。あまりに生々しい。1stリード・シングルとなった「The Beautiful People」も好チューンで、グロテスクでホラーishなPVもナイスだ。その過程で、メンバー脱退もあった。マリリン・マンソンとは半ば“盟友”で、MARILYN MANSON AND THE SPOOKY KIDS時代より行動をともにし、MARILYN MANSONへと移行していく上においてもメイン・ソングライターとして重要な役割を果たしたデイジー・バーコウィッツ(g/本名:スコット・プテスキィ)だ。よって、トゥイギー・ラミレズが大半のリード・ギター・パートを担当した。脱退からほぼ5年後に奇跡的にデイジーを取材することができ、あのときなにが起きたのかを語ってくれた。

「創造性の違いも確かにあったけど、それ以上に大きかったのはバンド内の立場の問題だった。トゥイギーが裏でオレのことを中傷していたんだ。ヤツはいつもマンソンにくっついていて、オレを追い出そうとしていた。実際に追い出すことはできなかったけど、少なくともオレがバンドにいづらくなるよう仕向けた。ヤツがやっていることは知っていたけど、自分のなかでもう、このバンドじゃやっていけないという気持ちになり、結局自分から辞めることにしたんだ。オレとしてはバンドを続けたかったから残念だったけど、あの状況じゃそれは無理だったね。そんな結果になってしまったけど、マンソンと一緒にやっていた時代はいい思い出の方が多いよ」

ボクとMARILYN MANSON

文●YOW-ROW(vo, programming) from GARI
ギターとシーケンスを手に入れ、可能性は無限大だと感じたヨウイチロウ少年が最初にトライした音楽はマンチェスター系だった。レイヴとロックの融合、まだミクスチャー・ロックなんていう言葉もないなかで、まさに新しい音楽的扉が開いた瞬間だった。一方、同じ手法でインダストリアル・ミュージックとヘヴィネスの共存をはかったトレント・レズナーは今も昔も変わらずボクの最高指揮官であり、マリリン・マンソンは永遠の“アイドル”である。マンソンを見るたびに“アイドル”とは、異端であろうと市民権を得られるんだと教えられます。そして、ボクもそうありたいと思うのです。

 ツアーに向けて後任ギタリストのオーディションが行われ、ジム・ザム(本名:ティモシー・リントン)が迎えられた。それまでのステージ・ネームのルールからは外れ、神秘主義思想カバラから由来するジム・ザムと命名された。彼のバンドでの初仕事は、上記「The Beautiful People」のPVへの出演だった。今作発売に伴うDead To The World Tourがスタートするや、マンソン本人やバンドに対するバッシングはそれまで以上にエスカレートした。主に暴力的な歌詞や過激なパフォーマンスが若いリスナーたちに悪影響を与える、と集中砲火を浴びた。それは政治評論家、女性活動家のほか、上院議員とアメリカ議会をも足並みを揃えるなど徹底したもので、ジョセフ・リバーマン上院議員は当時、下記の正式声明を発表している。

「(MARILYN MANSONは)大手レコード会社が売り出した最低最悪のグループだ。加えて、彼らのツアー先の会場では毎回、“洗脳されたお前たちの頭は神によって破壊されるだろう”などと言うミュージシャンのコンサートを子供たちに観させないようにと、宗教団体によるデモが起こっている」

 その真偽のほどは定かではないのだけど、今作を聴いて息子が自殺したと訴える証言すら飛び出したほどだった。が、しかし、バッシングされればされるほど、反対にマンソン本人やバンドの注目度、人気度は高まっていった。さぞかしマンソンは笑いが止まらなかったことだろうし、すべてが想定内、計画通りだったハズだ。そして、そのただ中の時期に、ついにマンソンに対面取材する機会が訪れたのだった…。



MARILYN MANSON 関連タイトル!

KMFDM / 『ANGST』('93年)
 ドイツはハンブルグ産のKMFDMの“総帥”サッシャ・コニエツコ(vo,synthesizer,programming)は常に断言する。「我々はインダストリアル・ミュージック・バンドじゃない。ウルトラ・ヘヴィ・ビート・バンドだ」と。本人はそう言うも、KMFDMがインダストリアル・ミュージック/ゴシック・ロック界で人気を高め、キャリアを築いてきたのは紛れもない事実だ。本作は通算7枚目で、欧米発売より半年遅れての日本正式デビュー作でもあった。数作前からメタル的ギターを取り入れ始めていたけど、本作ではそれが顕著となり、名曲でスラッシーな高速チューン「A Drug Against War」を生んだ。ダンサブルな「Light」も代表曲だ。NINのEP『BROKEN』('92年)、MINISTRYの5枚目『PSALM69:THE WAY TO SUCCEED AND THE WAY TO SUCK EGGS』('92年)とともに、本作は90年代中盤にかけてアンダーグラウンド・シーンから脱却しつつあったインダストリアル・ミュージック/ゴシック・ロックをさらに浮上させたのだった。
文●有島博志(GrindHouse)

MARILYN MANSON 最新作ニュース

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

2枚目のフル・アルバム(1996)

Antichrist Superstar

SHM-CD

Antichrist Superstar

Marilyn Manson

User Review :5 points (91 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥1,885
Member Price
(tax incl.): ¥1,735

Release Date:12/October/2011

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2枚目のフル・アルバム(1996)
(ジャケット差し替え輸入盤)

3部作となる3rd&4thアルバム

新作!

関連タイトル

Angst

CD Import

Angst

Kmfdm

Price (tax incl.): ¥2,189
Member Price
(tax incl.): ¥2,014

Multi Buy Price
(tax incl.): ¥1,313

Release Date:21/November/2006
usually instock in 1-15days

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Release Date:June/2012

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