【訃報】ドナルド・ダック・ダン

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2012年5月14日 (月)

ブッカー・T＆ジ・MGズのベーシスト、ドナルド・ダック・ダンが、5月13日（日）、東京都内のホテルで死去。70歳でした。

ダック・ダンは「STAX! featuring スティーヴ・クロッパー、ドナルド“ ダック”ダン＆エディ・フロイド公演」の為、盟友、スティーヴ・クロッパーとエディ・フロイドと共に来日中で、8日と9日はコットンクラブ、10日からブルーノート東京でライブ出演、12日（土）の夜に最終公演を終えたばかりでした。翌朝、ホテルで亡くなっているところを発見され、同日、クロッパーがフェイスブックで発表。死因は現在のところ不明ですが、眠ったまま亡くなったとのことです。

1941年11月24日、メンフィス生まれ。今回の来日公演での冠でもあった1960年代のR&B～ソウル・ミュージックを牽引してきた名門、スタックス・レコードの屋台骨バンド、ブッカー・T＆ジ・MGズのベーシストとして、オーティス・レディングやサム＆デイヴ、ウィルソン・ピケット等のバックで演奏、楽曲を提供。

1976年のスタックス倒産後は、セッション・ミュージシャンとして活躍。R&B/ソウル/ブルースばかりでなく ロッド・スチュワート、レオン・ラッセル、トム・ペティ、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、ニール・ヤングらの作品に参加。

ディスコグラフィー

1980年代には映画『ブルース・ブラザース』にクロッパーと共に出演。ブッカー・T＆ジ・MGズとして1992年にはロックの殿堂入り。 2007年にはグラミーで特別功労賞を受賞してます。

残念ながら今回の来日公演に行くことはできませんでしたが、個人的には2008年、ブッカー・Tとスティーヴ・クロッパー、そしてダック・ダンのブッカー・T＆ジ・MGズの3人で来日した時の記憶が今でも鮮明に覚えてます。

確か、初日公演で生前の忌野清志郎が飛び入り参加したことが話題になりましたが、私がライブを観たのは11月24日のダック・ダンのバースデーの日。会場のブルーノートか、それともメンバー2人によるサプライズ企画かわかりませんが、本人には内緒で、突然、花束とバースデーケーキが登場。そして、どこからともなく観客がハッピー・バースデーを歌い出してお祝いすると、ダック・ダンが感動して思わず涙を流してました。その心温まる風景は忘れられません。

また08年当時のインタビューが『ブルース＆ソウル・レコーズ』の86号に掲載されてますので、機会があればぜひ読んでみてください。古くからの付き合いである3人は、本当に大親友であったことがわかる、めちゃくちゃアットホームなインタビューです。とりわけ11歳の頃からの盟友であるクロッパーが、今、どんなに大きな喪失感を抱いているか・・・これを読めば少しでもわかるような気がします。

ブルース＆ソウル・レコーズ 86

心よりご冥福をお祈りいたします。安らかに眠ってください。