激技集団トライバル・テック復活！

Wednesday, March 21st 2012

何と12年ぶりの新作！スコット・ヘンダーソン、ゲイリー・ウィリスなど4人の超絶グループ、トライバル・テックが帰還。圧巻の技と完璧なサウンドの洪水！



トライバル・テックは1984年、ハリウッドにある音楽学校MI(ミュージシャンズ・インスティテュート)のギター科GITの講師だったスコット・ヘンダーソンが、同校ベース科BITの講師を務めていたゲイリー・ウィリスと出会い結成されたグループ。

1986年、デビュー作『Spears』をリリースし。そのサウンドを聴いたチック・コリアは自らのエレクトリック・バンドにスコットを抜擢し、彼の名は一躍世界中に広がる事となる。1987年には2nd作品『Dr. Hee』をアラン・ホールズワースをサウンド・アドヴァイザーに迎えリリース。

1990年には3作目『Nomad』、1991年に4作目『Tribal Tech』とリリースを重ねる彼らだが、4作目を機に、これまで「スコット・ヘンダーソン&トライバル・テック」名義とされたバンド名も、曲提供やサウンド面におけるゲイリー・ウィリスの存在が大きなものとなり、二人の双頭名義へのグループへの変換となった。

このように、スコットとゲイリーを中心としながら、他のメンバーに関しては流動的であったトライバル・テックも、スコット・キンゼイ(key)、カーク・コヴィントン(ds)という強力な味方を得る事に成功。このメンバーで、5作目『Illicit』(1992年)、6作目『Face First』(1993年)をリリースし、レギュラー・バンドとしての確固としたサウンドを形成・確立した。

その後、7作目『Reality Check』(1995年)、8作目『Thick』(1999年)、9作目『Rocket Science』(2000年)とアルバムをリリース。これまでバンドは、完成されつくした楽曲をプレイする事から、徐々に自由度を増したインタープレイの要素を導入し、最後は完全インプロヴィゼーションを基に録音するといった手法が取り入れられた。

作曲重視からインプロヴィゼーションへと変革したものの、ゲイリーが2005年にスペインのバルセロナへの移住をきっかけに、バンドは事実上の解散へと至ってしまうのである。

「バンドが再結成される可能性はない」とスコットもゲイリーも明言しており、誰もがトライバル・テックの終焉を疑わなかったが、2010年、ゲイリーの故郷であるテキサスへの帰郷をきっかけに、LAにあるスコット・キンゼイのスタジオに4人全員が終結し、なんとレコーディングが慣行されたのである。

その後もゲイリーの居るバルセロナとLAの間で作業がやり取りされ、1年半以上の時間をかけて、第10作目となる新作『�]』が12年振りに完成した。バンド名も、これまでスコット・ヘンダーソンとゲイリー・ウィリスの双頭名義であったが、この度トライバル・テックとして新生。曲は全曲トライバル・テック名義。活動休止前の即興中心というサウンド構成というよりは、しっかりと楽曲を構築した上で、4人の個性・技を存分に引き出す構図が、全曲を通じて明確に打ち出されている。

スコット・ヘンダーソンの縦横無尽なギター・ワーク、そして驚異のスピードとグルーヴを誇るゲイリー・ウィリスの超絶テクは勿論健在な上、スコット・キンゼイの七色のサウンド・マジック的鍵盤ワーク、そしてカーク・コヴィントンの鋭いドラミングが渾然一体となり、幅広い音楽性を持ったドラマチックな曲が、超絶テクニックと共に展開される。

まさに、12年の空白の時間がもたらした、4人のパワーが充満したアルバム。その意気込みが聴くものに伝わってくる、超人たちの気持ち新たな作品と言えるだろう。

Track List

1. Mech X メック・テン
2. Got Faith ‘n Phat ゴット・フェイスン・ファット
3. Time Lapse タイム・ラプス
4. Anthem アンセム
5. Palm Moon Plaza パーム・ムーン・プラザ
6. Gravity グラヴィティ
7. Working Blue ワーキング・ブルー
8. Ask Me A Question アスク・ミー・ア・クエスチョン
9. Let`s Get Swung レッツ・ゲット・スワング
10. Corn Butter コーン・バター

Scott Henderson スコット・ヘンダーソン（Guitar）
Gary Willis ゲイリー・ウィリス（Bass）
Scott Kinsey スコット・キンゼイ　（Keyboards）
Kirk Covington カーク・コヴィントン（Drums）