ブルーズが似合う女、安富祖貴子
Wednesday, September 14th 2011
06年デビュー以来、魂を籠めた歌で魅了する安富祖貴子5枚目の新作は、「ブルーズ」がテーマ。日本ジャズの巨匠&新進や石田長生が磐石のサポート。
沖縄出身のシンガー、安富祖貴子は2006年、彗星の如く登場。デビュー作『魂/Kon』で、その名の通り、強い魂を持ったソウルフルな歌声にて、ジャズ・シーンに大きな衝撃をもたらし、「50年に1人のジャズ・ヴォーカルの逸材」と言わしめた。
デビュー・アルバムは、スイング・ジャーナル誌選定ゴールド・ディスクを獲得。そして同誌選定の2006年ジャズディスク大賞において、「制作企画賞」、「ニュースター賞」、さらにADLIB誌アドリブ・アワードにおいても「'06国内ニュースター賞」を受賞し、デビュー作ながら、いきなりの快挙を果たした。
その後も、2007年2月に2ndアルバム『マブイのうた』を発売し、ADLIB誌アドリブ・アワード「'07国内R&B/ヒップホップ賞」を受賞。2008年6月にはニューヨークにてレコーディングを行なった3rdアルバム『Hallelujah〜summer of '86〜』を発売し、ADLIB誌アドリブ・アワード「'08国内R&B/ヒップホップ賞」を受賞するなど、ジャズをベースにしながらもR&B層からも高い評価を得ることとなった。
そして、2009年の4作目の『Sweet Soul Days』以来となる、2年ぶりの新作『ブルーズ』がいよいよリリース。今回は文字通り「ブルーズ」をテーマに、そのソウルフルなヴォーカルを前面に打ち出した原点回帰とも言える作品となった。
プロデューサーは1st〜3rdを手掛け、現在自己のグループ以外にも塩谷哲トリオ、渡辺香津美ジャズ回帰プロジェクト、大西順子トリオ、大野雄二&ルパンティック5のメンバーとして活躍する国内No.1のベーシスト井上陽介が再び担当。
脇を固めるのは納谷嘉彦(p)、大隅寿男(ds)、川嶋哲郎(ts)と凄腕ベテラン勢を始め、新進気鋭の大隅卓也(as)、かつての“ソー・バッド・レビュー”やCharとの”BAHO”等の活動でも知られるR&B/ソウル系ギターの名手・石田長生(eg)と豪華メンバーが参加し、安富祖のジャズ=ブルーズ=ソウル・ワールドをパワフルにサポート。
収録曲は「Left Alone」、「Aflo Blue」等のジャズ・スタンダードを始め、アルバム・コンセプトでもある“ブルーズ”を体感した「St. Louis Blues」や石田長生のギターが冴えわたる「Everyday I Have The Blues」、若手ゴスペル・グループJumbleと織りなす至高の名曲「Amazing Grace」等と、ジャズ、ソウル、ブルーズが渾然一体となり、安富祖貴子の全てが凝縮したアルバムに仕上がっている。
収録曲と解説
1: セント・ルイス・ブルース“ブルースの父”と称されるW.C.ハンディが1914年に発表したブルーズの名曲。100 を軽く超えるカヴァー録音があり、代表的なものではオリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド(ODJB)、ベッシー・スミス、ルイ・アームストロング、キャブ・キャロウェイ、ベニー・グッドマンと枚挙にいとまがない。『夕暮れ時に、日が沈んでいくのを見るのが嫌いなの』という歌詞の冒頭は、当時流行語になったとまでいわれている。
「陽介さんのアイデアをもらって、トランペットの口まねもしてみました。遊び心があって、笑ってしまうくらい楽しく歌いました」
2: エヴリデイ・アイ・ハヴ・ザ・ブルース
B.B.キングがショーのオープニングで歌い弾く、おなじみのブルーズ・ナンバー。B.B.の録音も多いが、作者名にクレジットされているピーター・チャップマンとはメンフィス・スリムの本名で、彼が1940年代の後半にこの曲を「Nobody Loves Me」のタイトルで録音。それをローウェル・フルソンが「Every Day I have the Blues」のタイトルで1949年に録音(SWINGTIME)し大ヒット。以降、多くのブルーズメンに取りあげられた。
「とっても楽しかった。ぱっと浮かんだのは、太陽です。海に入ったときの感覚です。台風も思い浮かびました。そういう自然を身体に感じ、ジャンプしながら歌ったんです」
3: プリーズ・センド・ミー・サムワン・トゥ・ラヴ
パーシー・メイフィールドの作詞・作曲。メイフィールドは1950年代〜60年代のR&Bの偉大なソングライターで、レイ・チャールスのヒット曲を作曲したことで知られている。
「わたしはグラディス・ナイトが好きで聴いていますが、すごく好きなナンバーです。平和をたたえる歌でもある。でも、もう一つ神様にお願いできるのなら、恋人がほしいというオチも好きなんです。そして、わたしはできたら、川嶋さんのサックスのように歌いたい。いつも、そう思いますが、ここでも強くそう願いました」
4: アイド・ラザー・ゴー・ ブラインド
「つらい恋の歌ですが、わたしはそんなに暗くは思わずに歌いました。エッタ・ジェームスの歌が好きですが、ビヨンセも映画で歌っていましたね」
初出は、クリスティン・パーフェクト在籍時代のチキンシャック、1969年のシングル。愛した男性が、新しい彼女と歩いているのを見て、『二人を見るぐらいなら、見えなくなってしまいたい』と歌う。貴子のシャウトが胸にせまる。
5: アフロ・ブルー
1959年、キューバ出身のモンゴ・サンタマリアが作曲し、ジョン・コルトレーンがレコーディングしたことでジャズでも定番となった。ヴォーカルではアビー・リンカーンがこの曲を聴き、アフリカへの望郷の想いを描くナンバーとして取り上げ、ヒットした。公民権運動の旗手でもあったアビーの、思想がこめられた歌でもある。
メンバーの演奏の見事なこと、川嶋のソプラノもリマーカブルだ。
「今回初めて聴き、あまりの素晴らしさに、どうやって歌うのだろうと圧倒されました。陽介さんのアレンジが速めのテンポだったので、まずは早口言葉を覚えるようにして歌詞を身体に入れ、感覚で歌っていきました」
6: アーリー・イン・ザ・モーニング
石田長生のギターと貴子の歌の掛け合いが面白く、石田のヴォイスでの参加も効いている。
「B.B.キングのブルーズ。最近ではシンディ・ローパーもブルース作で取りあげていましたね。女の子が出て行っちゃう、みじめな話ですが、面白くてちょっとマンガみたいです。わたしは朝は弱くないですよ。呑んでも朝まで、起きるのも朝です」
7: レフト・アローン
ビリー・ホリデイの伴奏者だったマル・ウォルドロンが作曲したバラード。詞はビリー自身が書いたが、彼女が亡くなったため、ビリーによるテイクは残っていない。
「ビリー・ホリデイのための、彼女自身が作詞した曲だと聞いて、少しプレッシャーを感じました。でも、たいへん素晴らしい曲なので、歌っていても自然に気持ちがこもりました」
8: 朝日のあたる家
1960年代、ブリティッシュR&Bブームの中心的存在だったアニマルズによりヒットした。
「基地との関係が緊張していた時代の歌なので、その時代を思い出させ、歌うのがたいへん難しかった曲です。わたしにとっては絶望の歌なのですが、陽介さんのアレンジのおかげで陽が差しました」
この曲での川嶋哲郎のソロは、聴きものだ。
9: ウィロー・ウィープ・フォー・ミー
アン・ロネルが1932年に作詞・作曲した、トーチ・ソング(失恋の歌)。ビリー・ホリデイの名唱で知られる。
「好きな歌ですね。リズムにのるのがちょっと難しかったのですが、すてきなメンバーに囲まれているおかげで歌えました」
10: ルート66
ボビー・トゥループが1946年に作詞・作曲したポピュラー・ソング。ナット “キング”・コールやビング・クロスビーをはじめ、数多くのシンガーによって歌い継がれてきた。
「ずっと歌ってみたかった曲です。今回が初めてだったんですが、いろいろ遊びができて、楽しいナンバーでした」
11: 朝日のごとくさわやかに
井上陽介のベースとのデュオで歌う、このナンバー。井上の歌いっぷり、そして素晴らしいスウィング感。それに応える、貴子の素直なアプローチがいい。彼女が井上を見上げる、信頼のこもった笑顔が見えるテイクになった。
「陽介さんとのデュオを、心から楽しませてもらいました」
12: アメイジング・グレイス
1772年、ジョン・ニュートンが作詞した賛美歌。奴隷貿易に関わったことを深く悔いたニュートンが、船を降り、牧師となって書いた曲だ。作曲者は不詳で、アイルランドあるいはスコットランドの民謡からとられたとする説、19世紀に南部で作曲されたとする説などがある。
「この曲は、今作のコンセプトにあっているからぜひ歌ってみたらと、陽介さんが勧めてくれたんです。以前、クリスマス・シーズンになると好きで歌っていた曲ですが、今回はJumbleというゴスペル・クワイアが参加してくれ、特別な気分で歌うことができました」
中川ヨウ ライナーより抜粋
パーソネル
安富祖貴子(vo)/井上陽介(b、プロデュース)/ 納谷嘉彦(p)/大隅寿男(ds)/川嶋哲郎(ts)/ 石田長生(eg)/大隅卓也(as)/Jumble(cho)安富祖貴子「THE BLUES」発売記念ライブ・ツアー
11/11(金)横浜Bar Bar Bar
大隅卓也(As) / 関根敏行(P) / 佐瀬正(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)045-662-0493 http://www.barbarbar.jp/
11/12(土)銀座スウィング
大隅卓也(As) / 関根敏行(P) / 佐瀬正(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)03-3563-3757 http://www.xx.em-net.ne.jp/~swing/
11/13(日)水戸 自由が丘スタヂオ
大隅卓也(As) / 関根敏行(P) / 香川裕史(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)029-221-5538(石田外科医院まで) http://www5.plala.or.jp/Jiyugaoka/
11/16(水)大阪ロイヤルホース
大隅卓也(As) / 関根敏行(P) /北川弘幸(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)06-6312-8958 http://www.royal-horse.jp/
11/17(木)福井 芭里音
大隅卓也(As) / 関根敏行(P) /北川弘幸(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)0776-61-3517 http://www.bari-non.jp/
11/18(金)名古屋ラブリー
大隅卓也(As) / 関根敏行(P) /北川弘幸(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)052-951-6085 http://www.jazzinnlovely.com/
11/19(土)岡山SOHO
関根敏行(P) /北川弘幸(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)086-238-0404 http://soho214.blog11.fc2.com/
11/20(日)松山モンク
関根敏行(P) /北川弘幸(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)089-945-9512 http://www.monk-matsuyama.com/
11/22(火)甲府アローン
関根敏行(P) / 佐瀬正(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)055-232-2332 http://jazz-in-alone.com/
11/23(水)弘前カフェテラス KE・RA・RA
大隅卓也(As) / 安井さち子(P) / 佐瀬正(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)0172-33-7671
11/25(金)青森 大鰐市あずみ野デイケアセンター
大隅卓也(As) / 安井さち子(P) / 佐瀬正(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)0172-47-5036
11/26(土)青森disk
大隅卓也(As) / 安井さち子(P) / 佐瀬正(B) / 大隅寿男(Ds)
(問)017-776-7244 http://jazz-time-disk.blogspot.com/
※ライヴに関する問い合わせは、それぞれの会場ごとの問い合わせ先へお願いいたします。
http://www.mandicompany.co.jp/hp2009/artist/takako/takako.html
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