Crossfire コラム緊急企画!!

2011年8月17日 (水)

Metal Bless Japan

CROSSFIRE(hellhound) / Profile

現実社会のパラレル・ワールド、Metalzoneの首都Metalopolis TO-KEY-Oooaaahhhにて産まれる。2002年夏にメタル・ゴッドの啓示を受け、HELLHOUND結成。2004年1月にミニ・アルバム『Welcome To Metalzone』を発表し、ヘッドバンガーズの注目を集める。2005年にBlack-listed Recordsと契約(余りにもデンジャラスなアティテュード故、マネジメント契約は一時留保されたが、後に成立)、2006年6月6日(666!)に1stアルバム『鋼鉄(メタル)のいけにえ - Tokyo Flying V Massacre』をリリース、歌詞に"Metal"という言葉が126回も収録され、微妙に話題となる。また、このアルバムを偶然耳にした英国レーベルのA&Rが契約を申し出、海外デビューを果たし、元KERRANG!誌の伝説的編集者、ジェフ・バートンに何故か気に入られる。2008年に2ndアルバム『地獄のメタル・ファイアー - Metal Fire From Hell』を(2009年3月には欧米でも)リリース。同秋にはドイツのフェス「KEEP IT TRUE」からオファーを受け、Tokyo Blade, Girlschool, Nasty Savage, Evil, Flotsam & Jetsam, Artillery等、錚々たるメンツと共演、本人達もビックリの歓迎を受ける。2010年春、その模様を収録したDVD『鋼鉄侍独逸之陣Live In Germany - Too Loud! Too Rough!! So What!?』をリリース、その後オリジナル・メンバー、Swordmasterの脱退という困難に見舞われるが、新メンバー・Blackwindを迎えて乗り越え、2010年に行った復活ギグは大成功を収めた。現在新作に向けマテリアルを研ぎ澄ましている最中だ。ヘビーメタル世代(ジェネレーション)よ! 当コラムを読みつつ首を鍛えて待て!!
番外編『Metal bless JAPAN プロデューサーズ鼎談』

イエア! HELLHOUND の Crossfire だ!
HMV ONLINE には、去年の暮れに登場して以来だな!

さて今回、俺は日本のメタル・ミュージシャン達による
話題のチャリティー・アルバム 『Metal bless JAPAN』 に参加させて貰ったんだ!
今日はその主宰者でプロデューサーである、ARGUMENT SOUL の Vo:神谷氏、
発売元の Black-listed Records 代表:大西氏と一緒に色々お話をしたいと思うZE!

【プロジェクトの始まり】
Crossfire(以下、C) : さて、今回のプロジェクトは元々、かみーゆ(=神谷氏)が Twitter でつぶやいた、「なにか "STARS"(註: ロニー・ジェイムス・ディオ主宰のアフリカ飢餓救済プロジェクト: Hear'n Aid メイン楽曲)みたいなのやりませんか?」が発端だったんだよね…。それ読んだ時は、「うわ! 軽いやっちゃな〜」っていうのが正直な感想だったんだ…「これが名古屋と東京の温度差か!?」みたいなね(笑)。あの頃って、東京は「自粛ムード」みたいなのが蔓延しててさ、ライヴやるのも「どうするべきか?」みたいな葛藤があったりして…。そこであの 100%ポジティヴな意見がポンと出て、「この状況を変えて前に進むには、こんくらい軽いノリじゃなきゃ始まらねーだろうなぁ…」って思って、賛同させて貰ったんだ(笑)。あと、それを言い出したのが、かみーゆだった、ってのが大きいかな。俺にとって「100%信用出来る人間」だったってコトが…何でやろうと思ったの?

神谷(以下、K): 多分、皆そうだったと思うんだけど、俺も震災発生当初は、自分は何をすべきなのか?ってのが分からなかったんだ…。被災地にはバンドで知り合った仲間達が沢山いて、でも安否が全く分からない状態で無事を祈るしかなかったし…悩んだけど、結局俺は「歌うこと」しか思い浮かばなかった。確かに「温度差」はあったのかもしれないけど、以前ゴスペル・クワイアに所属してた時に「歌で愛を届ける」ということを散々言われてきたのもあって、それは自然な結論ではあったんだ。そのクワイアでは、ずっと "We Are The World" を歌ってたんだけど、俺は今メタル Vo な訳だから "STARS" だろ、と…(笑)。

C: Mr . オーニシはこの話を聞いた時、どう思った?

大西(以下、O): 震災は自分自身にとっても、数日前まで仙台に滞在していたり、ASRA っていう仙台出身のバンドのアルバム・リリースを控えて関係者と連絡取り合ったりしてたタイミングで起きて、決して他人事とは思えなくて…。そんな時、神谷さんの「何かやりたい!」という話を貰って、「 CD 出すなら、ウチで出すよ!」って即答した記憶が…その後に待っていた大変な雑務の事なんか一切考えずに!(笑)

【曲のコンセプト】
C: 賛同してスグに思ったのが、「ガイジンが "STARS" なら、日本人は "RISING SUN" だよな!」ってコトで、それと同時位に、パっと聴いて大人も子供も覚えられて口ずさめるサビのフレーズがフと浮かんで、メイン・リフがそれに続いたって感じだったんだ…かみーゆ的にはどんなイメージがあった?

K: やはり歌詞は絶対に日本語で書きたかったんだ。「英語にしたら、海外でもラジオとかで流すよ」って話もあったんだけど、そこは譲れなかった。想いを届けたい対象が日本人なのに、英語で歌うのはおかしいし…。

C: んで、俺が準備した曲( "RISING SUN" の原案)をかみーゆに送った後、暫くの空白期間が…(笑)。俺的には「とりあえず俺のアイディアを送っておくから、好きにして〜。ボツでもイイよ!」みたいなスタンスでいた訳だけど。暫く音沙汰ないんで確認すると、「別のアイデアが!」ってコトで…。

K: 自分は当初バラードしか頭になかったんで、送られてきたアレは意外過ぎて、「どうしよう? でも、ボツにしたら悪いし…」って感じだった(笑)。でも、バラードを自分で作ってる間に、色んな人に会って話を聞いてたら、皆「バラードより、元気の出るパワフルな曲の方がいいよ!」って言うんで、俺の気持ちも変わっていって、最終的には「よし、あの曲で行こう!」と。

【人選】
C: Vo の人選に関して、まず曲を作って、ある程度のパート分けを考えた上で、そこから Vo を選んでいく、って感じかと俺は思ってたんだけど、実際には、かみーゆがアイディア段階で名前の上がった Vo 達にバーッと声をかけていったという…(笑)。俺なんかだと、ある程度の着地点を決めて、ソコソコの所を狙って動いちゃうんだけど、かみーゆはあくまでも理想に向かって突き進んでいって…そこはホント真似出来ないなぁ、と。その姿勢こそが今回のプロジェクトのカギだったんじゃないかと思うね。

O: ホントに神谷さんの集中力と忍耐、そして人徳のお陰だと…。今回自分はサポート役に撤して、人選やレコーディング現場は、ほぼ神谷さんに振っちゃってたし、6月の仙台ライヴの時も仙台に向かう新幹線で、「このプロジェクトの運営がいかに大変か!」を神谷さんに説明してプレッシャー与えちゃったりしたし…メゲずに完遂したのは凄いと思う。

【アレンジ】
C: その後、俺は行けなかったんだけど、曲のアレンジ決める為に深夜スタジオに入って…あれは、やのっちぇ( BLASDEAD の Ds :矢野)とガンちゃん( Redrum の G )の貢献に大感謝だね。

K: あの2人が居なかったら、多分完成してなかった。曲構成だけ考えて、一緒にスタジオ入って貰って、3人で大体の骨組みを作ったんだ。あの2人、確かスタジオに入る前日に誘っったのに、OKしてくれたんだ…あの2人にはマジで頭が上がらない!(笑) で、448( Mastermind の G : Yoshiya )さんに、「アレンジは任せます!」と。

C: しかし、次のスタジオに 448 が持ってきたアレンジが、当初と全然違う複雑な構成になっててさ〜、こんなの出来る訳ねーだろって感じの(笑)。アレに対して「今はソレじゃねーだろ!」って言い切った、やのっちぇは偉かった!(笑)

K: でも、あの 448 アレンジも相当格好良かったよね?! レコーディングまであと1週間だったから残念ながら無理だったけど、いつかあのヴァージョンもレコーディングしたいくらい(笑)。

RECORDING


【レコーディング】
C: で、遂にバック・トラックのレコーディングに辿り着いた訳だけど、これは案外サックリいったかな?と…。ツイン体制で録った Ds は、酒井さん(註: レコーディングを行なったイエローナイフ・スタジオのハウス・エンジニア氏)の経験値がモノを言った感じかなと。

O: 2人で叩いてるのに、全く違和感ないもんね! ホント、巨匠:酒井さんのお陰ですよ。

C: G ソロの録りは超面白かったよね?! みんなでお互いにプレッシャー掛けて、追い込みまくって…。

K: 面白かったねー!! 弾く人によってこんなに違うソロになるんだねって。

C: で、歌録り…やっぱり今回のメインは歌録りだったと思うけど、俺はあれだけの人数があの場所に同時に長時間いるってのが、色々な意味で不安だったんだよね。だけど、誰1人として文句も言わず、和気藹々と過ごしてたのには驚かされたよ!

O: とても暑い日だったんで、あの人数がスタジオにいると、クーラーも全然効かなくて(苦笑)。皆、汗だくになりながら歌ってたし(笑)。

C: やっぱり第一線で活躍してる Vo って人間が出来てるんだな、って…。Vo って、ステージではどんなアウェイな状況でも矢面に立たされるワケじゃない? だから状況への対応力やコミュニケーション能力が高くないと、やってらんないのかも知れないね。

K: 実は俺も不安だったんだけど、結果的には皆の人間性で乗り切れた…参加者の皆さん、ありがとー!(笑)

RECORDING


【歌メロと歌詞】
C: しかし今回、かみーゆの作った歌メロは最高だね! 俺も一応考えてみたりしたんだけど、どうしても HELLHOUND 風になっちゃって…(苦笑)。あの全体的な構成や流れは、かみーゆがこれまでに培ってきたミュージカルとかの深い音楽的バックグラウンドの勝利だと思うよ。「かみーゆ、スゲー!」って思ったもん。

K: 確かに構成や流れは ARGUMENT SOUL 的…神谷的になったよね! あれは「重奏」っていって、1つのリフの上に幾つもの歌メロを同時に流す手法で、クールに聴こえて個人的に凄く好きなんだ。ミュージカルで良く使われるんだけど、そういったアプローチだとか、ゴスペルでの経験だとかが活かされていると思う。

C: ちなみに歌詞についてはどうだったの? 俺はほぼノー・タッチだったんだけど。

K: 思い立った当初から、頭の中心にやりたいことが1つハッキリとあったんだ。「参加 Vo 全員で歌詞を書く」…これが今回 "RISING SUN" を作る上での大前提で、気持ちを届けるのに、他の人の言葉で届けるってのは自分の中では有り得なかったし、「これが崩れたら、今回のプロジェクトは意味がなくなる」って位大切なモノだった。当初の構想としては、参加 Vo 全員に、8小節分位の歌詞をそれぞれ書いて貰って、それを1つの歌詞に「紡いで」いきたかったんだけど、時間が掛かり過ぎるのと、纏まりが無くなるんで、歌詞や詩を募集して、最終的に俺が1つに纏める、という方針に転換したんだ。1行だけの想いを送ってきてくれた人もいるし、50行位の長文を送ってくれた人もいたりと様々だったけど、全く何もアイディアが使われない人が生まれるのだけは避けようと思った。あと、被災地を実際に自分の眼で見てから纏めたい、って想いもあって、6月4日の仙台公演(註: プロジェクトの推進力の1つとなった6月4日のライヴ・イヴェント。ARGUMENT SOUL 、HELLHOUND 、 AZRAEL が参加、3バンドが1曲ずつ持ち寄った CD-R を来場者全員に無料配布した)が終わるまでは、敢えて歌詞を纏めなかったんだ。

【ミックス/マスタリング】
C: ミックスとマスタリングはどうだった? 俺はノー・アイディアで、完全お任せ状態だったんだけど。

O: 最初は、基本的にはプロデューサーである神谷さんがジャッジしながら進めていくと思ってたので、ここでもサポート役に回ろうと思ってたんだけど、「待てよ? 神谷さんって、名古屋在住だよな…」って(笑)。基本スタジオは平日に押さえてたんで、「神谷さん、来られないか…?」と思った瞬間青くなって…(爆)。「これは、自分が責任持ってやるしかないか!」と一念発起したんだけど、気が付いてみると、神谷さん…何故か普通に全日程スタジオにいるし!(爆)

C: Twitter 見てると、いつも「どうしよっかな〜?」ってつぶやいた後、「新幹線乗っちゃいました!」みたいなつぶやきが…(笑)。でも、あの行動力が無かったら、このプロジェクトはここまで満足いくモノにはならなかったと思うよ!

K: 「言い出しっぺがその場に居ないでどうする?!」って思ってね(笑)。自分なりには、それはそのまま「被災地への想いの重さ」でもある、と思ってたし…かなり体力的、精神力的には疲れたけど(笑)。

【アルバムについて】
C: で、出来上がったアルバムを聴いて、どう思った? 俺は「最高のコンピレーション」だと思ったんだけど…。世の中にある所謂「名コンピレーション・アルバム」って、1曲聴いたら、そのバンドの他の曲も聴きたくなっちゃうようなモノだけど、コレはまさにソレなんだよね…俺の中では『ヘヴィ・メタルへの招待』(註: IRON MAIDEN が "Sanctuary" と "Wrathchild" を提供した、NWOBHM の 有名なオムニバス・アルバム。原題 『Metal for Muthas』)レベルの作品だと思うよ!!

O: 各バンドが新曲や未発表ヴァージョン等を提供してくれたのも、このアルバムの価値を高めてくれていると思うし…しかし正直な話、5月後半とかに話振ったのに、各バンドさんよく楽曲が間に合ったな、と!(笑)。

K: ARGUMENT SOUL、入ってませんけどね…(笑)。でも、ホント感謝ですよね…このアルバムの為に楽曲書き下ろしてくれたバンドもいたり…良いアルバムになったと思います。なんか、全体を通して「愛」を感じますよ。最後の1曲までしっかり聴いて欲しいです…最後まで、ね…(笑)。

C: アートワークも秀逸だよね! あの音を見事に表している感じで!

O: あれは今回楽曲も提供してくれてる REGULUS の Vo:Mikka さんのデザインで…。ウチはレーベルだから、普段から色々なアートワーク・デザイナーと仕事させていただいているんだけど、ジャケット絵から写真や文字のレイアウト、更には細かい部分の直しとか、ホント「以心伝心」で仕事出来て…また何か仕事一緒にしたい位! いや、お世辞抜きに!!(笑)

K: カッコイイですよね!! 想いが伝わってくるし。Mikka さんには、ギリギリのギリギリまで頑張っていただいて、ホント感謝です。これも Mikka さんの「被災地への強い熱い想い」が詰まってますね。

【最後に】
C: では、最後にMBJプロデューサーズからメッセージを!

O: とにかく、チャリティー云々とか抜きにしても「最高のコンピレーション」が出来たと思います。しかも買っていただければ、その純益が全額、震災復旧・復興の支援金になるという…。HMV ONLINE では勿論、CD ショップの店頭等でも見かけたら、是非手に取って、そのままレジへ!(爆) 宜しくお願いします!!

K: 正直、こんなに良いモノが出来るとは思ってませんでした(笑)。想像を遥かに超えてくれたね…。是非買って楽しんでください! そして参加メンバー36名全員で作り上げた "RISING SUN" を、皆で一緒に歌いましょう!!

RISING SUUUUUUUUUUUUUUUN!(爆)

国内のメタル・アーティスト36名+9バンドによる、東日本大震災復旧・復興チャリティー・アルバム!

【Metal Bless Japan / Rising Sun
〜東日本大震災チャリティー・アルバム〜】

01. METAL BLESS JAPANRising Sun
02. REGULUSCompass Rose
03. AZRAELFight It Out
04. WEIRD TALESMagic Sign
他、全10曲収録!!


このアルバムの販売純益と、メイン・キャンペーン・ソング「RISING SUN」の音楽配信等により発生する純益は、東日本大震災の支援金として、公益社団法人Civic Force(シビック・フォース:http://civic-force.org)等に全額寄付されます。

HELLHOUND 関連 Links

ASRA 他が所属するジャパニーズ・インディー・メタルの雄、Black-listed Records!

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