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「ベルリン・フィル・ラウンジ」第43号:来シーズンの演奏会予定が発表!

Wednesday, June 1st 2011

ドイツ銀行 ベルリン・フィル
ベルリン・フィル&HMV提携サイト
 ベルリン・フィル関係ニュース

ベルリン・フィルの来シーズンの演奏会予定が発表!
 5月30日、ベルリン・フィルの2011/12年シーズン予定が発表されました。芸術監督サー・サイモン・ラトルをはじめとして、アバド、バレンボイム、ハイティンク、アーノンクール、ティーレマン、ヤンソンス、小澤征爾、メータ、ドゥダメル、ブロムシュテット、ビシュコフ、T・フィッシャー、ヘラス=カサド、ルイゾッティ、ネルソンス、ネゼ=セガン、ラニクルズ、ソヒエフの客演指揮者が登場します。
 シーズンのハイライトは、ラトル指揮のマーラー・ツィクルス完結(交響曲第7〜9および《大地の歌》)、ブルックナー交響曲第9番(4楽章補筆完成版)。また、《ワルキューレ》、《カルメン》(主演はコジェナー)が演奏会形式で上演されます(後者は、ザルツブルク・イースター音楽祭でも上演される予定)。
 ヴァルトビューネ・コンサートは、小澤征爾が指揮を担当。ジルベスター・コンサートはラトルの指揮で、キーシンがグリークのピアノ協奏曲を演奏します。
 昨年デビューしたネルソンス、ネゼ=セガン、ソヒエフが早くも再招待され、ここ数年欠場していたアーノンクールが帰還。さらにバブロ・ヘラス=カサドがデビューする予定です。
 これらのコンサートのほとんどは、来シーズンもデジタル・コンサートホールで中継される予定です。DCHには、すでに12万人が登録しており、現在約5000人のユーザーが、12ヵ月間有効チケットを所有しています。日本はドイツの25パーセントに続き、20パーセントの市場占有率を示していますが、日本語サイトのオープンを受けて、さらにシェアを伸張。メディア代表/ベルリン・フィル・メディア取締役のオラフ・マニンガー氏(首席チェロ奏者)は、「この春の地震救済コンサートも含め、ベルリン・フィルと日本のつながりは、かつてないほど固いものになった」と語っています。
 一方日本ツアーは、11月22〜24日にサントリー・ホールで3公演が打たれる予定。指揮はラトルで、マーラー「交響曲第9番」が2回、ブルックナーの「交響曲第9番」、細川俊夫の《モーメント・オブ・ブロッサミング》が1回演奏されます。
 映像は記者会見の模様です。サー・サイモン・ラトルが来シーズンのプログラム構成について語っています。

ベルリン・フィルのウェブサイトで来シーズンの予定を見る

ベルリン・フィルがイースター期間におけるバーデン・バーデン祝祭劇場との提携を決定
 2013年以降、ベルリン・フィルは復活祭期間にバーデン・バーデン祝祭劇場に出演することになりました。オペラに中心が置かれると同時に、室内楽演奏、青少年活動が強化される予定です。
 今後はオペラ公演は、ザルツブルクにかわりバーデン・バーデンが開催地となります。最初のオペラ・プレミエは、サー・サイモン・ラトル指揮の《パルジファル》です。
 一方、ザルツブルク・イースター音楽祭での最後の公演は、2012年春の《カルメン》となります。
 バーデン・バーデンでは、様々な会場を用いた室内楽演奏会、地元青少年等とのエデュケーション・プログラムを充実させ、ベルリンでの活動をバーデン・バーデンに拡大する方向です(写真:© Festspielhaus Baden-Baden)。

 デジタル・コンサートホール(DCH)アーカイブ最新映像

佐渡裕がベルリン・フィルにデビュー
(2011年5月22日)

【演奏曲目】
武満徹:
《フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム》
ショスタコーヴィチ:
交響曲第5番

パーカッション:
ラファエル・ヘーガー
ジーモン・レスラー
フランツ・シンドルベック
ヤン・シュリヒテ
ヴィーラント・ヴェルツェル

指揮:佐渡裕


 すでにメディアでも報道されている通り、5月20日(金)、佐渡裕がベルリン・フィルにデビューを果たしました。この演奏会(全3回)の最終日が、デジタル・コンサートホールのアーカイブにアップされています。佐渡は小学校の卒業文集に「ベルリン・フィルの指揮者になりたい」と綴ったと言われますが、その夢がまさに現実になりました。当演奏会では、武満徹とショスタコーヴィチの作品を指揮しています。
 初日演奏会は新聞でも絶賛を博しましたが、本号の批評コーナーでもベルリン2紙の記事を訳出していますので、そちらもご覧ください。
 なおこの演奏会は、CD用にライヴ収録され、6月29日にエイベックス・クラシックから緊急リリースされることが決定しています。

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 次回のDCH演奏会

ラトルのマーラー「第6」
(日本時間6月3日午前3時)

【演奏曲目】
ベルク:管弦楽のための3つの小品
マーラー:交響曲第6番

指揮:サー・サイモン・ラトル


 ラトルは1987年11月のベルリン・フィル・デビューでマーラーの「第6交響曲」を指揮しています。それ以降は、2005年にウィーン・フィルとベルリン・フィルの初共演の際に指揮したきり。つまり、非常に重要な機会のみに取り上げてきた作品です。マーラー・ツィクルスの最新版を、ぜひお楽しみください。

放送日時:6月3日(金)午前3 時(日本時間・生中継)

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ウラジミール・ユロフスキの《嘆きの歌》
(日本時間6月13日午前3時)

【演奏曲目】
バッハ(ストラヴィンスキー編曲):コラール変奏曲『高き天より我は来たり』
ストラヴィンスキー:レクイエム・カンティクルズ
マーラー:カンタータ《嘆きの歌》

ソプラノ:クリスティーネ・シェーファー
アルト:イリス・フェルミリオン
テノール:ミヒャエル・ケーニヒ
バス:マルクス・ブリュック
指揮:ウラジミール・ユロフスキ


 ウラジミール・ユロフスキは、すでに2003年にベルリン・フィルにデビューしていますが、2回目の客演となる今回の演奏会では、マーラー初期のカンタータ《嘆きの歌》を指揮します。ロンドン・フィルの首席指揮者として成功を収め、現在飛ぶ鳥を落とす勢いの彼の演奏に期待したいところです。
 なお放送2日前より、こちらからリハーサルの模様が無料でご覧いただけます。

放送日時:6月13日(月)午前3 時(日本時間・生中継)

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 読者アンケート:ベスト・マーラー録音はこれだ 結果発表!

バーンスタインが3作品で第1位。他の曲でも常に3位以内にランクイン

 第38号から約1ヵ月にわたって実施しました読者アンケート「ベスト・マーラー録音はこれだ」の結果を発表いたします。応募総数は104通。ご協力いただきました読者の皆様に深く感謝いたします。
 各曲の第1位は、以下の通りになります:

第1番:ワルター/コロンビア響(19票)
第2番:メータ/ウィーン・フィル(15票)
第3番:バーンスタイン/ニューヨーク・フィル〔DG〕(16票)
第4番:アバド/ウィーン・フィル(15票)
第5番:バーンスタイン/ウィーン・フィル(18票)
第6番:テンシュテット/ロンドン・フィル〔1991年ライヴ〕(16票)
第7番:クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア管(13票)
第8番:ショルティ/シカゴ響(23票)
第9番:バーンスタイン/ベルリン・フィル(19票)
第10番:ラトル/ベルリン・フィル(30票)
大地の歌:クレンペラー/フィルハーモニア管(21票)

 結果の詳細、分析は、こちらをご覧ください。

「読者アンケート!ベスト・マーラー録音はこれだ」の結果を見る

 ベルリン・フィル演奏会批評(現地新聞抜粋)

佐渡裕、各紙大絶賛!「ベルリン・フィルでのデビュー演奏会は、大勝利となった」
 佐渡裕のベルリン・フィル・デビュー演奏会は、各新聞より高い評価を得ています。ベルリンの批評家は、どんな演奏会でも何らかの批判を加えるのが一般的ですが、今回の記事には、批判的な点はまったく見られません。これは大変珍しいことだと言えるでしょう。佐渡はベルリンではまだ評価が固まっておらず、いわば白紙の指揮者ですが、ここまでポジティヴな評が出ていることには少なからず驚かされます。
 各紙に共通しているのは、「ベルリン・フィルが非常に献身的に演奏していた」という見方です。日本人には、これも嬉しい評ではないでしょうか(写真:© Peter Adamik / Berliner Philharmoniker。映像はリハーサルの模様)。

「京都生まれの日本人少年が、ベルリン・フィルを指揮する夢を抱くことは、この国で西洋音楽が占める位置の大きさを物語っている。ベートーヴェンはあらゆるところに溢れているのだ。
 今年、佐渡裕は50歳になった。そして彼が夢見たオーケストラでのデビュー演奏会は、大勝利となった。これは注目に値することだ。なぜならベルリン・フィルは、どのデビュー指揮者に対しても、これほど献身的に演奏するわけではないからある。同時に彼らは、クラウディオ・アバド指揮で4回演奏会を行なった直後にもかかわらず(注:5月13〜15、18日)、まったく疲れを見せなかった。これは日本とドイツの音楽家たちの、長年にわたる友好関係から来るものに違いない。
 ヴァイオリンの最前列には、コンサートマスターの樫本大進とダニエル・スタブラヴァが座っている。フィルハーモニー内部には、日本のプレス関係者のための集合場所があり、聴衆のなかには多くの日本人の顔が見える。佐渡はレナード・バーンスタインのアシスタントだったが、彼がショスタコーヴィチ〈交響曲第5番〉の鋭角的なリズムを激しく振ると、その足はレニーばりに飛び上がる。もちろんここで、『プラウダ』批判(1936年)以降の作曲家の政治的姿勢について、とやかく議論することも可能だろう。しかしこの演奏で重要なのは、オーケストラと指揮者が細心の注意をもって作り出す響きの密度である。オペレッタのようなワルツの愉悦、最高のピチカート、息の長いラルゴ。これは、力強さと内容の濃さに溢れた見事な解釈である。
 佐渡はまた、(コンサート前半で)武満徹の《フロム・ミー・フローズ・ワット・ユー・コール・タイム》(1990年)をベルリン初演した。ベルリン・フィルの5人の打楽器奏者が、チベットの旗の色の服を着て登場し、見事な技量を見せつけた。以前ベルリン国立歌劇場では、ケント・ナガノとペーター・ムスバッハが武満作品を用いて《マイ・ウェイ・オブ・ライフ》を上演したが、今回の作品には、それ以上の演劇的効果が含まれているように感じられた。フィルハーモニーの天井にウィンド・チャイムが吊られ、5色のリボンを用いて演奏される。そして小さな主題が展開され、様々な色彩を生み出す。これは響き、音、ソロ・フルート、ロマンティック・サウンドの総合であり、誰もが親しめる瞑想の音楽、ワールド・ミュージックであった(2011年5月22日付け『ターゲスシュピーゲル』ジビル・マールケ)」

「ショスタコーヴィチの〈交響曲第5番〉では、ほとんど聴こえないほどのピアニッシモと、体で感じられるほどのフォルティッシモが交錯していた。フィナーレのもったいぶった歓喜の音調については、一体誰が誰に対して勝ったのかが、常に問われてきた。作曲家はここでスターリン(の社会主義的リアリズム)に降伏したのか、それとも内心のプロテストに、新しい姿を与えただけなのか。いずれにしても、ここでは安易な伝記的、政治的な解釈は許されない。
 佐渡裕も、そのような安易な解決には陥らない。彼は極限的表現をするのにフィナーレまで待たず、冒頭からスコアのコントラストを解釈の主眼に置く。耳をつんざくような響きと諦観に対する溢れた嘆息、かきむしるような弦の叫びに対するピアニッシモのモレンドは、作品に内在する緊張感を強調した。
 ベルリン・フィルは、客演指揮者(佐渡)に献身的に従い、絶望、優しさ、反抗、苦しみ、嘲笑を圧倒的な激しさで表現した。第2楽章では、室内楽的、協奏的な表現力が冴え渡り、シニカルな喜劇性と暴力が隣り合わせになっている。第3楽章(緩徐楽章)では、緊張がほとんど耐え難いほどに高まるが、フィナーレの苦々しい凱旋行進曲は、狂おしい戦いが新たな姿を得ただけにすぎないのである。
 誰が誰に対して勝ったのか、という問いを立てることは、このような苦渋に満ちた勝利の前では、愚かしいとさえ言えるだろう。ホールを去る際、耳にはまだオーケストラの大音響が残っていたが、それ以上に我々の心は、この恐るべき演奏を前にして、愕然としていたのである(5月24日付け『ベルリナー・ツァイトゥング』アン・クリスティーネ・メッケ)」

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次号の「ベルリン・フィル・ラウンジ」は、2011年6月16日(木)発行を予定しています。

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