飯島奈美さん&糸井重里さん インタビューA
Monday, April 18th 2011

- --- こういったシリーズの場合、巻が進むとボリュームが減っていくことが多いと思うんですが、『LIFE』の場合は・・・
糸井:増えちゃったんですよね。2巻で、食べたいと思いつくものをだいたい全部出したつもりでいたら、出してから「あれ食べたっけ?」「そういえばあれも食べてない」って。それくらいみんなの思いつくおいしいものはたくさんあるんですよね。
- --- 『LIFE』はメニューの名前も楽しいですね。糸井さんが名付けたものもありますか。
そうですね。3巻では「ご家庭ステーキ」とか。
いま思い出してみると、「1巻目の帯はおにぎりにしよう」とかそういう時に俺が役に立ったんだよね。「料理料理した感じじゃなくて、おにぎりがいいよ」って。そういう時には、俺すっごいうるさいの(笑)。飯島:やっぱり糸井さんは色々と見てこられてますからね。
CMの世界でも、15秒のCMで料理が映るのは1秒くらいなので、そこで変わった料理を作っても、 観た人は、おいしそうって思う前に、なんだこれ?って思っちゃいますよね。
それと同じで、帯が創作的な料理の写真だったらよくわからないものになっていたと思うんですけど、「おにぎり」、「肉じゃが」だと、グっとくるものがありますよね。 みんなが味を知っているから「おいしそう!」って思いますよね。糸井:それが食べたかったんだよ!って言わせたいですからね。
- --- 3巻は「カツ丼がきたーっ。」ですね。
糸井:そう。待ってたんですよ、カツ丼。
- --- 初めて『LIFE』のレシピで作ったとき、馴染みのあるメニューなのに、とびっきりおいしく作れて本当に驚きました。
飯島:マカロニサラダとか、サンドイッチを教えてくださいって言われると、逆にハードルが高いんですよ。マカロニサラダなんて誰にでも作れそうだし、サンドイッチも何気なく作っちゃうものですよね。
糸井:そうだよね。それなりにおいしくできるもんね。
飯島:今までマカロニサラダって何が不便だって思ってたのかを考えたら、きゅうりが水っぽくなってしまうことや、具の大きさや切り方がバラバラだから、お箸でうまくつかめないことだなぁと思ったんです。それで、きゅうりの種を取ることや、にんじんやきゅうりもマカロニの長さと形にきることで取りやすく、食感も良くなったり。
教えてくださいって言われたからには、あぁそうなんだ〜って思ってもらえるような、何か発見がないとなぁと思って、じゃあおいしいマカロニサラダって何なんだろうって考えて、食べ歩きから始まったんです。
評判のいいお店を聞いて食べに行って、いいなぁっていうことは取り入れたり。付け合せのマカロニサラダが目当てでポークソテーとか食べに行くんですけど、その日に限ってポテトサラダだったりして(笑)。糸井:そういう話を聞くと、なるほどなぁ〜って思います。
やっぱり飯島さんがやったことだなぁってわかるようなことが、チラッ チラッって隠れているんだよね。で、それは食べた人以上に作った人にわかるんだよねぇ。 「ああこれだったのか!」みたいなね。カミさんもよく台所で言ってます。「あぁ!」って。飯島:『LIFE』を作ることになって基本的なことに改めて向き合って、すごい新しい発見があって『LIFE』を通して成長できたような気がします。すごく楽しかったです。
よく、子供を育てると親も同時に育つって言いますけど、私もそんな気がしました。糸井:『LIFE』は3巻セットでお嫁に行ってほしいっていうのが僕らの気持ちです。
- --- そうですね。『LIFE』があれば安心ですね。結婚した友達にもプレゼントしました。
飯島:『LIFE』を結婚のお祝いにプレゼントする方も多いみたいです。うれしいです。おいしいごはんを食べられたら旦那さんはうれしいから、家庭円満になりそうですよね。奥さんも褒められてうれしくて、また作るっていういい連鎖。それで幸せになってくれたら一番ですよね。
- --- では最後に、『LIFE3』の中から特におすすめのメニューを教えてください。
飯島:カツ丼ですね!ドーナッツもいいですね。
糸井:ドーナッツもいいねぇ。軽いんですよねぇ。 このドーナッツは、無重力ドーナッツですっ。
- --- 本日はどうもありがとうございました。

| 「揚げたて食べたいドーナッツ」「おみやげレモンパイ」(ともにLIFE3収載)、「なつかし蒸しパン」(LIFE1巻収載)。デザートも出来たてが運ばれてきました。そして試食会の予定にはなかったメニューも登場。当日の朝、飯島さんのお母様が摘んだ草で作ったという「よもぎ餅」。 |
- 新刊『LIFE3』 飯島奈美
-
フードスタイリスト飯島奈美さんの「食べておいしい、食べさせてうれしい、いっしょに食べる場にいてしあわせ」な料理。カツ丼、鶏のてりやき、ビーフシチュー、麻婆豆腐、春巻、かにたま、お好み焼き・・・。人生のなかで、何度も作りたい味がここにあります。
3年をかけたシリーズの完結編がついに完成。

-

[飯島 奈美]
東京生まれ。フードスタイリスト。
パスコ「超熟」のCMなど、広告を中心に活動。
2005年に荻上直子監督作『かもめ食堂』参加をきっかけに、映画のフードスタイリングも手がけるようになる。雑誌AERAで「セカイのきんぴら」、ほぼ日刊イトイ新聞で「LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。」他を連載中。
著書に『ほぼ日のレシピブック』『LIFE なんでもない日、おめでとう!のごはん。(1、2巻』(東京糸井重里事務所)、『シネマ食堂』(朝日新聞出版)、『飯島風』(マガジンハウス)などがある。

-

[糸井 重里]
1948年生まれ。コピーライター。「ほぼ日刊イトイ新聞」主宰。
広告、作詞、文筆、ゲーム製作など多彩な分野で活躍。
1998年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞 http://www.1101.com/」を開設してからは同サイトの活動に全力を注ぐ。
近作に『羊どろぼう。』『ブイヨンの日々。』『さよならペンギン』『黄昏』など。
- 関連サイト(外部サイト)

