無人島 〜俺の10枚〜 【the band apart編】

ROCK NEXT STANDARD

2011年2月23日 (水)

無人島

無人島 〜俺の10枚〜 【the band apart 編】

音楽好きには、超定番の企画“無人島 〜俺の10枚〜”!!なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらいます!ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別です!今回のお客様はthe band apart!

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the band apart

the band apart
荒井 岳史(Vo,Gt) / 川崎 亘一(Gt) / 原 昌和(Ba) / 木暮 栄一(Dr)

98年結成。2004年にそれまで所属していた大手インディーズメーカーを離れ、メンバー自らが運営するasian gothic labelでの独立を果たす。これまでにシングル5枚、アルバム4枚、ミニアルバム1枚、LIVE DVD3本、PV集1枚をリリースしている。自身のTOURでは両国国技館や幕張メッセでのLIVEを成功させ、会場の規模も相まってか完全に観る者を魅了し、国内では毎年数々の野外フェスに参加し、多くのアーティストとの共演を重ねながら自らのサウンドを確立してきた。さらに、レーベル所属のmock orangeとのアメリカTOURや、台湾でのLIVEを行う等、国内の活動に留まらず、ワールド・ワイドな活動も耳新しい。

 the band apart official site




the band apart
『Scent Of August』 / the band apart
[2011年3月2日発売]
ある音楽誌では現在の音楽シーンを紐解くキーワードとして「バンアパ以前、バンアパ以後」と表現される程、その音楽性がパイオニアとして多くのフォロアーを生み出してきたthe band apart。刻一刻と変化する音楽シーンの中でも、周りの状況に迎合することなく、自らの求めるサウンドを追求して来た彼らの5枚目となるオリジナル・フルアルバム。前作から約1年という短いスパンの中でも、凝縮されたバンド活動から生み出された全14曲の珠玉の名曲群は全て新曲、また良い意味で既存のthe band apartサウンドに対するイメージを裏切るものとなっている。

 the band apart『Scent Of August』特集ページ ---収録曲などはこちらから---


the band apart 木暮 栄一(Dr) が選んだ10枚!

    01.Pavement / 『Crooked Rain, Crooked Rain』

『Gold Soundz』が収録されている。彼らを発見したのはもう10年以上前で、歌詞や演奏にものすごく影響を受けたと思う。欧米の僕と同じくらいの世代のバンドのインタビューを読んだり、その音楽を聴いたりすると、やはり彼らの影響というのは大きかったのだなと感じます。Mock Orangeしかり。
 

    02.DAZZ Y DJ NOBU / 『Diary』

各曲ごとのなだらかな起伏、そして全体を通して一つの流れがある穏やかなアルバム。電車や車での移動が長いときは大抵持って行くが、無人島ではどうなんだろう。歩幅で島の外周を測定する時とか・・・しかし、いつの間にか持っていかれて歩数を忘れたりして。夜が明けるタイミングで最終曲を聴きたい。
 

    03.NAS / 『illmatic』

16歳で聴いた当初は、当時のNYの名プロデューサー達のトラック群とNASのフロウを音的に楽しんでいただけでしたが、歌詞を読んでかなりの衝撃を受けました。このアルバムがなかったら、ラップの詩的表現の面白さに気づくのにもう少し時間がかかったと思います。そういう意味ではMSCの「Matador」やブルー・ハーブ の「未来は俺らの手の中」も同じです。
 

    04.Hermeto Paschoal(Hermeto Pascoal) / 『Musica Livre De Hermeto Paschoal』

YOUTUBEで観た、川の中で弟子(?)たちと空き瓶で合奏していた曲がとても良く買った一枚。西洋ポップスとそれに倣った日本の音楽に耳慣れていた二十代の僕の頭に激しい打擲を・・・と大袈裟に書くにはメローな曲が多いが、このアルバムを入り口に素晴らしい音楽をたくさん見つけることができた。無人の島にさぞ似合うことだろう。
 

    05.ゆらゆら帝国 / 『空洞です』

様々な雑誌の「2000年代ベストディスク」特集などで、このアルバムが挙げられていないことの方が少なかった、一つの色のバリエーションのような10曲。対象における様々な角度からの観察のようにも聴こえます。しかし、アルバムを通して聴いたときの最終曲「空洞です」から滲んでくる、この音楽の外見とは間逆のベクトルにある、製作者の知的な態度に隠されたエモーションに静かに感動してしまう。うーん良いアルバム。
 

    06.THE DRUMS / 『Summertime! e.p.』

全曲を通してキャッチーでシンプル。なのに何故か、最初から誰かに聞かせることを放棄しているような、ある種の諦めを感じる不思議な音楽・・・のように感じることもあれば、過去のアメリカン・ポップスのハイプなアップデート版、または様式美的ホラーが孕むスイートネス、クラスのアイドルの腐乱死体のような・・・何にせよ、好みの音楽であることに間違いはないです。ライブでの歌い方がうける。
 

    07.Sufjan Stevens / 『illinoise』

近作も良いけど、何度も聴いてしまうのはこのアルバム。特化したテーマの下で作られ、そしてとても普遍性があるように感じます。Casimir Pulaski Day、Decatur、Chicago といった曲を聴きながら昼間の西武新宿線に乗っていると、車窓に流れる郊外の冬の風景が時間の経過を忘れさせてくれ、あっという間に拝島。
 

    08.Weather Report / 『Weather Report』

シカゴのレコード屋で3ドルで買ったなー。ウェザー・リポートと言えばジャコ加入後の方が有名だと思いますが、僕はこの1stアルバムが一番好きです。妄想力のスイッチが入った夜に一人で聴きたいレコードのうちの一枚。深夜にツアー先の見慣れない街を徘徊する時とか。レコード屋で働く友人に「あー、あのクソ盤 好きなの?」と言われたことも忘れられません。
 

    09.Ducktails / 『Ducktails III: Arcade Dynamics』

まだそこまで聴き込んではないですが、最近知った中では一番よく聴いています。killin the vibeという曲が好き。チルウェーブ周辺を批判する海外の記事として「政治性のかけらも無い」という趣旨のものがよく目に付きますが、議論を呼んでしまうほどの逃避的態度は、また政治的でもあるなと思ったりします。やってる奴は何も考えてないと思うけどね。
 

    10.白木秀雄 / 『祭りの幻想』

ライナー・ノーツを読む限り、もう少し時代背景や時系列を仕入れるとまた面白い聴き方ができたりするんだろうけど、現時点では早逝の才人、アート・ブレイキーの来日公演に衝撃を受けこのアルバムを製作、ということぐらいしか知らない。しかし、当時の録音状況が逆説的に強調する、全体を覆う漂白感と端正なドラミ ングはいつ聴いても心地いいです。無人島で故郷を偲びます。
 

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