Quiet Corner クワイエット・コーナー Vol.5

Quiet Corner クワイエット・コーナー

NYアンダーグラウンドに咲く個性溢れる仇花たち

今も昔も、強烈な個性と逞しい生命力を宿す、NYアンダーグラウンド・シーンは、常に我々を興奮させてくれる。この非常にタフな世界の中で、大きく常軌を逸しながらも、自己を開放し、強烈な個性を一貫して保ち続けている才人達。ジャズ、ラテン等、様々な音楽を吸収/消化しながら、スピリチュアルでロマンティシズム溢れる音楽を、夢物語の如く甘美なメロディで奏でつつも、癖のある音塊をふいに織り込ませる、キップ・ハンラハンもそんな一人。もう一つの『Beautiful Scars』とも言える新作においても、それは健在だ。決してルーティンに陥らないスタイルではなく、感情から生まれる極上のテクスチャー。盟友ブライアン・イーノが手掛けたシーンの仇花として咲き続ける『No New York』さながらの、キップならではの世界観を感じさせてくれる。その『No New York』にDNAで参加しているキップ作品の常連でもあるアート・リンゼイも同様だ。いびつさと叙情を備えた、ノイズの向こう側を超えたアート流のブラジリアン・ミュージックは、DNA、ラウンジ・リザーズ、アンビシャス・ラヴァーズ、そしてソロ作品においても常に新たな発見を与えてくれる。様々な分野で鬼才ぶりを確認できるヴィンセント・ギャロも、NYの懐の深さを感じさせてくれる。温もりと刹那感が絶妙な配分でブレンドされた、ギャロの奏でる音楽の立ち振る舞いは、一人の人間が背負う業が成せるものというより、まるでNYアンダーグラウンドに生きるアーティスト達の業そのものに相応するのではないかと言ったら、言い過ぎだろうか・・・。
文●栗田直樹

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