震災以降、パンクとはなにか、ロックになにができるかを自問自答し続けたKen Yokoyama。Ken Bandに新ドラマーを迎えての通算5枚目は、これまでのこだわりをぶち壊し、優しくなれ、プライドを持て、ひとつになって闘おうと声高にうたう、愛と希望のプロテストアルバム。キャッチーなメロディと重なった力強いメッセージに、否応なく奮い立ってしまう。カヴァー曲のセンスのよさは相変わらずで、誰もが知るスウィートなスタンダード曲“愛の讃歌”で最後を締めくくる流れは秀逸。最高にダサくて最高にカッコいいパンクアルバムだ。

Supeのkihiro（vo）と元SEX MACHINEGUNSのKEN’ICHI（ds）がタッグを組んだ新バンドの初フル作。跳ね感のあるソリッドなヘヴィロックにプログラミングを噛ませたスタイルで、STATIC-Xあたりを彷彿とさせる部分も。ただダークネスや邪悪さはゼロで、とにかくアッパーかつハイテンションにまくしたてる。かといっていわゆるチャラいだけのピコリーモ勢とも一線を画す、芯の太さがある。豊かなバックグラウンドに裏打ちされたニュータイプ・ヘヴィロックがここに。

メタル界の野性児の異名を取るMACHINE HEADの通算2枚目のライヴアルバム。今回は2枚組で様々な会場から音源を集めて構成されている。とにかく暑苦しさ、うるささ、重さすべてにおいて10割り増しな圧倒的テンションのライヴに驚くばかり。いろいろな会場から音源を集めているが、きれいな流れができるように編集されているのもうれしい。来日はいつですかねぇ。

泣く子も黙るRAGE AGAINST THE MACHINEのデビュー作が20周年を祝してリイシュー。全曲リマスタリングのほか、限定盤にはライヴ音源や映像、バンドが契約を獲る前に作ったデモ音源までありと大盤振る舞い。よほどのことがない限り、いやなくても限定盤を手に入れるべし。やっぱすげえや、これ。

キャリア初のライヴDVD。引き込まれるようなパフォーマンスと、まさに“カオス”な盛り上がりが臨場感たっぷりに収録されている。特典ディスクでは「こんなのやってみたかった！」とメンバー全員が体を張ってふざけまくっている（笑）。本編とのギャップに気が抜けるので要注意！さらに各メンバーのロングインタビューや“Amy”のコミックが読める書籍など、多様な角度からSiMを楽しめるボリューム満点な作品だ。

NIRVANAのカート・コバーンをビビらせた、シアトル産グランジ／オルタナの最強バンドの復活作。 解散とそれぞれの活動を経ての再結成第一作だ。グランジ全盛期のヘヴィネスや激しさはもはやないが、 代わりに円熟味、繊細さ、深みを感じさせる作品になっている。一糸乱れぬグルーヴ、繊細なメロディ、 余裕を感じさせる空気感など、渋みのあるハードロックとして、新しい感覚で楽しめる。

いつのまにかリバウンドしたチノ・モレノ（vo）と脱力するタイトルで「おいおい…」と思った人も多いだろうが、 このDEFTONESの7作目、また素晴らしい出来だ。ズッシリとした重量感はそのままに、よりアンビエンスを活かした サウンドだ。チノのヴォーカルも抑揚が大きくなり、過去最高に豊かなメロディを感じさせてくれる。 ヘヴィネスと幻想的な空間美を見事にマッチさせた、これまでの集大成的に響く意欲作だ。