Quiet Corner クワイエット・コーナー Vol.1
心を鎮める音楽 〜クワイエット・コーナーを探して〜

Quiet Corner クワイエット・コーナー

静かなる音楽のマエストロ、カルロス・アギーレ

心を安らかに鎮めてくれる音楽が求められた、2010 年の“静かなる音楽のムーヴメント”。今は無きHMV 渋谷店のコーナー「素晴らしきメランコリーの世界」は、シーンの一端を担うことが出来た。そのジャンルや国境を越えて展開された“ある種のテイスト”の精神的な支柱となったアーティストがカルロス・アギーレだ。彼はピアニスト/ ギタリスト/ 作曲家/ 詩人という多彩な才能を持つ、現代アルゼンチン音楽シーンの重要人物である。その徹底的な哲学と美学に基づいた豊かな音楽性は、トラディショナルなフォルクローレを基礎としながら、ブラジル音楽やジャズやクラシックのエッセンスを織り交ぜ、時に静かに時に躍動感に満ちたイマジネイティヴな魅力がある。このようなカルロス・アギーレのジャンルレスな音楽性は、アントニオ・カルロス・ジョビンやパット・メセニーやキース・ジャレットなどの作品と並べることが、最も説得力のある紹介となるであろう。こうしたカルロス・アギーレの音楽はごく一部の熱心なリスナーの間でしか知られていなかったが、徐々に全国へと広がって行き、ファースト・アルバム『Crema』はハンドメイドのオリジナルを忠実に国内盤化がされ、昨年10 月には奇跡の初来日を果たし、多くの感動を与えてくれた。「音楽は人と人との出会いの可能性を広げるもの」と語ったカルロス・アギーレ。彼の奏でた美しき音楽の波紋は2011年も静かに広がっていくことだろう。
文●山本勇樹
写真●三田村亮
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※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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