1999年、世はまさにヒップホップ戦国時代。毎週のように新たな刺客が全国
各地から刺激的な作品をリリースし裾野を広げつつあった当時、いわゆるハードコアな側面を切り落とし、それまでのヒップホップのパブリック・イメージを大きく覆すような文学的かつ美しい楽曲からトリッキーかつアグレッシヴな楽曲まで、音楽ジャンルで言うところのヒップホップというカテゴライズを自ら拒むような変幻自在の楽曲と芯の通ったメッセージで、アンダーグラウンドのみならずオーバーグラウンドまで一発も二発もかました、まさに“クラシック”と呼ぶに相応しい大傑作。同時代的に札幌から放たれたTHA BLUE HERBの『STILLING,STILL DREAMING』と共にヒップホップをネクストレベルへと押し上げた重要作。