第九の達人に聞く本番の迎え方
「聴くんじゃない!感じるんだ!!」
では実際に第九に行く人ってどんな人? 第九歴10年の達人ジローさんにインタビュー。
第九に行くようになったきっかけと初めての第九体験、そして熟練の第九鑑賞ポイントを教えてもらいました!
ジローさん(仮名)
37歳男性
家族は妻と3歳になる一人息子
付き合って5年目の時に一緒に第九演奏会へ
それ以降年末の第九は恒例行事に
Q. そもそも一番最初のきっかけは何だったのでしょう?
職場の上司から招待状を譲ってもらったのがきっかけですね。
取引先の方からいただいたものだったのですが、何しろ12/24のクリスマスイブの夜だったから、上司がどうしても家族サービスを優先せざるを得なくて。
「いやいや僕にも彼女が・・・」と言いたかったのですが、取引先からいただいたこともありほぼ業務命令でしたね。
でも彼女を誘ったら意外と喜んでくれて、クリスマスはノープランだったので実は助かりました(笑)。
Q. ジローさんはそれまでクラシックコンサートへ行ったことありましたか?
もちろん全くありません(断言)!
クラシック音楽というものを意識して聴いたのは、中学校での授業が最後だと思います。
でもさすがにベートーヴェンは知っていましたし、「第九」もテレビとかで良く聴くあれだよねっていう認識はありましたよ。
Q. 初めての第九体験はどうだったのでしょうか?
まず人の多さに驚きました!自分の全然知らない世界だったので、ものすごいアウェー感満載でしたね。
想像していた通り、何となくみんな上流階級的なキラキラしたものを感じました(笑)。
でも一番びっくりしたのは、自分が思っていた「第九」じゃなかったことですね!とにかく長い長い!!
合唱曲だと思っていたのに、全然合唱団の人が歌わないからどうなってるんだって思いました。全然知らない曲でついついウトウトと・・・
Q. やっぱり寝落ちしてしまったのでしょうか・・・
皆さんのご想像通り爆睡です(笑)。でも第4楽章の出だしでびっくりしてガクッ!ってなったのは本当に恥ずかしかったです・・
そこからはさすがに目覚めて、合唱団も立ち上がって途中で知っているあのフレーズも出てきて最後まであっという間でしたね。
なんか呆気なくてびっくりしたのと同時に、やっぱりクラシックって難しいし辛いなっていうのが本音でしたね。
Q. でも不思議なことにそこからジローさんの第九人生が始まったんですよね?
そうなんです、意外なことに彼女が翌年も行きたいと言い出したんですよ。
やっぱりなんかあの日常のにはない特別感が、女性には大ヒットだったようで・・・男性の方参考にしてください(笑)。
今ではあの時の彼女も妻となり、子どもも生まれ、「家族とともに第九あり」という感じですね。