多作家で知られるゲオルク・フィリップ・テレマンは、ハンブルク市の音楽監督として知名度を誇るだけではなく、その作品が当時の貴族や富裕層の人々から愛されていたためか「結婚式のための音楽」の作曲家としても大きな需要があり、「愛」や結婚に関する作品も多く残しました。
このアルバムに収録された1曲目のセレナータ(バロック時代、主として祝賀の行事に演奏された1幕もののオペラを指す)『愛、愛よりも美しいものなどない』は、ソプラノとテノールが結婚の有用性について論争するという歌詞に活気に富んだ音楽をつけており、テレマンの全ての作品の中でもとりわけ独創的で機知に富んだ音楽の1つとされています。他には愛の不可思議さについて自由なテキストで歌うテノールのソロ・カンタータ『私は愛したいのに』と、結婚式の饗宴のための『女性の地位』も収録。若い花嫁が抱く結婚生活への期待が明るいトーンで歌われます。
テレマン演奏のオーソリティ、ミヒャエル・シュナイダーとラ・スタジオーネ・フランクフルトのバックで、キルヒナーとポプルッツが見事な歌唱を聴かせます。(輸入元情報)
【収録情報】
テレマン:
1. 結婚式のためのセレナータ『愛、愛よりも美しいものなどない』 TWV.11:26〜ソプラノ、テノール、オーボエと弦楽合奏のために
2. 6つのカンタータより第5カンタータ『私は愛したいのに』 TWV.20:21(ハンブルク、1731)〜テノール、オーボエ、弦楽合奏と通奏低音のために
3. カンタータ『女性の地位』 TWV.20:49〜ソプラノと弦楽のために
ユリア・キルヒナー(ソプラノ:1,3)
ゲオルク・ポプルッツ(テノール:1,2)
ラ・スタジオーネ・フランクフルト(古楽器使用)
ミヒャエル・シュナイダー(指揮)
録音時期:2019年5月10,11日
録音場所:ドイツ、Pallas der Wartburg, Eisenach
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)