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4 people agree with this review 2011/05/05
1929年の生まれでしたから、存命であれば80を越えて確実に大家、巨匠として、音楽界に君臨していたであろうと想像すると、本当に惜しまれる才能でした。 デッカではウィーンフィル、ロンドン交響楽団などと録音を残していますが、いずれも録音の優秀さと演奏の素晴らしさとで、がっかりする事のない名盤ぞろいです。 シューベルトの交響曲全集は、彼の瑞々しい音楽作りがシューベルトにとても相応しく、何回聴いても感銘を受ける事間違いありません。この価格で手に入るのですから、是非手元に置いておきたい全集ですね。
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1 people agree with this review 2011/05/05
ファジル・サイ氏を評して、乱暴とか非難する人もいるようですが、私は断固支持したいと思います。 これほど生き生きとしたベートーヴェンも珍しいです。 この人はレパートリーの広いタイプではなく、充分な研究を積んだ上で公に披露するという人なので、意外に少ないレパートリーでコンサートを行っているように見受けられますが、ひとたび舞台にかけると、それはそれは即興性溢れた、音楽の喜び一杯の表現を聴かせてくれ、大きな感動を与えてくれます。 このベートーヴェンも全く正統的かつ品格のあるもので、そこに込められた個性的な息吹きは、とても魅力的です。 デビュー作のモーツァルトに及ばないものの、その魅力は十二分に発揮されています。
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5 people agree with this review 2011/05/05
youtubeでもいくつかの演奏を聴く事ができます。 率直に言って、宇野先生にはオーケストラには手を出して欲しくなかったと思いました。 女性合唱の指揮ではとても美しい演奏を聴かせて下さったことを覚えておりますので、残念です。 この人の眼中にはアゴーギクが筆頭にあって、音楽に大切な心からの歌に欠けているようです。それに安定したテンポ感にも欠けていて(いわゆるイン・テンポという意味ではなく、音楽の自然なテンポ感ということです)、音楽の自然な流れを堰き止めてしまうテンポダウンなどは、全体の造形にも悪い影響を与えていて、心からの感動には繋がらないといった思いを持ちました。これはおそらく楽団員もそういうことでの共感不足というものもあったのではないでしょうか。アマチュアの団体を指揮したものとはあきらかに違うしっかりとした響きは有りましたが、感動とは程遠いものとなりました。
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ジャケットも美しいですが、その演奏もとても美しいものです。 楽器をガット弦に替えて、いわゆる古楽器のスタイルで演奏しているものですが、とても素晴らしい演奏になりました。 音楽が今まさに生まれんとする即興性と、一期一会の情熱と集中力によってもたらされる感動は最高のものとなりました。一音一音を慈しみ、心を込めた歌は、私たちの心に深く染み込んでくるものです。 古楽器スタイルでも難なくこなしてしまうその技術も素晴らしいですが、なによりその作品の本質を的確に捉えて、自由奔放な演奏であるにも関わらず、(いや、だからこそなのか)大きな感動を与えてくれる最高の音楽性には、心の底から感動いたしました。 特に、センシブルなロマンス第1番はこの作品の最高の演奏と申せましょう。
ファジル・サイ氏とパトリシア・コパチンスカヤさんはとても相性の良いカップルです。即興的で自由な演奏のコパチンスカヤさんにはファジル・サイ氏しか考えられないくらいです。 ベートーヴェンでの強いアクセントなどの表現は、あくまで作品の素晴らしさを伝えることにしか機能していなく、全く恣意的なところは感じられません。このことは、収められた全ての作品に言えることで、個性的な表現は全て作品に捧げられているものなのだと感じられることでしょう。 ひときわ個性的な二人の音楽家が作り出す、素晴らしく感動的な音楽を是非多くの人に味わっていただきたいと願っています。
コパチンスカヤさん一家の演奏する、出身地モルドヴァに近いところの音楽を集めたもので、とても楽しめるものです。 しっかりとした技術と、何よりその音楽に対するハートの熱さがよく伝わるものです。ジャケットの解説書にあるいくつかの写真も興味深いものですし、ご自身の語っている部分も魅力的なものです。 youtubeでその映像を見ることができます。
0 people agree with this review 2011/01/25
レオンカヴァルロの珍しい作品ですが、このCDは交響詩のほかにランランのピアノ伴奏の歌曲、最後にピアノソロが2曲という構成がなかなかしゃれていて楽しめるものです。アルベルト・ヴェロネージ指揮のボローニャのオーケストラも力を込めて演奏しています。リーフレットにヴェロネージの紹介がないのが片手落ちですが…。 12曲からなる交響詩は所謂連作型ではなく、ひとつの楽曲がいくつかに分かれているといった趣きです。テノール独唱付きの部分とオーケストラだけの部分が交互に演奏されていく作品で、詩はフランス語で歌われ、ドミンゴの安定した歌唱が聴かれます。個人的には、ピアニッシモの情感などにいまひとつの深い表現を求めたいと思うのですが、初めて録音された(と思われる)作品としては充分に質の高い演奏となっています。これはヴェロネージ指揮のオーケストラの充実した演奏によるところも大きいです。 歌曲はランランの輝かしいピアノがこれまた魅力的で、トスティのように親しみやすい歌曲です。ピアノソロもこのCDを締めくくるのにふさわしい作品で、とても品のよい素敵なCDです。
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3 people agree with this review 2010/08/04
出だしのプレリュードのスタッカートな弦の表現、木管の美しいレガート、ここでもうこの演奏の虜になります。 「アルルの女」の第1組曲と第2組曲との間に「子供の遊び」とカルメン組曲とを挿入する構成もとても素敵です。第2組曲のインテルメッツオのサクソフォーンをトランペットで演奏させているのもとても味わい深いものがあります。他の誰とも違った、それでいてとても音楽の真髄に迫った演奏は、多くの人に聴いていただきたいと思う演奏です。
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1 people agree with this review 2010/05/23
ザルツブルグ音楽祭でのライブ録音でモノーラルなのだけれど、音質的には鑑賞に何ら支障はありません。それよりも大きな感動を得られること請け合いです。出だしの序曲を省いた開始は、拍手が鳴り止まぬうちに嘆きの音楽が流れ出し、一気にカラヤンの音楽世界に引き込まれます。 この演奏の魅力を感じるには、たとえば、第2幕の冒頭や同じ幕の第2場のバレエ音楽などを聴くとよくわかります。この部分のこんなに早いテンポは聴いたことがありません。また、金管の強奏、美しいフルートの調べなどカラヤン一流のめりありのある音楽作りによって、この作品の最高の名演となりました。この演奏を聴くと、序曲は必要ないと思えてきます。 今後はトーマス・ヘンゲルブロックに期待したいと思います。(DVDは出ているようですね。)
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