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TOP > My page > Review List of les_chaumes
Showing 1 - 7 of 7 items
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2 people agree with this review 2020/04/11
もしかしたら、誰だこのおばちゃんは、と思う人が多いかもしれない。オランダ・ハーグの王立音楽院でビルスマに師事し、現在同音楽院の講師であり、オランダバッハ協会でチェロのトップ奏者を務めている、バロック・チェロ演奏の最前線にいる人である(2018年にバロック・ヴァイオリンの佐藤俊介氏が同協会第6代芸術監督に就任している)。 スワルツ氏は、ピート・ロンバーツという製作者による、ちょっと珍しいチェロ(1705年頃のもの)を駆使して、甘い豊かな響きの演奏を聴かせてくれる。YouTubeオランダバッハ協会チャンネルを視聴した時、けっこうな御年輩でいらっしゃる見かけを裏切る、美しく闊達な演奏に驚いた(バッハ無伴奏第1番)。誰だこのおばちゃんは、と思ったのである。それで調べてみると、無伴奏のCDをリリースすると知り、待ちかねて購入。愛情をこめて古い楽器を使う彼女の、潤いと暖かみのある音色がゆったりと豊かに響く演奏である。とくに聴きどころは第4番変ホ長調。スワルツ氏の美質が存分にあらわれた、歌うような語りかけるような、情感豊かな演奏にしみじみする。是非、多くの人に知ってほしい録音だ。
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日本での知名度の低いのが非常に残念。ミメ・ヤマヒロ氏は、当代最高のバロック・チェロ奏者の一人である。とくにこのバッハ無伴奏は入手を楽しみにしていた。教会の響きも良いし、バロック・チェロの深く、直截な響きが自由自在に操られていて、隅々まで楽しめる。かつてビルスマが弾く無伴奏の、ロマン派的な重厚な叙情がすっかり振り払った演奏が登場したときは度肝を抜かれたものだが、正直のところ、あまりに骨組みだけを残したような枯れた音には違和感をぬぐえなかった。それが、ピリオド楽器で、ピリオド奏法で、こんなにも豊かな叙情にあふれた、しかもロマン派的な重みの振り払われた演奏が可能になるとは、隔世の感を禁じ得ない。曲の解釈には人それぞれ異論もでるだろうけれど、この完璧なテクニックと豊かな音色で編み上げられた世界観を万人に味わってほしいと思う。
1 people agree with this review 2020/04/11
クリアで生々しい音質が復刻されていて素晴らしい。1949年、1962年、1964年のスタジオ録音が収録されている。 1949年録音は、時にやや生硬さや音程に不安定な面を感じさせる場合もあるが(録音の問題?)、シューマン:幻想小曲集はみずみずしい好演だし、コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタはシュタルケルに比肩されるド迫力で驚き。対して、62年・64年録音では、完璧なテクニックと脂の乗り切った自由闊達な演奏を聴ける。この頃から70年代前半にかけて(50代の頃)がトルトゥリエの最盛期ではないだろうか。一晩の聴きどころはフォーレ:チェロ・ソナタ第2番(1964年)かと思う。ローター・ブロダックのピアノも素晴らしい。同曲のジャン・ユボーとの共演(1962年)、エリック・ハイドシェックとの共演(1974年)と比べても優秀な録音ではないだろうか。私はこの64年録音が一番好みだ。いつも直球勝負のトルトゥリエがこの曲ではフランス近代象徴詩のような揺れ動く空気感をあらわしていて、それがブロダックの当意即妙のサポートと絶妙に絡からんでいる。同時に録音されたフォーレ:パピヨン(蝶々)のめくるめくテクニックがまた、まぶしい。 大変楽しめる、聴くに値する録音集だと思う。
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0 people agree with this review 2020/03/21
1981年録音のシギスヴァルト・クイケンのバッハソナタ集を聴いた時の衝撃は忘れられない。まだピリオド楽器には馴染みがなかく、こういう音色、こういう奏法があるのかと、その清新な美しさに驚いてとりこになった。この、弟子の寺神戸氏の演奏は、師を思わせるフレージングにあふれており、しかしより丸みと繊細さのある、そして若々しい勢いのある演奏だと感じる。自然な残響をとらえた録音も師の録音とよく似ており、しかもこちらの方がよりしなやかな瑞々しさがある。どちらも美しく、師弟の録音に甲乙つけがたい。
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0 people agree with this review 2020/03/06
生身の藤原真理さんが目の前で弾くのを聴いているようななまなましい空気感を感じられる良い録音です。全体に、落ち着いたテンポで一音一音噛みしめるように演奏されていると感じます。と言って、重いのではなく(むしろ風が吹くように爽やか)、一つ一つの音の意味が考え抜かれていて味わい深いということです。バッハの無伴奏は、各音の意味を考えず(と感じられるように)演奏されると、技巧的に完璧でも退屈します。その対極にあるのが、例えばこの演奏でしょう。音の出し方も好み。低音は飾り気なく実直に深々と、高音は花が咲くようにやわらかに空中に溶けていく。ちょっと聴くつもりが、つい惹きこまれてしまう演奏でした。
1 people agree with this review 2020/03/06
ピアティゴルスキー40代の録音を中心とするコレクション。この頃が全盛期と思われる。圧巻はやはり、ヒンデミットのチェロ協奏曲で、弾けるような輝かしく豊かな音とめくるめくテクニックが眩しい。1943年なので楽器はロード・アイレスフォード(1946年からの所有と言われている)ではないはずだが、本当に素晴らしい音色だ。 同じころの録音と思われるボッケリーニのソナタも大変美しく、テクニックも完璧。一方、1930年代に録音されたベートーヴェン、ブラームスのソナタは今一つ伸びやかさを欠く感じ。楽器か録音のどちらかに問題があるのかもしれない。 驚いたのは1920年代の録音集が、大変クリアな音質であること。リマスター技術の成果だろうか(別の演奏家のヴァイオリン演奏が2曲混じっているのはなぜだかわからない)。20代のピアティゴルスキーの演奏レベルの高さがわかる。 ボーナスDVDは、以前VHSでハイフェッツの映像とカップリングされて発売されたもの。ショパンのチェロソナタ2楽章など聴き惚れる。通俗的な曲でも、ピアティゴルスキーの目もくらむようなテクニックを目の当たりにできる演奏があり、貴重。
0 people agree with this review 2013/03/21
ストラディヴァリウスの美音がくっきりとらえられた81年6月の録音。晩年のジャンドロンが日本で行った録音の多くは現在流布していないが、これは貴重なその一枚。一連の日本録音では、やや古びたヨーロッパ録音とは違う、現代の耳にもさほど違和感のない音色を聴くことができる。このCDではややオンマイク気味の収録がされている。 序奏と華麗なポロネーズは、ジャンドロンの美質がよく出た好演。この曲はジャンドロンのアレンジ版がもっとも華麗で輝かしく、しかし難技巧を要する。他の版は比較的に易しいが、ジャンドロン版を聴いた後ではやや退屈に感じられる。これを難なく弾きこなしたジャンドロンの技術水準の高さをうかがわせる。 音楽雑誌などには、ジャンドロンには技術的な問題があった、などと書く人がいるがとんでもない。14歳でニース音楽院を首席で卒業、その後パリの国立高等音楽院も首席で卒業した俊才だった。自分で楽器を弾く人で、ある程度年配の方なら、ジャンドロンの天才ぶりはよくご存じだろう。ただ、芸術家肌で、特に中晩年は麻薬中毒に苦しみ、演奏にムラはあったようだ。また、なぜか現在流通している録音には、表面的にきれいだが何の感慨ももたらさない類の、ハズレ録音が多いように思う。 絶頂期のジャンドロンの演奏、例えばマラン・マレの「ラ・フォリア」の録音などは、神がかった美音、高貴さ、高邁さ、めくるめくテクニック、命に訴えかけられるような荘厳な力強さがあった。しかしCD未発売なのが不思議でならない。 このCDでは、やや(あくまで「やや」、微妙な範囲で)音程に不安定な個所は散見されるものの、上記ポロネーズも、チェロ・ソナタも、他の演奏家たちの録音の中に並べても上位に位置するだろうと思う。最上の録音ではないが、ジャンドロンの音色と品格ある演奏スタイルを、現代的な録音で聞くことができる点で、お薦めできる。
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