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Review List of すばる 

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     2013/08/12

    この演奏は、私が今まで聴いてきた「第九」の中では一番です。カラヤンの他の「第九」のたいていは、ウィーン楽友協会合唱団が起用されているので、合唱が上手とは言えず、聴き応えがありませんが(第1~3楽章は素晴らしい)、この演奏は違います。なぜなら、この演奏の合唱には、ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団が起用されているからです。第1~3楽章は、他の演奏と同様大変素晴らしいですが、やはりこの演奏が1番です。カラヤン&ベルリン・フィル全盛期の素晴らしいパフォーマンスを視覚でも堪能出来ますので、DVDでのリリースは大変嬉しいです。そして、なんといっても第4楽章、声楽が加わるまでのレチタティーヴォの部分も、低弦のうねるような響きにライブならではの熱い表現を感じます。歓喜の主題をトゥッティで演奏する箇所などは、舞い降りてくる光のような神々しさがあります。合唱も、さすがプロの合唱団は違います。歓喜の主題を歌い上げる箇所も素晴らしいですが、それよりも、二重フーガの部分には無限に広がる宇宙を感じずにはいられません。もちろん、ソリストの面々も素晴らしい。ジョゼ・ヴァン・ダムの「おお、友よ!このような調べではない!」はあまりにも勇猛で、聴いているものすべてを納得させてしまうような力があります。ルネ・コロは終盤の四重唱の箇所で出だしを間違えてしまいますが、行進曲風の変奏の箇所が大変力強く素晴らしいので文句は言えません。女性陣も、アンナ・トモワ=シントウ、アグネス・バルツァと大変素晴らしいキャスティングで、綺麗に揃ったヴィブラートにうっとりとさせられます。最後の最後、プレスティッシモでは思わず感動の涙をこぼしてしまいます。演奏が終わるやいなや、もはや「雄叫び」と言っても良い、ブラボーとスタンディングオベーションの嵐、そして、カラヤンの大変満足そうな表情でのお辞儀・投げキッスが、この演奏の素晴らしさをありありと物語っています。カラヤン&ベルリン・フィルが好きな方はもちろん、「第九」ファンや、クラシックをあまり聴かない方にもおすすめの、「世紀の名盤」です。カラヤンの、発売されているライブ演奏では、この「第九」とベルリン・フィル100周年の「英雄」が特に気に入っています。ベルリン・フィル100周年の「英雄」の方も是非、ご堪能下さい。

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