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Review List of ♂猫Junn-Junn 

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     2016/12/19

    キューバ中東部地域に住むヘイティ系歌手達(女性6人、男性4人)
    の音楽グループ
    「The Creole Choir of Cuba」(ザ・クリオール・クワイア・オブ・キューバ)
    はキューバ国内では
    「Grupo Vocal Desandann」(グルポ・ボカル・デサンダン)
    と呼ばれてた音楽グループで、その彼らの音楽が
    キューバ音楽を探求していたカナダのJane Bunnettとコラボしてから、
    広く世界に知られるようになり、その後、
    英国のレコードレーベルReal World Recordsと契約して、
    「The Creole Choir of Cuba」
    というグループ名でアルバムを2枚出していて、
    コレは、その2枚目のほう2012年発売の「santiman」計15曲62分。

    確認してみると「santiman」(サンティマン)は、
    フランス語の「sentiment」に由来する
    Haitian Creole(ヘイシャン・クリオール語)の単語で、
    英語で言う「feeling , sentiment」<感情、考え、意見>の意味。

    先に、参考までに、NPRで、
    (このアルバムが創られる前の時点の)2012/02/06
    に公開された音源とビデオ
    「The Creole Choir Of Cuba: Tiny Desk Concert」
    3曲歌っていて12分弱、の内容…その内の2曲はこのアルバムの収録曲…
    途中(2曲目冒頭)で、
    視てるギャラリーの中の携帯の着信音が入っちゃってる部分が、残念だけど、
    まぁでもソレが生ライヴ映像っぽくも、あるかな…
    何にしても、ライヴパフォーマンス自体は、生命の息吹を感じる、
    って印象で一見一聴の価値あり。
    ソレを試聴または視聴してみて気に入る人であれば、
    この作品は、間違いなく、満足行くアルバムってことになると思います。


    CDのパッケージ内に、歌詞カードっぽい小冊子が付いてるな、
    と思って見てみると、
    メンバー全員10名の顔写真が各ページに1人ずつ写っている小冊子には、
    各歌の生の歌詞は記載されてなくて、
    …まぁ、どっちみち、18世紀のフランス語をベースに、
    ポルトガル語、スペイン語、
    エスパニョーラ島他現地の島々の先住民タイノ族の言語タイノ語や、
    アフリカから連行されてきた奴隷達の西アフリカの各種言語、
    という言語要素が入り混じって成立した言語であるヘイシャン・クリオール語
    の歌詞を記載されても、自分にはちんぷんかんぷん、なわけだけど…
    ちゃんと目を通すと、
    生の歌詞や英語の訳詞、ではなくて、
    英語で、各曲の簡易的な解説文が記載されてるな、
    ってことと、
    あと、グループのメンバーは10人、だったけど、
    このアルバムのレコーディングを2012年7月に英国のスタジオでやった後、
    メンバーの内の男性1人はお亡くなりになったようで、
    このアルバムは、その亡くなった仲間Dalio Arce Vitalに捧げる、
    と小冊子の最後のところに記載してあったり…
    というのもちょっと印象に残ったり。

    …ともかく、実際に曲を聴いてみて、全体的な印象としては、
    アフリカ由来の打楽器系ビートを基調とした民族音楽系コーラスと
    西洋(教会系)コーラスとの融合、みたいな曲が多くて…
    1つ1つの曲について全部書くと膨大になるので、
    特に個人的に印象深かった数曲についてだけ書くと…

    3曲目「Camina Como Chencha」(カミナ・コモ・チェンチャ/Walk Like Chencha)
    →音楽ジャンル的にはキューバのポピュラー音楽の1ジャンルであるワラチャの曲で、
     この曲は、がに股の少女を歌った歌らしい。

    4曲目「Fey Oh Di Nou」(フェイヨー・ディヌー/Oh Leaves Tell Us)
    →人々が集まり何某かの薬草と祈りとで神の力を呼び起こし、
     可哀想な男を治療しようとしているが、回復の兆しが全く見えず…
     …みたいな歌らしい…サンテリア音楽っぽい雰囲気だな、と思っていたら、
     やっぱり、そういう系統の歌だった、という感じ。

    5曲目「Simbi」(スィンビ)
    →民族音楽系コーラスと西洋コーラスが同時進行的な感じで曲が進み…
     途中、曲後半過ぎてからラスト直前までの、ピアノジャズとの融合、
     みたいな部分が印象深かった、かな…「Simbi」というのは、
     ヘイティのヴゥードゥー教での「澄んだ水の精霊」
     …この歌では特にその一族の女王、のことだとか…その女王が儀式に呼ばれたが、
     何だか分からない身の危険を感じて、行かなかった、という歌らしい。

    7曲目「Pale, Pale」(パレ・パレ/Talk, Talk)
    →雰囲気が満喫出来る10分のコーラス曲、パーレー♪パーレー♪って部分とか、
     ワーイワーイワーイワーイワーイワーイ♪
     みたいな耳に残るキャッチーなフレーズも何種類かあり印象に残る、
     あと、ラスト付近の鞭っぽい音とかも記憶に残るアクセントになっていたり…
     デュヴァリエ政権の独裁や圧政やその結果としてのヘイティ社会の混沌や人々の窮状、
     を歌ったプロテストソング、らしい。

    8曲目「Panama Mwen Tonbe」(パナマ・ムゥェン・トンベ/My Hat Fell Off)
    →終盤に加わるジャズトランペットが入ってからの盛り上がり、がいい感じ。

    11曲目「Pou Ki Ayiti Kriye」(プ・キ・アイティ・クリィユェ/Why Does Haiti Cry?)
    →他の収録曲と同様に民族音楽と西洋コーラスの融合系って印象だけど、
     美しいハーモニーの中にも、歌詞の言葉の意味は分からなくとも伝わって来る、
     彼らにとってルーツの国であるヘイティ(フランス語発音ではアイティ)への想いや
     メッセージ性を感じ取れる曲

    13曲目「Tripot」(トゥリポッ)
    →民族打楽器系&口三味線でのアフリカ系リズムに、歌声のハーモニーと、
     ゲストミュージシャンによるフルート音も加わった曲…
     アフリカルーツの音楽要素と欧州の音楽要素がヘイティで融合して出来た
     ダンス音楽ジャンルkompa(コンパ)のリズムを使った曲で…
     …皆のあれこれを何でも知りたがるゴシップ好きの男を、隣人達が拒絶した
     …という歌らしい。

    14曲目「Boullando」(ブーランド/Ball On My Back)
    →コレも民族打楽器系&口三味線でのアフリカ系リズムと歌声のハーモニー
     が心地よく、歌詞の意味とか分からなくても楽しめる曲だけど…
     思春期の少女が母の助言を聞かず妊娠してしまった話を歌っている、
     二重の意味(表の意味、裏の意味)を持つ歌詞の歌、らしい。


    …あと、
    1曲目「Preludio」(プレルディオ/prelude)
    2曲目「Llegada」(ィエガダ/Arrival)
    9曲目「Balada de Annaise」(バラダ・デ・アナイセ/Annaise’s Song)
    10曲目「Jubileo」(ホゥビレオ/jubilee)
    という4曲は、テーマ的に関連性がある曲みたいで、キーワードは水不足
    ってことかな…その辺も、へぇ、と思ったり。
    9曲目のは、歌詞の意味とか分からないままで聴いた印象では、
    ピアノの音も入った悲しげな雰囲気の曲だな、と思ったんだけど…
    付属小冊子の解説によると、感謝の気持ちを込めて歌ってるラブソング、
    なんだとか。


    …とりあえず、今自分は、10日間で17回以上聴いた、
    みたいな段階だけど…最初、この手の曲は、合う人には面白いけど、
    合わない人には、聴いてて眠くなるだけのコーラス曲集かな、
    っていう印象もあった、というか、
    最初、少し疲れてる状態で聴いたら、寝ちゃったんで…でも、
    各曲、繰り返し聴いている内に、
    アフロカリビアンなリズムと美しい歌声のハーモニー、
    特に単一文化のハーモニーじゃなくアフリカ、欧州、カリブ海先住民等の、
    多重な文化が交じり合ったハーモニーで、
    その交り具合の比率が、各曲毎に色々と違っていて、
    その多様さと音楽としての心地よさに、どんどんと惹き込まれて…
    今後も、繰り返し聴いて末永く楽しめるのは、自分の中ではもう確定!
    みたいな、感じなので、
    今回、縁があって入手して、よかったな、と満足しています。

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     2016/12/07

    元々、一番最初に、買って聴こうと思った理由は、
    田中美海による
    トライアングルの3人(じゅのん、ぴのん、かのん)の歌い分け、
    っていう部分だけでも買ってじっくり聴く価値がありそう、
    と感じたからだったんだけど、
    実際に、買って、
    アニメOPの1分半のTVサイズじゃないフルコーラスで聴いてみると…


    1番と2番が終わった直後の終盤のサビ冒頭の部分…

    限界なんてありえない♪
    超えて行くよ♪君と♪どこまでも♪

    …という部分が、聴いていて鳥肌が立つ感じになって、
    自分の心には特に強く響いて、
    …40過ぎたオッサン的には…心が洗われるというか、
    大事な気持ちを思い出し涙ぐむというか、
    そんな感じになるな…
    と…あと、他の部分では1番とラストの少し前に出てくる…

    どんな♪君でも♪それだけでスター♪

    っていう歌詞も、ピュアで夢があって、いいな、と感じられて、
    心に残った。
    自分にとっては特にそこの2ヵ所が心に響いた感じだったけど、
    1番も2番も終盤部分も、歌詞の全てが、
    夢と希望に満ち溢れている感じで、
    ソレは勿論、プリパラの作品世界を反映してのことだけど、
    でも、単にソレだけには留まらない、もっと普遍的なモノにまで昇華された、
    コーラスも含めた全ての歌声と歌詞と、
    歌声以外の音楽要素とで構築された魔法のような楽曲に、
    仕上がっている、と思う。
    で、ソレを成し得たのは、作詞作曲編曲の人と、歌う2人の声優の力が、
    見事に合わさればこそ、なので…
    ある意味、神懸り的に、奇跡のように凄い曲が出来ちゃった、という感じかな…
    とも思ったり。
    そして、このCDの収録曲は、カップリング曲はない、
    1.「Brand New Dreamer」
    2.「Brand New Dreamer (らぁら with じゅのんVer.)」
    3.「Brand New Dreamer (らぁら with ぴのんVer.)」
    4.「Brand New Dreamer (らぁら with かのんVer.)」
    という、表題曲と、そのバージョン違い3種類という、同じ曲を4パターン、
    とカラオケという収録内容だけど、
    1.〜4.の4曲を連続で順番に聴くと、同じ曲だけど同じじゃないというか、
    冒頭で述べたように、
    トライアングルの3人(じゅのん、ぴのん、かのん)の歌い分け、
    という部分を味わいながら聴く、という面での娯楽性と曲自体の感動とが相俟って、
    一粒で四度美味しい!聴けば聴くほど魅了されて好きになる!
    個人的には、そんな感じで、
    今後も、繰り返し繰り返し何度も聴いて楽しむつもりだし、
    プリパラの歴代OP曲の中でも現状、最高の1曲だ、と言えるんじゃないかな、
    ということで、買って聴いた価値は十二分以上あって、
    大満足です。

    欲を言えば、TVサイズの短いバージョンでもいいから、
    トライアングルの「かりすま〜とGIRL☆Yeah!」も一緒に収録してくれてたら、
    個人的には、より嬉しかったけど。

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     2016/11/28

    2016年10月から放送中のアニメ「競女!!!!!!!!」のOP曲
    「DREAM x SCRAMBLE!」
    とカップリング曲「きらきらひかる。」。


    とりあえず表題曲「DREAM x SCRAMBLE!」のほうは、
    「競女!!!!!!!!」を視ていて、OP曲が、
    ロックでポップな曲調に、高音の歌声の響きが、カッコよく、心地よく、
    で、感情を発散させる系の、
    一緒に歌ったら気分が爽快にスッと晴れるだろうな、
    という曲だったんで…そして、
    アニメ作品自体も世界観設定や物語が面白いスポ根コメディ系娯楽作品で、
    …コレまで、作品タイトル名は目にしたことはあったけど、
    原作漫画を読んだりする縁はなかったのが、
    今回TVアニメ化されたのを視たことがキッカケで、原作のほうも少し、
    サンデーの連載分をチェックするようになったり…
    という感じで、気に入ったので、
    この曲なら買ってもいいかな…と思っていたら…
    まぁ、発売日からは1ヶ月ほど遅れたけど、
    入手出来るタイミングが巡って来たので、買って、フルサイズで聴いてみて…

    アニメでのOP映像と一体となった1分30秒のTVサイズ版が、
    インパクトもあってテンションも上がる系なのは既に分かってたことだけど、
    フルサイズの4分13秒のを聴いても、
    そのインパクトや勢いが、殺がれたり失われたり薄まったりすることなく、
    いい感じで、曲の頭から最後まで、
    ぐいぐいと引っ張って行くロックでポップな疾走感があり、でも、
    単純に単調に突っ走るだけじゃなく、少し途中メリハリも入っているし、
    で、
    感情を元気に爆発させてハイテンションに盛り上がる系の、
    そういう曲に仕上がっているんで、
    個人的には、好きだな、っていうか……あと、
    売上のランキング的なのを少しチェックしてみると、
    イマイチ売れてないみたいで…
    もっと売れてランキングで、もう少し上位に入っててもいいのにな、
    とも思ったり…
    それくらいの価値のあるクオリティの楽曲だと思うから。

    …ただ、別の観点で…
    届いて、直ぐ、ちょっと聴いてみて、歌詞カードを見てみたら、
    冒頭と最後の歌詞の締めのフレーズ、
    「行くしかない Dive!」
    っていう部分が、歌詞カードに含まれてないんだけど…
    何で?
    その歌詞が、この曲の中で、
    一番力込めて叫んでるとこっていうか、
    他の部分の歌詞の想いも含めて、そこの部分の歌詞に、
    想いが凝縮されてるフレーズでしょ…
    ソレが歌詞カードに記載されてないって、どういうことなの?
    とちょっと思ったけど…
    誤字脱字系の誤植なのか、元々の歌詞にはなかったフレーズを、
    歌手がアドリブで足したってことなのか…謎…
    いやでも、あの部分のメロディで、
    そこの部分に歌詞がなかったってことは、ありえないって気がするけど…
    …「行くしかない、Dive!」
    って部分が何故か誤植的に抜け落ちた形で印刷されちゃったのか、
    何かの思惑で意図的にそうしたのか…
    ホントに謎…
    ただ、その点に関しては置いておくとしても、
    歌詞カードの文言を見ながら、改めて、曲に身を委ねてみると…
    個人的には少しうるうるって泣けてきたりも…
    聴いていて感情を発散させる系のテンション上がる系の曲であると同時に、
    何と言うか、
    もっとピュアな気持ちで自分ももっともっと頑張って挑戦を続けないとな…
    みたいな心の中の部分が、歌詞の文言を見つつ歌声を聴いて、
    ってしてると刺激されたというか…
    そういう意味でも、買った甲斐がある、いい曲だったということかな、
    と思えたり。
    あとは、楽器演奏部分的には、あの、2番の歌詞が終わって、
    最後の締めの歌詞の部分に行くまでの間奏部分も、
    いい感じで、ギターとベースと、
    …ドラムスのビート部分はプログラムによる打ち込みの音源なのかも知れないけど…
    ともかく、歌声以外でも、ロックな聴かせ所もあり、
    みたいな…その辺も、よかったかな、
    と。

    …余談で、最初、上述のように歌詞カードに記載がないけど、
    「行くしかない、Dive!」って歌っているんだろう部分、
    をアニメのOPを初めて視た時とか、耳でだけ聴いた時の第一印象だと、
    「行くしかない、タイッ!」
    と言ってるのかな…みたいにも聴こえたんだけど…
    いや、流石にソレで東南アジアのタイに行く、という意味には捉えないけど、
    行くしかないたい…って博多弁?…とか一瞬思ったり…
    でも、作品の中心キャラ達の中に、
    博多出身で博多弁を喋るキャラはいないし…あと、少し確認してみると、
    歌っているAiRIって人は、大阪府出身みたいなので…
    じゃあ、博多弁の歌詞ってわけじゃないんだろうな…みたいな…
    で、よくよく聴けば、他の部分の歌詞とか、
    作中の「競女」という架空の競技のイメージから考えて、
    「行くしかない、Dive!」
    って歌ってるのかな、というふうに落ち着くんだけど…
    …因みに、今回、買った目的の中の一部には、実際の歌詞カードで、
    その部分を確認したい、と思ってたことも含まれてたんで…
    歌詞カードに、その部分が、全く記載されてなかったのには、正直、
    あれ???
    …みたいな気持ちに、なっちゃったけど…。


    で、曲は変わり、
    カップリング曲の「きらきらひかる。」
    こっちは表題曲とは、違う趣の曲っていうか、ポップな曲調でもあるけど、
    甘く切なく、ほろ苦くもあり…な恋の想い出を、
    振り返ってる…みたいな曲。
    そして、歌詞内容や歌声以外の部分でも、
    あの夏の日の太陽と海のキラキラ、みたいな部分がギターで、
    恋の切なさ的なアレはピアノ音の旋律で…
    とか、
    他のベースやドラムスの音も含めて、聴いていてイメージが膨らみ易い、
    何と言うか、斬新さ等を追求するんじゃなく、
    スタンダードな良さを感じる、そういうリズムやメロディだな…
    という印象。
    こっちは、歌っているAiRIって人が作詞して、
    あと作曲や編曲も表題曲とは別の人が作ってる曲だということもあり、
    元気にテンション上がる系のアクティヴというか、
    パワー爆発で突撃するぞ!的な表題曲とは、ある意味好対照な、
    しっとりめに、乙女心というか、
    あの日の恋心と失恋または破局な想い出を振り返っているカップリング曲
    …歌声の高音の響きの部分は、どっちの曲でも魅力的だし、
    心地いい歌声だけれど、雰囲気はがらりと違う2曲っていう印象で、
    同じような2曲を並べられるよりは、
    こういう毛色の違う2曲を味わえるほうが、個人的には、好みなので、
    そういう意味でも、好印象だな、
    と。

    …そんなこんなで、現状、届いてから1日で23回ずつくらい聴いた感じだけど、
    どっちの曲も、当分、繰り返し聴いて楽しめそうだし、
    買った価値はあったな、と満足しています。

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     2016/10/25

    DVD1:約78分…OPクレジットと、
    女優チャン・ツィーによるライヴヴューイング開幕前の司会挨拶的メッセージと、
    第1幕(3場)。

    DVD2:約76分の第2幕(2場)とカーテンコール、
    +ボーナストラック(リハーサル風景映像や舞台裏映像等)23分の計99分。


    2007年1月当時、オペラなんてソレまでの人生で全く無縁で、
    ほぼ何も知らなかった自分だけど、偶々偶然の巡り合わせで、新橋演舞場で、
    この作品を観て、オペラってものも、
    歌舞伎同様に、演じる役者の内面が本物であれば、
    きちんと伝わってくるモノがあって、観てて涙が出て感動出来る、
    そういう娯楽芸術なんだなと実感出来た、
    自分にとっては特別な作品。

    もう少しだけ経緯を書くと…
    2006年の年末に偶然聴いたNPRの約8分のニュース
    「Tan Dun’s ’First Emperor’ to Premiere at Met」
    が、今夜プレミア上演がされるっていう夕方に放送されたニュースで、
    制作に10年を費やしたNYメトロポリタンオペラの新作、
    東洋の京劇と西洋のグランドオペラとを融合させた『The First Emperor』(始皇帝)
    を作曲家タン・ドゥンの経歴やインタビュー、
    更には始皇帝役のテノール歌手ドミンゴやヒロイン役のソプラノ歌手フュートゥラル
    のインタビューとかを交えながら紹介する内容で…
    楽器的にも、作曲の際のリサーチで、
    始皇帝の時代には陶器を叩いて打楽器として使われていたということを知って、
    そういう音楽要素を組込んだりとか、
    ストーン・ドラミングに関するインスピレーションを得たキッカケの話とか…
    そういうのが紹介されていて、何だか興味が湧いて、
    面白そうだな…と思っていたらそのニュースの締めの部分で、
    METで予定されてる9公演のチケットは全て完売しているけれど、
    年が明けて2007年1月には世界中の映画館でHDビデオ映像で公開される…
    と言っていたので、少し確認してみたら、
    新橋演舞場でライヴヴューイング(The Met: Live in HD)
    があると分かり…当時、
    毎月1回は同じ松竹ですぐ傍の歌舞伎座に足を運んで一幕観席とかで観劇していた、
    ということもあって、ソレを聴いた後、千穐楽頃に歌舞伎座へ行った際に、
    チケット売場で確認したらまだその新橋演舞場のチケットが買えたので、買って…
    因みに、大晦日に歌舞伎座でも別作品『The Magic Flute』(魔笛)
    のライヴヴューイングがあって、その時の年末年始は、そのオペラ2作品を、
    大スクリーンでの高解像度映像で観たんだけど…
    特にこの始皇帝の新作オペラのほうは、途中、観てて号泣してしまう感じに、
    個人的には、物凄く感動して印象深い作品だったんで…
    ずっと心には残っていて…
    もうあれから10年近くも時が経っちゃったんだけど、でも、
    この前、偶然、プラスィド・ドミンゴの
    「Domingo at The Met ANNIVERSARY EDITION」
    という3枚組CDを買って聴く縁が巡ってきて、そこに1曲だけだけど、
    この始皇帝の曲が入っていて、
    それを聴いたら、また、あの時に観た感動を味わいたくなって…
    で、確認したらこのDVDが、そこそこお得な価格で買えるんだな、と分かったので、
    買って、約10年ぶりに、改めて視てみて…


    …やっぱり、自分はあの…
    始皇帝役のプラスィド・ドミンゴは勿論カッコイイんだけど、
    視てて、涙が出てしまうのは、あの将軍、
    なんだよね…
    始皇帝の足の不自由な娘であるプリンセス(ユェイヤン)に想いを寄せていて、
    燕(ヤン)を征服して作曲家を見つけ出したら、娘をお前にやる、
    と始皇帝から約束されていたにも関わらず、
    当のユェイヤン本人は、乗り気でなく、
    かつ将軍が命を受けて探し出してきた作曲家に恋してしまい…NTRみたいな…
    でも、それでも、始皇帝への忠義や忠誠心は持ち続けていて、
    最後は…っていう、あの将軍の内面部分が、
    新橋演舞場で大スクリーンで観ていた時に、嫌と言うほどに伝わってきて、
    号泣しちゃったんだけど…
    今回、あれから10年近く経って、細かな部分とかはもう忘却の彼方にあったけど、
    でも、第1幕第1場でその将軍が出てきて、
    ユェイヤンに向けて歌ってるところとかから、もう既に、
    うるうるってしてしまったり…
    …で、自分はそんな感じで、想いが実らない将軍が可哀想っていう部分に、
    視ていて強く心が反応してしまってるんで、
    ユェイヤンと作曲家ガオ・ジャンリの間のことには、あんまり感情移入は、
    出来なくて冷めた目で視ている部分があったり…。
    …そう言えば、新橋演舞場で観てた時も、
    この、始皇帝の物語、としては当然終盤のクライマックスが話の一番の山場
    になるんだろうけど、ワン将軍に感情移入してしまう自分には、
    観ていての感情のピークはクライマックスの少し手前の、
    ワン将軍のところで、それ以降は、
    その余韻に浸りながら、話の成り行きを、一応最後まで見守ってた…
    みたいな感じだったな、ということを思い出したり…。
    でも、今回は、DVDで視返したり繰り返し視たり出来るってことで、
    新橋演舞場で1回観ただけでは、きっちりと把握出来てなかった部分も分かったんで、
    クライマックスの部分も、あぁそっか、なるほどな…
    と、あの時よりも納得というか面白さが感じられたんで、よかった。


    楽器的には、通常の西洋音楽的なオーケストラ的な楽器群以外のもの…
    古代の陶器を叩いて打楽器的に使うとか、
    ストーンドラミング、みたいな部分の珍しさだけでなく、
    Waterphoneなんていう楽器があるんだな、みたいなのも初めて目にして、
    へぇ、と思ったり。


    各場の見所メモを簡易的に記すと…
    第1幕:
     第1場→冒頭の陰陽マスターとシャーマンが登場して古来からの音楽を奏でる部分の独特の雰囲気やスケール感がいいのと、その後、作曲家ガオ・ジャンリ以外の主要キャラが勢揃いしてからの…プリンセスのユェイヤンに想いを寄せてるけど、想いが通じなさそう、な将軍がやはり視てて泣けてくる。
     第2場→作曲家が捕らえられて、始皇帝と対面するけど……そこの物語はソレとして、話が終わった後のIntermezzoの音楽…間奏曲が印象的…あの、打楽器音と掛け声が…。
     第3場→ユェイヤンに想いを寄せる将軍としては、NTR的な展開で…最後の締め方は、歌舞伎と似たような部分もあるな、というのも興味深かったり。

    第2幕:
     第1場→出だし、中国琴とハープの見せ場、作曲家とユェイヤンの蜜月のデュエット…からの万里の長城建設中な壮大感…そして、始皇帝と娘、始皇帝と作曲家の駆引き…。
     第2場→出だしからの、鐘の音に何か眠気を誘われる部分もあるけど……夫々の悲しき末路と復讐の顛末、な最後の場面。


    …余談で、
    2枚目のDVD2に収録されているボーナストラックは、
    ライヴヴューイングでは第1幕と第2幕の合間に上映されていた、
    リハーサル風景やインタビューの様子の映像だったんだけど…でも、
    リハーサル風景のは多分、あの時のまま全部収録されていたと思うけど、
    インタビュー部分とかは、全部は収録されてなくて…少し残念。


    あと、この商品のパッケージを開けてみると…
    DVDだけが入ってるだけじゃなくて、
    解説とか粗筋等が記された10ページほどの小冊子が付いてたんで、
    ソレも読んで楽しんだり参考にしつつ、
    また繰り返し視て何度も楽しめそうだな…って感じ…
    但し、小冊子は英語のヤツで、あとDVDは字幕機能付いてはいるけど、
    日本語の字幕は選択肢になくて…
    あるのは、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語の字幕機能。
    まぁ、英語の字幕で、とりあえず本編を視る分には事足りるけど…
    ボーナストラックの映像とかで、
    普通に英語で会話している部分に関しては英語の字幕は付かなくて、
    中国語で喋ってるところには英語の字幕が付くんだけど…
    みたいな…まぁ、ソレはソレで、
    半分英語教材的なモノだっていう感覚で視てれば、
    別の意味でも活用出来たり楽しめるな、
    と…そんな感じ。

    …そんなこんなで、劇場の大スクリーンで観るのと、
    DVDをPC画面で視るのとでは、劇場での感動や興奮を全くそのまま、
    ってわけには行かないけど、でも、
    劇場で観ていて泣いた部分等はやはり、
    PCで視ていても心にぐっと来て涙が出たし、
    1回限りの劇場鑑賞とは違って、繰り返し視て、
    隅々まで、色々と楽しめるし…ってことで、今回、縁が巡ってきて、
    入手して、よかったな、と個人的には満足しています。

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     2016/10/17

    ファンクやソウル音楽のレジェンドミュージシャンでプロデューサ、
    James Brown(ジェイムズ・ブラウン/1933-2006)の
    1980年のジョージア州アトランタにあるチャステイン・パークでのライブ
    の様子を収録した計14曲59分のライブ盤CDと同ライブのDVDセット
    「Live At Chastain Park Atlanta, Georgia 1980」
    ソレが税込840円なんて、何てお得なの!ということで、
    入手して聴いてみよう、ということで、
    …因みに、
    同じチャステイン・パークで1985年にライブした様子を収録したライブ盤
    「Live at Chastain Park」
    というのが1988年に発売されていて、収録曲目も、
    コレとよく似ているけど…一応、別物、ってことらしい…こっちは、
    1980年だ、と言っているしね…。
    …まぁ、ソレはともかく、この1980年のライブ音源を実際に聴いてみて…


    全体の印象としては、ジェイムズ・ブラウンが、
    ソウル音楽やファンクの王様だとか父だとか言われていた、
    そういう雰囲気を感じ取れた、
    のはよかった、というか勉強になったというか…。

    全14曲の内で、印象に残った曲とか気に入った曲は…
    2曲目「It’s Too Funky In Here」の後半のコンガのソロパートがよかったな、
    とか、6曲目「Get Up Offa That Thing」は、
    だらだらと長くならずに、
    2分18秒の中に、きっちりとファンク感が濃密に凝縮されていて、
    その分インパクトがあって、よかったな、
    と…少し確認してみるとライブ盤じゃないオリジナルの1976年のレコード盤
    では、4分11秒の曲だったようだけど。
    その辺は、ライブ演奏時ならではのアレンジとか構成演出的な、
    そういう部分の妙なのかな、と。
    あと、12曲目「I Got You (I Feel Good)」もインパクトあったし、
    14曲目「Jam」は、最後、華やかに盛り上がって終わるフィナーレ感が、
    いいな、と。

    …それと、
    7曲目の「Georgia On My Mind」
    は、コレまで、ルイス・アームストロングが歌い演奏する、
    ジャズの有名楽曲としてしか聴いたことがなかったけど、ソレを、
    ジェイムズ・ブラウンがファンクやソウル音楽として歌うと、
    こうなるのか…みたいな、
    勿論、何も知らず単独で聴いてもカッコイイとは思うけど、
    元々は、そういうジャズ系の曲だったんだな、
    っていう部分も分かった上で聴けば、より興味深いし、音楽を深く楽しめて、
    面白いな…っていうか、
    コレは、1980年のアトランタでのライブ音源だけど、
    少し確認してみると、
    その前年の1979年に、この曲は…元々は1930年に創られた曲だけど…
    (1960年発売のレイ・チャールズ版が)ジョージア州公式州歌になってたらしくて、
    そういう意味では、アトランタの会場で歌うのに持って来いの、
    時事的な曲のチョイスでもあったんだな、
    と、そんなことも分かったり。

    …余談で、確認してみると1980年のライブ音源だけど、各曲目を確認してみると、
    半分以上が、1950年代後半から1960年代にシングルを出してるヒット曲、
    で構成されてるんだな…みたいな…
    つまりは1980年当時から見ても10年以上前の昔のヒット曲、が半分以上、という…
    まぁ、集まってる観衆はソレで喜んでいるようだし、
    ソレはソレで、いいのかな…。

    …次に、付属のDVDのほうは…
    先ず…
    自分にとって、ジェイムズ・ブラウンっていうと、
    2010年6月に吉祥寺バウスシアターに爆音上映を観に行った
    音楽系ドキュメンタリー映画
    「Soul Power」(2008/邦題:ソウル・パワー)
    を思い出す、っていうか…
    それまでは、ジェイムズ・ブラウンやB・B・キングは、
    有名だから名前は聞いたことがあったけど…そんなに曲とかは…
    あの映画が特集している1974年秋のキンシャサでの歴史的イベント時だって、
    自分はまだ1歳だし…
    それまでの自分にとっては、ミュージシャンとして、
    というよりも、
    1992年頃に、日清カップヌードルのCMか何かに出ていたのを視て、
    ソレが有名なミュージシャンらしい、ってことで、名前と顔だけは知っていた…
    みたいな感じだったんだけど、更にそこから15年以上も時が流れて、
    実際に2010年当時、あの映画を爆音上映で観て、
    この人は、先人として、
    マイケル・ジャクソンの後々の音楽性やパフォーマンスにも影響を与えてるんだな、
    っていう…そういう部分も感じられたりで色々と興味深く、
    具体的にこんな音楽やライブパフォーマンスをする人だったんだな、
    と実感を持って知ることが出来たドキュメンタリーだったんで、で、今回の、
    こっちは、それより6年後の47歳頃のライブ音源&映像で、
    映画内で数曲のパフォーマンスが観れただけでも、かなり魅力的だったけど、
    1時間弱、丸々のライブの様子が視れるんで、
    よりジェイムズ・ブラウンを堪能出来る、のは出来る…ただ、こっちのDVDは、
    当時フィルム撮影したモノを簡単にDVDに焼いたっていう程度のアレで、
    画質や音質的には、映画館で「Soul Power」を大画面で爆音上映で観たような、
    そういう迫力や臨場感や感動を味わえるクオリティのモノではなくて、
    CDで聴く音だけでは把握出来ないステージ上の…
    大人数のバンドメンバーの配置とか、
    ステージ上での表情とか動きだとか衣装だとか、を補完は出来る、
    っていう…その程度の動画で、
    画質的にはPC画面上でフルスクリーンで視るのも微妙な感じなので、
    TV画面サイズの大きなスクリーンでの視聴には耐えられない低解像度のモノで、
    まぁ、税込840円でCD+DVDなんていう超特売価格になってる、
    のには、それなりの理由がある…ってことだね…
    ともかく、付属のDVDは古い記録映像を目にするっていう程度の気持ちで視る、
    のが正解で高品質の音楽DVDを視る感覚で視たら確実にガッカリは、
    するだろうから、気を付けましょう…みたいな、
    そんな感じ。

    …あぁ、でも、そんなこんなで、映画「Soul Power」を思い出しながら、
    聴いていたら、あの映画のサントラCDかDVDも入手して持っておく価値があるかな…
    みたいな気がしてきて…
    まぁ、今回のこのライブ盤みたいに、お買い得価格で安ければ…
    また縁があれば入手してみようかな、
    と、そんな感じです。

    とりあえず当面は、ファンクな雰囲気に浸りたい時には、
    このCDを折に触れて、繰り返し聴いて楽しもう、という感じなので、
    今回入手出来て、そこそこの掘り出しモノだった、と満足はしています。

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     2016/10/11

    3枚組CD計42曲3時間52分…
    『プラシド・ドミンゴ アット・ザ・メト』 オペラ・アリア集〜メトロポリタン歌劇場
    …届いてパッケージを見てみると、正式なタイトル名は、
    「Domingo at The Met ANNIVERSARY EDITION」
    らしい。

    …余談というか…
    オペラに全然詳しくない自分なので、
    個人的には先ず、
    オペラ作品への興味っていうよりは、歌声への興味っていう観点から、
    最近、伝説のテノール歌手…
    この100余年前の黄金のテノールでオペラ中毒になったファンが数多の数いて…
    オペラ界最強の歌声だ、と言われるほどの凄い伝説のイタリア人歌手だ、
    とか言われている
    Enrico Caruso(エンリコ・カルーゾ/1873-1921)
    のCDを2枚ほど聴いて、その後、
    歌声は天使のような、
    私生活は派手に散財してロックスター的な、そんなテノール歌手で、
    マイクなしで7000人以上の観客が溢れるホールを感動させた、
    と伝えられるほど、音楽家としての力量面でも、
    その他の性格面でも豪快で魅力的なアイルランド人テノール歌手
    John McCormack(ジョン・マコーマック/1884-1945)
    の4枚組CDを聴いて…
    という流れで聴いてきて、じゃあ次は、
    今まだ生きてるレジェンド級の人のモノを何か聴きたいな、
    と思って、自分の中で第一に出てきた、
    というか、正直、実質、知っていると言える人がこの人だけだったので…
    Placido Domingo(プラスィド・ドミンゴ/1941-)
    のCDを何か入手して聴きたいな、
    ということで探した際に、コレを選んだのは…収録曲に、
    自分自身に身近に縁があった作品…
    2007年1月に新橋演舞場にライヴヴューイング(The Met: Live in HD)
    を観に行った「The First Emperor」(始皇帝)
    の曲が収録されていたから…
    …その収録曲が、ってことじゃないけど、観に行って、
    作品として、終盤とか号泣してしまった自分にとっては印象深い作品
    だったので…その、2006-2007年のシーズンの新作オペラの曲も入っていて、
    価格的にもお買い得な感じだったので、
    コレを選んだ、という感じ…
    まぁでも、聴いてみると、「始皇帝」の曲は、
    計42曲の内の1曲「Act 1: The Shadow That Haunts Me Wherever I Go」
    だけで、時間的にも5分弱の曲が1曲だけ、
    って感じだったので…少し物足りなく、っていうか、
    またあの感動を味わいたくなったので、
    「始皇帝」に関しては、後日別にDVDを買うことにしたんで、
    そっちで堪能しようと思います。

    それで、今回の3枚組を聴いての第一印象的には、
    元々の意識としては、ここまで聴いてきた、過去のレジェンド歌手、
    エンリコ・カルーゾやジョン・マコーマックの歌声と比べてどうなんだろう?
    っていう部分の興味があったんだけど、その…
    エンリコ・カルーゾやジョン・マコーマックの音源は、
    もう今から100年前後も前の時代のモノで、
    今と比べて録音技術も発達してなくて、という状態の録音でこの音だから、
    生で聴いたら、さぞ物凄かったんだろうな、
    と想像がつく、みたいな印象のアレだったのに対して、
    こっちの3枚組に収録されているドミンゴの歌声ってのは、ソレらよりも、
    ずっといい状態で、発達した録音技術で録音された音源なので…
    その辺が、余りにも違い過ぎて、
    単純に、一概には、そのCDでのアレを聴き比べての比較は、
    ちょっと出来ないな…みたいな、そんな印象。

    個別の曲の印象としては、オペラに詳しくない自分にとっては、
    収録曲の大半が知らない初めて聴くような曲だったけど、
    これまでに、エンリコ・カルーゾとジョン・マコーマックの歌声を聴いてきた、
    っていう流れで、
    そこで歌われていたオペラ作品の曲が、
    こっちの3枚組でも収録されていて、っていうことで知っていた、
    という曲もあったり…
    あと、昔は今以上にオペラに縁も関心もなかったんで、
    オペラの曲とかって意識も印象も当時はなかったんだけど、
    高校時代の音楽の時間に…ソレは偶々、日本語訳版歌詞のヤツだったけど…
    歌ったことがあって知っていたメロディの曲があって…
    1枚目のCDに収録されていた
    「Verdi: La Traviata - Act 2: Di Provenza Il Mar, Il Suol」
    っていうヤツが…たしか、
    「プロヴァンスの海と陸」って曲名の…あの…

    思い出さぬか♪昔のことを♪…

    …で、始まって、サビの部分が…

    お前がもしも♪帰ればどんな♪喜びがまた♪我が家に帰る♪
    そこでしばらく♪落ち着くのだぞ♪あの家♪に帰れ♪再び♪ここから…
    …嗚呼♪今では過ぎたことは♪咎めぬ♪つもりだ♪

    って感じの歌詞の曲…
    アレって、オペラ「椿姫」の中の、曲だったのか…
    と…まぁ高校時代の自分は、「椿姫」と言われても実感も何もなかったからな…
    みたいな…そんなことも、ふと思い出したり。
    他にも、
    何かで耳にしたことがあるメロディの曲も何曲かあったような気もするけど…
    ともかく、
    今の自分はまだ、あれこれ個別のオペラ作品に関しては、
    ほとんど聴いた経験も知識も思い入れもないんで、
    収録曲中の、この曲で涙が溢れ出たとか、そこまでのは特別にはなかったけど、
    夫々興味深く聴けて、歌声として一定水準以上のモノである、
    ってことは当然感じるし…収録曲中で特に多かったのは、
    ヴェルディのオペラの曲、次に多かったのがプッチーニのオペラの曲、その次は、
    ヴァーグナーとかウンベルト・ジョルダーノとかチャイコフスキーの曲…
    それ以外の作曲家の曲は、1曲ずつくらい収録されていた感じかな…
    ともかく、色んな曲があるんだなぁ…
    と、そして当然、この3枚組には収録されてないオペラ作品やその曲も、
    この世にはいっぱいあるわけで…
    今回は、オペラ云々ってことよりも純粋に歌声への興味で、
    コレを入手して聴いたって面が個人的には大きいけれど、コレをキッカケに、
    もっと個別のオペラ作品の物語内容とかにも、
    関心を持って触れる機会が増えれば、また新しく見えてくるものが、
    あるかも知れないし…
    とりあえず当面は、この3枚組をもう少し聴き続けて、
    その後も、折に触れて繰り返し聴いて楽しめそうな感じなので…
    入手して聴いた甲斐は十分にあったな、
    と満足はしています。

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     2016/09/27

    ホゥアン・ガブリエル入門には最適な全20曲1時間20分。

    毎週聴いているNPRのAlt.Latinoで名前が言及されたりとか、
    ラテン・グラミー賞の
    レコーディング芸術科学ラテン・アカデミー・パーソン・オブ・ザ・イヤー
    にも2009年に選ばれていたりする人なんで、
    これまでも、名前だけは知っていた、という感じだったんだけど…
    今年の8月28日に、心臓発作で66歳で亡くなった、
    ってことで、その翌週にAlt.Latinoで、
    「Alt.Latino Pays Tribute To Juan Gabriel」という追悼放送回的な、
    そういう放送があったのを聴いて、個人的には、
    それを聴いて初めて、
    スペイン語圏及びそこからの移民系住民が沢山住む米国で、
    メキシコのシンガーソングライター
    Juan Gabriel(ホゥアン・ガブリエル/1950-2016)が定番の人気歌手
    という存在だったというのが、少し実感を持って分かった、
    というか…曲も5曲くらい紹介されていて…
    色々と興味が湧いたんで、
    何か、ベスト盤的なCDを1枚入手出来ないかな…
    と思って確認してみたら、
    価格のお買い得感的にも収録曲的にも、コレが良さそうだな、
    と思ったんで注文し…
    届いたので、早速、全20曲1時間20分を実際に聴いてみて…

    第一印象的には、上述のAlt.Latinoでの追悼放送で紹介されていた曲
    を聴いた時にも思ってたんだけど、
    その、メキシコの音楽文化を反映した楽曲群だけど…
    音楽キャリアの中で、約1800曲も作詞作曲してるというこの人の曲は、
    何か、
    日本の昭和の歌謡曲とか昭和の懐メロ的なものを聴いているような、
    そういう、こう、雰囲気的、感覚的なアレだけど、
    日本の音楽文化との類似性とか親和性を、聴いていて感じたんで、
    そういう部分が面白いな、と思って興味が湧いた、
    んだけど…こうして、ベスト盤的なこのアルバムを入手して聴いてみて、
    ソレを再確認したっていうか、
    まぁ、親しみやすいメロディと歌声って部分では、
    日本とかメキシコとか、そういう国境の壁や言語の壁に束縛されない、
    確かなスター性を持ったアーティストだったんだな、と。
    まぁ、米国に隣接するメキシコも、
    第二次大戦後の日本も、米国の文化や経済に依存して影響されたり、
    みたいな国である、という意味では、
    似ていて、ある種の社会的共通性ってのがあって、
    その大衆音楽にも、何かしら親和性とか親近感を覚える、
    そういう要素があるってことなのかな…
    と漠然と思ったり。

    因みに、収録曲の初出年を確認してみると…
    全20曲中18曲が、1971〜1986年の曲、
    更にその18曲中の14曲が1980〜1986年の曲、
    残りは1994年の曲と2000年の曲が1曲ずつ…ってことで、やはり、
    日本の昭和後半から昭和末期に重なる時期に特にヒット曲を量産した人、
    だったんだな…と。
    で、当時、特別深い文化的接点があったとも自分には思えないんだけど、
    日本とメキシコっていう別々の国だけど、
    雰囲気的、感覚的に、
    日本の音楽文化との類似性とか親和性を感じるような、
    そんな楽曲やヒット曲を量産していたメキシコのホゥアン・ガブリエル
    というミュージシャンが、いたんだな…
    ってことを興味深く感じたり。


    …で、
    そんなこんなの収録曲20曲中で、特に印象に残ったり気に入った曲は…

    13曲目「Querida」(ケリーダ/darling )は、
    1984年のヒット曲の(多分1990年5月の)
    Palacio de Bellas Artes
    (パラスィオ・デ・ベイヤサルテス又はベジャサルテス)
    でのライブ音源版で…サビの部分とか、
    わりと心にぐっと来る歌声の、情感とか声の伸びとか、いいな…
    っていうのと曲終盤の演奏メロディ中に含まれるフレーズに、
    日本でも親和性のある感じの一節が出てきて、その辺も、へぇ、と思ったり。
    少し確認すると、奇しくも1990年の日本では、
    そのメロディをもう少し、ピーヒャラピーヒャラとポップにした感じの、
    そういうフレーズがサビに含まれる曲が大ヒットして、
    オリコンの1990年度年間1位、
    になってんだよね…ってことに気付いて、再度、へぇ、と思ったり…。

    6曲目「El Noa Noa」(エル・ノア・ノア/The Noa-Noa)は、
    1980年のヒット曲で、当時同名の映画にも主演しているらしいけど…
    コレも、こんなような雰囲気の曲は、
    1980年前後ではなかったかも知れないけど、昭和のある時期、
    日本でもあったような気がする…みたいな、
    そういう意味で、不思議とノスタルジックな感じになる曲だな、
    と。

    15曲目「Hasta Que Te Conoci」
    (アスタ・ケ・テ・コノスィ/Until I met you)は、
    1986年のヒット曲…コレも、日本のムード歌謡とか演歌・歌謡曲系の、
    そういうのに通じるような曲だな、
    という意味で、印象深かったり…まぁ、よくよく確認してみると、
    そもそも、日本のムード歌謡ってのは、
    「ハワイアン、ジャズ、ラテンをベースにした歌謡曲」
    ってことらしいんで、
    親和性や類似性を感じるのは、当然なのかも知れないけれど…。
    あと、日本のムード歌謡とか演歌・歌謡曲系に限らず、
    ニューミュージックも含めて、
    メロディとか歌声の雰囲気が、スペイン語で歌われている、
    ってことを除けば、それら日本の音楽みたいだな、
    という印象を受ける曲が…
    4曲目「He Venido a Pedirte Perdon」
    (エ・ベニド・ア・ペディルテ・ペルドン/I’ve come to ask for your forgiveness)
    7曲目「Yo No Naci para Amar」
    (ヨ・ノ・ナスィ・パラ・アマル/I was not born to love)
    9曲目「Ya Lo Se Que Tu Te Vas」
    (ジャ・ロ・セ・ケ・トゥ・テ・バス/I know that you leave)
    10曲目「No Me Vuelvo a Enamorar」
    (ノ・メ・ブエルボ・ア・エナモラル/I don’t fall in love again)
    とか、それ以外の、あの曲も、この曲も…
    何か、このCDの収録曲の半分以上が、そういう印象の曲だな…
    と、個人的には、そんなふうに感じて、
    色々と、興味深かったり、考えさせられたり…
    つまり、
    ラテンのリズムやメロディってのが、日本の音楽にかなり沢山取り込まれ、
    日本の音楽の一部のようになっている、ということに関して、
    このCDを聴いていて実感したので。

    …余談で、このCDはもう、収録時間ぎりぎりな感じの80分、
    ぎっしり詰まってるアルバムだから仕方ないけど、
    個人的には、あと、
    …上述のNPRでの追悼放送内で1曲目に紹介されてたんだけど…
    初出1990年の「Amor Eterno」(アモール・エテルノ)
    も含まれてれば、
    より、満足度高い1枚だったかな…とも思ったり。

    それはそうと、
    このCDの収録曲は、
    個人的には、全体的にスローな曲調で、
    歌詞もゆっくりはっきり聴き取れる系の楽曲群なので、
    歌いながらスペイン語に親しむ教材にも活用出来そうだな、
    っていう有用性もあって、
    その観点からも、大いに気に入った、という感じ。


    …別の観点っていうか、自分の中の感覚では、
    全18曲1時間19分という、
    1枚のCDにマイケル・ジャクソンの1位獲得ヒットソングを、
    目いっぱい詰め込んだ、
    というマイケル・ジャクソンの2003年発売のベスト盤的アルバム
    「Number Ones」
    と、音楽ジャンル的には違うけれど、
    …そして、日本での知名度も世界的知名度も、
    マイケル・ジャクソンのほうが圧倒的に上だろうけど…
    それでも、
    この2014年発売のベスト盤「Mis Numero 1...40 Aniversario」は、
    似たような価値の1枚だな…とも思ったり。
    そんなこんなで、今回、縁があって、このホゥアン・ガブリエルのCDで、
    1800曲もある中の、ほんの20曲とはいえ、
    それらの楽曲に触れられて、雰囲気を味わえたことは、
    知らなかった新しい音楽、
    なのに日本人感覚的に懐かしさを感じるメキシコの音楽…
    を知れたっていう意味でも入手した甲斐があったし、
    実際、今後も折に触れて繰り返し聴いて末永く、楽しみたいな、
    と思えているんで、満足しています。
    亡くなってから、亡くなったのをキッカケに、
    その存在や価値をちゃんと知って、だから、知った時には、
    もう故人でこの世にいない、という、その点だけは、残念だけれど。
    …でも、死んでも曲は残り、名曲は人の心にも残る…
    このアルバムの収録曲の幾つかは、この先、自分の心の中にも、
    残り続けるだろうと、思います。

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     2016/09/25

    …ロゴマーク的には、上から見ても、
    180°ひっくり返した逆さから見ても、「ibeyi」
    になるデザイン、だったんだね…今まで特に意識して見てなくて、
    今更ながら気付いたけど…。

    さて、全13曲46分…
    このアルバムは2015年2月に出たものだけど、
    その前に、2014年にシングルやEPで、「Oya」や「River」が出ていて、
    自分は2014年8月末に、
    毎週聴いているNPRのAlt.Latinoで、
    このリサ=カインデ・ディアスとナオミ・ディアスという、
    キューバ系フランス人の双子デュオIbeyi(イベィイ)
    が、2014年一番の掘り出し物!的注目株…って感じで紹介されていたのを、
    偶々聴いて…神秘的な雰囲気もある歌声の楽曲が、
    何となく印象にも残り、あと、
    デュオ名Ibeyi(イベィイ)は西アフリカのYoruba(ヨルバ)語で
    「twins」(双子)を意味する言葉…
    歌の歌詞は基本英語、それとヨルバ語で歌ってる…ってことで、
    へぇ、と思ったり…
    そこから1年ちょっと経った2015年10月の
    「Twice The Fun With Guest DJ Ibeyi」という放送回では、
    二人がゲストで登場して、
    生の声で、色々と話を聴けたり、
    彼女達が普段好きで聴いている曲、影響を受けた音楽を色々と聴けたり、
    ってことでより興味が湧いて…
    でも、実際にこのCDを買って聴くまでには至らなかったんだけど…
    最近になって…
    最初に興味を抱いてから2年経った2016年9月に、
    漸く縁が巡ってきて、実際に入手して、全曲を聴いてみて…


    全13曲の内の何曲かは、放送で紹介されて流れているのを、
    コレまでに何度も繰り返し聴いたことがあって、
    ソレは即ち、
    2曲目「Oya」と4曲目「River」と8曲目「Mama Says」で、
    どれも、夫々にインパクトがあって、
    ソレは今回改めて再度聴いても、やはり、いい曲だな、
    という印象。
    因みに、2曲目の、
    「Take Me Oya♪」(テイク・ミー・オイヤー♪)
    と歌っている部分がやたらと耳に残る曲の曲名でもある「Oya」(オイヤ)は、
    ヨルバの文化で、
    風、雷、暴風雨、死と再生を司るオリシャ(神様)のことだとか。
    だから、9曲目「Weatherman」でも、コーラスでは、
    オーーーーーイヤ♪って歌ってるんだね…。
    8曲目「Mama Says」は、
    何回聴いても、
    The man is gone.
    And mama says
    she can’t live without him.
    The man is gone.
    And mama says
    there is no life without him.
    っていう歌詞が印象深い……因みに、自分は一番最初にこの曲を
    聴いた時の印象は…
    悪い男とかに捨てられて、でも、あの人がいないと生きていけない、
    と絶望している不幸体質な母親の歌なのかな…
    と思ったんだけど、
    後に、上述のNPRの放送にゲストで出た時の会話で、
    この曲は、彼女達のお母さんの為の曲、
    って話だったんで、
    その「The man is gone」ってのは、父親の
    パーカッション奏者Anga Diaz(アンガ・ディアス/1961-2006)
    が死んだ時のことを歌った歌なんだな、
    と分かったり。
    で、既に聴いたことがあって知ってた曲以外の収録曲で、
    今回初めて聴いて印象的だったのは、
    7曲目「Stranger / Lover」のサビの部分
    Come heal in my arms
    ってところのハーモニーとか、
    全体的に静かで美しい曲のバックで鳴ってる、
    サンテリア系のパーカッションの音との組合せがいいな、
    とか印象に残ったり。
    その他の曲でも、美しいメロディと歌声の曲だな、と感じる曲が、
    全体的に多かった気がするかな…
    基本的に、二人で、歌って、
    キーボード弾いたりパーカッション叩いたりってスタイルだから、
    色んな楽器音が詰め込まれ過ぎてごちゃごちゃしたりせず、
    シンプルな演奏メロディとリズムと歌声、
    の取り合わせとハーモニーで構成されていて、それが功を奏している
    って感じなんだろうね…
    あと、英語の歌詞も、彼女らは英語のネイティヴスピーカーではない分、
    極力、シンプルな単語や表現を使おうとしている感じで、
    そこに歌声の美しさやハーモニーで、彩を加えて、
    そして曲によっては、ヨルバ語の歌詞…
    で、結果として、美しく神秘的な雰囲気の楽曲が生み出されてる…
    みたいな。
    でもまぁ、別に、コレまでに全くなかった音楽、
    ってわけじゃなく、曲によっては、
    コレは、R&B系の誰それの曲とかの影響を受けてる感じの曲かな、
    とか、この辺は、ワールドミュージック系の誰それの曲の影響かな、
    みたいに感じる部分もあって、
    で、別にソレは悪い意味ではなくて、先行する色んな作品の音楽要素を、
    吸収し影響を受けつつも、独自要素やアレンジを加えたりして、
    新たな形に発展させていく、
    ってことで、脈々と音楽は引継がれて進化を続けていく…
    そういうモノだから。


    余談で、上述のNPRのAlt.Latinoにゲスト出演した際に、
    彼女達はキューバ生まれパリ育ちで、
    普段の生活言語は、フランス語やスペイン語なのに、
    現状作る楽曲は英語とヨルバ語の歌詞で歌ってるのは何故なのか?
    っていう質問に対する回答とかも興味深かくて…
    彼女達にとって母国語だけど、
    フランス語やスペイン語での作詞はまだ、十分じゃない、と…
    で、元々、英語の楽曲を多く聴いて育ってきたから、
    英語とヨルバ語で歌う曲を作って歌っているけど、いつかは、
    スペイン語でも曲を歌いたい、と。
    …ってことで、いつかは、スペイン語とかで歌ってる曲も、
    聴けるんだろうね…
    この先、彼女達が、一発屋的に、全然売れなくなって消えて行く、
    みたいなことにならなければ、いつかは、
    スペイン語やフランス語で彼女達が歌う楽曲も世に出てくるのかな、
    と…それはそれで、楽しみ、かな…。
    あと、別の観点で、
    個人的には、両方ともほぼ同じ時期に存在を知った、
    という偶然性もあって…
    キューバ生まれだけど、パリで育ってる双子のIbeyiと、
    キューバで生まれ育って今もキューバを拠点に音楽活動している
    Dayme Arocena(ダイメ・アロセナ)、
    どちらも、キューバのサンテリアやヨルバの音楽要素を含む楽曲を
    創ったり歌ったりしている…という共通点もあり…
    でも楽曲的には、
    ソウルフルなジャズヴォーカリストって感じのダイメ・アロセナと、
    ソウル系の要素は同じくあるけれど、
    より電子音楽や実験音楽的なサウンドの楽曲を創造しているIbeyi
    って感じで、特色の違いはある、この両者が、
    自分の中では、対になる1組、みたいな感じで記憶されてたりするんだけど…
    ルーツ的にはキューバ繋がりの、
    この両者が交わったら、どんな感じになるんだろうな、
    どういう相互作用や化学変化が起きるんだろうな…っていう、
    そういう関心もあるんだけど…
    …ってことで、
    いつか、それらの日が来ることも楽しみにしつつ、
    このアルバムの各曲は、折に触れて繰り返し聴いても、
    飽きることなく、
    末永く歌声と雰囲気とを楽しめそうだな、
    ってことで、満足しています。
    1枚目のアルバムが、コレだと、コレを超える完成度のアルバムってのは、
    中々難しいんじゃないのかな、と傍目には思っちゃうけど、
    今後の活躍も楽しみにして、気長に見守ろうかな、
    と、今は、そんな感じです。

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     2016/09/25

    全12曲の内の10曲は2分17秒から3分27秒の曲で、残りの2曲が4分半ほど、
    という感じなので、全体的には、
    激しいビートが効いて、勢いとスピード感がある、
    全12曲38分のパンクロックアルバム。

    基本情報とキーワードを手短に書くと、
    先ず、テキサス州サンアントニオに女性3人組のインディーロックや
    パンクロック系バンド
    「Girl in a Coma」(ガール・インナ・コウマ)
    があって、2007年頃からそこそこ注目を集め始める中、2014年に、
    その3人組のヴォーカルとギター(と作曲も)担当の
    Nina Diaz(ニーナ・ディアス)のソロプロジェクトが立ち上がり、
    ニーナ・ディアスが暫くソロでの楽曲アルバム制作に専念する、
    ってことで、その間、
    バンドの残りの二人、ドラムス担当のPhanie Diaz(ファニー・ディアス)
    とベイス担当のJenn Alva(ジェン・アルバ)が、
    ニーナ・ディアスの代わりに、自分達よりもキャリア的に若い、
    女性ヴォーカリスト(LETTY)と男性ギタリスト(AARON)とを迎え入れて、
    女性3人男性1人で結成した
    (男性は1人いるけど)チカーナ・パンク系バンド、
    それが、この「Fea」(フェア)。
    因みに、バンド名は、スペイン語の単語で
    「feo」(フェオ/男)
    「fea」(フェア/女)
    →「ugly , bad , nasty」
    <醜い、不快な、汚い、悪い、悪意ある、意地悪な>系の意味だけど、
    見た目とか性別とか関係なく、
    自分自身であること、自分らしく生きること、
    性差別なく公平な扱いを受けること…みたいな、そういう観点での主張
    を表現する楽曲を追及していたりするようなので、
    「Fea」(フェア/不細工女、醜女)というバンド名は、
    一見マイナスイメージな単語に、
    ポジティブな意味合いを込めて、敢えてそういうバンド名にした、
    ってことらしい。
    で、そのバンド名がそのままアルバムタイトルとなったこの「Fea」
    のプロデューサには、
    米国の女性パンクバンドBabes in Toyland(ベイブズ・イン・トイランド)
    のドラマーLori Barbero(ローリー・バルベロ)や、
    女性パンクロックのレジェンド歌手Alice Bag(アリス・バッグ)等が
    名を連ねていて、知ってる人には、
    その辺からも、このアルバムに興味をそそられるって要因も大きいのかも。
    因みに残り二人のプロデューサは、
    アリス・バッグやローリー・バルベロよりも若い世代のミュージシャン…
    パンクバンドAgainst Me!のリードヴォーカルでギタリストの
    Laura Jane Grace(ローラ・ジェイン・グレイス)と、
    アルゼンチン系スウェーデン人のインディー・フォークミュージシャン、
    Jose Gabriel Gonzalez(ホセ・ガブリエル・ゴンサレス)
    …その4人で計12曲をプロデュースしている、といういことらしい…。

    自分が、このパンクバンドFeaの存在を知ったのは、
    2015年の1月末から2月にかけての頃だったんだけど、その頃は、
    漠然と、そんなバンドがあるんだな、と思った程度だったんだけど、
    そこから1年半ほど経って、
    このFeaも遂にアルバムが発売になったってことで、先月8月Alt.Latinoの
    「’There Are No Rules’: Fea Talks Latina Punk」
    という放送回に、ファニーとジェンがゲスト出演して、色々と、
    このアルバムのことだけでなく、パンク音楽に関すること、または、
    依然として女性に対してステレオタイプや差別または公平でない待遇、
    というモノが存在する社会で、それに屈せず自分らしく生きること…
    その生き様を貫くこと自体がパンクだ…
    という話とか、どんな音楽を聴いて育ったか、とか影響を受けたか、
    って部分の話とか…そういうのを聴いて、
    色々と興味が湧いて、で、少し確認したら日本でも入手出来そう、
    ってことで、これも何かの縁だな、
    と注文して、届いて…ともかく、実際に、全12曲を聴いてみて、
    個人的な第一印象としては、
    やっぱり、Girl in a Comaの時よりも、
    よりパンクロックに特化した楽曲アルバムなんだな、ってことと…

    1曲目「Mujer Moderna」(ムヘル・モデルナ)は、
    歌詞が1番2番とも英語の歌詞で始まるけど、
    後半からサビの部分はスペイン語の歌詞、の曲。
    2曲目「Feminazi」(フェミナツィ)は、
    歌詞が基本的に英語、サビの部分に少しスペイン語が混ざる程度、の曲
    …スペイン語っていうか、
    「I am」をスペイン語とかドイツ語とかで言ってるだけかな…
    4曲目「Tragedias」(トラヘディアス)は、
    歌詞がスペイン語の曲。
    6曲目「No Hablo Espanol」(ノ・アブロ・エスパニョール)は、
    歌詞が基本的には英語、
    曲タイトルにもなってるサビのフレーズだけがスペイン語、
    みたいな感じかな…まぁでも、考えたら、
    「ノ・アブロ・エスパニョール」=「私はスペイン語を話さない」
    って歌なんだから、基本的にスペイン語で歌うわけないよね…
    10曲目「Poor Little Rich Girl」は、
    歌詞は基本的にスペイン語だけど、
    そこに英語の歌詞も所々混ざってる、系の曲…
    っていうか歌詞のパターンが少ないんで、
    スペイン語歌詞と英語歌詞とが交互に半々、みたいな印象かも。
    で、それ以外の曲は、歌詞が全部英語で…
    スペイン語の歌詞がメインの楽曲は、実質2曲くらいで、
    少しスペイン語の歌詞が混ざってるって曲を含めても5曲しかないんで、
    聴く前に想像していたよりも、
    スペイン語で歌っている曲はずっと少なかったな、というか、
    よくよく聴くと、半分以上が英語の曲だったな、
    と…その辺が、多少、意外だった気も最初はしたけれど、でも、
    Girl in a Comaとしての楽曲や、
    ニーナ・ディアスのソロ楽曲も英語歌詞の楽曲がほとんど、
    って印象なので、そう考えれば、
    この人達のバンドの楽曲としては、こんなものなのかな…
    とも思ったり。
    ある意味、テキサスとかその地域で、長年、
    移民差別的な色んなアレがあったりで、
    メキシコ系移民が米国社会で成功するには、
    英語だけ喋ってスペイン語は喋らないほうがいい、ってことで、
    子供にスペイン語を喋らせないようにしたり、
    その結果、移民3世とかの世代は、あまりスペイン語を喋れなかったり…
    みたいな、そういう社会的側面が、
    このアルバムの収録曲中の、英語歌詞の楽曲と、
    スペイン語歌詞の楽曲の配分比率にも、反映されてる、とも言えるのかも…。
    ただ、最近は、
    米国内でのラティーノ系住民の比率が増えてきたのを受けて、
    スペイン語に対するネガティブなアレが薄まってきて、
    スパングリッシュみたいな両言語が混ざったモノが普通に使われて、
    許容されていたり…みたいな状況なんで、
    今の10代とか20代とかの移民系の人達であれば、
    もっと、英語とスペイン語とが半々とか…
    でも、このバンドの、ファニーとかジェンは多分今30代後半とか、
    それくらいの年齢で、
    テキサスのサンアントニオ辺りで生まれ育った移民系の人達は、
    まだ今みたいなそんな時代じゃなかったから、
    みたいな…そんなことなのかな、とも思ったり…。

    歌詞の言語とは別の観点で、
    8曲目「Sister K」は、
    中学時代通っていたカトリックスクールの
    校長だった修道女、シスター・キャスリーンが嫌なヤツだった、
    「地獄に落ちろ」と彼女のことを友達に愚痴る2分26秒のパンク曲、
    早口で彼女への恨み辛みをぶちまけて、2分半弱で、
    嵐のように駆け抜けて行く感があって、ソレが何かコミカルでもあり、
    面白い曲だな、という印象。
    11曲目「Veins」は、
    曲冒頭や途中で3拍子のメロディを組み込んでる部分が、
    いいインパクトになってて面白いな、と個人的には印象に残ったり。

    曲の内容的には、自由で色々と進んだ国な米国と言えども、
    女はこうでなきゃ、とか色んなステレオタイプとか偏見とか抑圧、
    がある社会で、そんなものは糞食らえで自分自身であること、
    を目指す女性の主張とか本音、
    みたいな歌や、北米や南米に広く伝わるLa Llorona(ラ・ヨロナ)
    の伝説を題材にした歌を、
    パンクかつ娯楽性を追及した楽曲に仕上げた…みたいな12曲で、
    夫々の曲に勢いと、自由なフリーダム感があって、
    一気に駆け抜けるように全12曲38分が、
    気付いたら、あぁもう、最後の曲か…みたいな……
    そんな感じで、
    個人的には、好印象でそこそこの満足感を味わえた楽曲群で、
    価格的にもお買い得感のある価格で買えたんで、
    買って聴いた甲斐はあったと思うんで、
    今後も、折に触れて繰り返し繰り返し、楽しみながら聴き続けよう…
    という、そんな感じです。

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     2016/08/28

    4枚組CD計99曲5時間2分…
    20世紀前半の世界的テノール歌手の歌声を、
    お腹いっぱい堪能出来るアリア&歌曲集コンピレーションアルバム
    「John McCormack - Icon: I’ll Walk Beside You」。

    マイクなしで7000人以上の観客が溢れるホールを感動させた、
    と伝えられるほど、
    音楽家としての力量としても、
    その他の性格面でも豪快で魅力的なアイルランド人テノール歌手
    John McCormack(ジョン・マコーマック/1884-1945)は、
    Enrico Caruso(エンリコ・カルーゾ/1873-1921)
    よりも一世代後の歌手って感じだけれど、
    オペラ曲だけでなくてドイツ語のリーダやポピュラーソング等も歌って、
    その歌声で世界的スターになった人で…

    …因みに、亡くなる数年前までは音楽活動を続けていたっぽいけど、
    彼の歌声の全盛期は1910〜1920年頃、1938年に引退した、んだけど翌年、
    第二次世界大戦が勃発して、
    赤十字の活動の為に歌ったり、戦意高揚への宣伝協力的な形で歌ったり、
    って形で1943年まで…体調が悪化してもうどう頑張ってもコレ以上は歌えない、
    という状況になるまで、歌い続けて…1945年秋に亡くなったんだとか…

    歌声の大スターって系譜の観点だと、
    エンリコ・カルーゾ→ジョン・マコーマック→ビング・クロズビー
    →ナット・キング・コウル→エルヴィス・プレスリー…
    という流れがある、ってことかな…
    と自分の中では理解しているんだけど…ともかく、
    歌声は天使のような、私生活は派手に散財してロックスター的な、
    テノール歌手がいた…
    とジョン・マコーマックを紹介する2010年7月にNPRで放送された
    「John McCormack: The Charming Irish Tenor」
    を聴いてから、ずっと興味はあったんで…
    で、
    少し前に、エンリコ・カルーゾの歌声を集めたCDを入手して聴いたので、
    じゃあ、次は、ジョン・マコーマックを、聴いてみたいかな…
    と思って少し探したら、
    この4枚組が、量的にも価格的にもお得だ、
    ってことで入手して、
    聴いてみて…まぁ、分量的には、申し分なかったけど、
    …ただ、上述のNPRの放送内で紹介されてた「Macushla」(マクシュラ)
    っていうアイルランド民謡が、
    この4枚組の収録曲計99曲の中に含まれてなかったのは、
    ちょっと残念だったかも…。
    それはまた、縁があれば、別の形で購入しようかな、
    それ1曲だけDL販売とかであれば、ジョン・マコーマックが歌っているヤツで…
    そんな感じ。

    …それはそうと、自分は、オペラとかクラシック系は詳しくないので、
    知らない曲のほうが圧倒的に多かったけど、
    オペラ曲の幾つかは、
    少し前に聴いたエンリコ・カルーゾのCD、
    で歌われているのを聴いたから知っていたって曲もあったり…
    他にも…最初聴いた時に、
    映画とかで使われてるのを聴いたことがあるクラシック系のメロディだな、
    と思って、何ていう曲だっけ?…と思ったんだけど、
    日本においては、
    「別れの曲」の名で広く知られているが、
    西欧においては「Tristesse」(悲しみ)の愛称で知られている、らしい…
    ショパンの「練習曲作品10第3番ホ長調」
    のメロディに歌詞を付けた歌ってのが、コレまでに幾つも創られていて、
    その中の1つに「So Deep Is The Night」
    って歌があるんだな…
    とか、
    同じく、聴いたことあるメロディだな、と思って確認したら、
    「Jeanie With The Light Brown Hair」
    という曲は、オリジナルは「薄茶色の髪のジーニー」
    だけど日本では何故か「金髪のジェニー」
    と印象操作した曲名が浸透しちゃったんだ、というようなこと、
    それ以外でも、
    日本では、「Danny Boy」って曲として知られてる曲も、
    元々は北アイルランド地域の「Londonderry Air」
    って曲に20世紀初め頃に歌詞が付いたもので、
    他にも色々な歌詞が付けられて色んなバージョンがあり、
    この4枚組に収録されている
    ジョン・マコーマックが歌った「O Mary Dear (Londonderry Air)」
    も、そういうモノの1つ、ってことなのかな…
    とか思いながら、ふと、
    そういえば、日本のやなぎなぎの「クロスロード」も、
    そういう系統の1曲、になるのかな…
    と思ったり。
    あと、ピアノのメロディが聴き覚えあるな、と思ったら、
    「Jesu, Joy Of Man’s Desiring」(主よ、人の望みの喜びよ)
    は、ドイツ語の賛美歌コラールの歌詞を英語版歌詞にした曲だったり…。

    初めて聴く曲は山ほどあったけど、
    色々聴いてる中で、
    「Come Back To Erin」っていう曲の、
    「Erin」(エリン)って何処のことなんだろう?と思って確認したら、
    アイルランド英語で、アイルランドのことをエリンと言うんだ、
    という今まで知らなかったことも知れたりで…
    そういう面でも、興味深かったり。

    純粋に初めて聴いて、曲そのものが印象深かったのは…個人的には、
    「Semele HWV58: Where’er you walk」…
    セメレっていうギリシア神話に登場する女性を描いた三幕構成の音楽劇、
    の第二幕で歌われるアリアの1つ、らしい…とか表題曲の
    「I’ll Walk Beside You 」…
    コレは第二次世界大戦中の英国で人気があった切ない系ラブソング、
    なんだとか…自分が聴いた第一印象的には、
    優しい歌声で、最後は、夢の大地まで一緒に歩くとか歌ってるから、
    子守唄かな、とか思ったりもしたんだけど…
    因みに1939年に創られた曲ってことなんで、引退を発表したけど、
    世界大戦勃発で、結局もう少し音楽活動を奉仕活動的に続けることになった、
    そういう時期に歌っていた歌、ってことになるわけで…
    そう思うと、年輪を重ね人生経験を積んだ枯れた味わい、みたいなモノも、
    その歌声に含まれているような、そんな気もしたり…
    で、よくよく聴けば、
    死ぬまで(死んだ先の世界までも)君と永遠に一緒に歩く…
    という一途な想いを歌っているラブソング、
    ってことなんだね…とか、
    あとは「The Star of the County Down」ってアイルランド民謡系の曲が、
    ちょっと、こういうメロディや曲調なら日本でも、
    同じような曲があるような気がするな…と、素朴に思ったりして、
    印象に残ったり…。

    そんなこんなで、一部、聴き覚えのあるメロディの曲から、
    初めて聴く曲まで、計99曲…けっこう、甘く優しく包み込むような歌声で、
    心地よい子守唄になりそうな曲が多かったな、
    という印象も持ったり…っていうか、実際に子守唄系の楽曲も収録曲中に、
    含まれてたみたいだね、確認してみると…
    勿論、オペラ曲とかでは、
    ドバーんと力強く、声を響かせてるようなのも歌っているけど…
    何と言うか、
    エンリコ・カルーゾの歌声のCDを聴いた時には、
    100年以上前の、録音技術が今と比べたらもう、酷い、
    そういう時代の録音で、ここまでの音が録音されてるってことは、
    実際の歌声はかなり凄かったってことなのかな…
    と漠然とは想像がつくけれど…
    みたいな、そういう印象のみだったんだけど…この、
    ジョン・マコーマックの歌声は、
    そういう印象にプラスして更に、もっと歌声の繊細な部分にも、
    ぐっと惹き付けられる何かを感じるような、
    個人的には、そんな印象を受けたり…
    …ただ、ソレは、この前入手したエンリコ・カルーゾのは、
    イタリア語とかナポリ語で歌ってるのばかりで、自分には言葉が全然、
    ってのばかりだったけど、
    こっちのジョン・マコーマックのは、
    勿論、イタリア語とかドイツ語とかフランス語とかで歌ってる曲もあるけれど
    アイルランド民謡系とかポピュラーソング系のとか、
    元々はドイツ語の賛美歌とか、
    その辺の曲は英語の歌詞で歌ってたりする分、
    自分にはこっちのほうが、とっつき易かった、という面もあるのかも。

    …余談で、普段、というか、ここ数年は、
    ラテンアメリカ系の音楽ジャンルや楽曲を中心に聴いているせいか、
    こういうクラシック系の特に、歌声を味わう系の楽曲群を聴いていると、
    メロディや音楽的には美しい楽曲ばかりだとは思うけれど、つい、
    打楽器やパーカッション系の音楽要素が足りないな…
    と感じてしまう自分がいたりも…。

    とりあえず、
    コレが届いてから、全曲を数回ずつは聴いたけれど、
    4枚組CD計99曲5時間2分という分量なんで、
    中々、通しで全曲いっぺんに聴くってことは難しいけれど、
    今後も、折に触れて、繰り返し聴いて、じっくりと味わえればいいかな、
    と思って、満足しています。

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     2016/08/19

    まぁ、最初に1つツッコミを入れるなら、
    この作品のタイトルが
    「The Undisputed Queen Of Salsa」(誰もが認めるサルサの女王)
    というタイトルなのに、
    「収録曲には、サルサは1曲もありません」みたいな…www
    ある意味、紛らわしいタイトル…何故か?

    コレは、
    25曲71分のDISK1と25曲68分のDISK2という、
    2枚組CD計50曲139分のセリア・クルス初期の楽曲を集めた
    コンピレーションアルバム。
    ここで言うところの、セリア・クルス初期、ってのは…
    収録曲の録音年代を確認してみると、
    1950〜1962年に録音された楽曲が収められているようで…
    即ち、
    キューバを拠点に世界ツアーをしていた、
    キューバ革命でカストロが政権を掌握する(1959年)よりも前の時期と、
    キューバ革命後にキューバには戻らず米国に亡命した直後頃。
    つまりは、
    後に、サルサの女王とも呼ばれるセリア・クルスだけど、
    1960年代前半にNYで、
    キューバのマンボやソンと米国のソウルやR&B音楽が融合したブーガルー
    が生まれ、更にソレが発展して、
    1970年代のNYでキューバだけでなくプエルトリコやドミニカ共和国等、
    カリブ海地域のサウンドとラテンジャズとが、
    色々と垣根を越えて混ざり合いサルサ音楽が誕生する、
    という歴史的経緯を辿る、
    (因みにファニア・レコーズが設立されたのは1964年)
    それよりも前の時期、
    まだサルサはおろかブーガルーも誕生する前の時期の、まだ純粋に、
    多様なキューバのフォーク系または伝統系音楽…
    ソンやボレロやワラチャ、ルンバ、ワワンコ、チャチャチャ等
    を歌う歌手だった頃のセリア・クルスの楽曲集、
    という感じ。
    ある意味、「Buena Vista Social Club」のような、
    60年以上前(キューバ革命以前)の古きよき時代のキューバ音楽、
    みたいなののファンの人と、
    セリア・クルスファンで、かつ、
    米国を拠点に世界的レジェンドとなる以前の彼女の曲も味わいたい、
    という人…の需要に応えるような、そんな2枚組CD。

    つまりは、後にサルサの女王と呼ばれるキューバ出身女性歌手の、
    バックボーン、または根底に流れるキューバ音楽を
    楽しむ為の楽曲集。
    見方を変えると、こういう多様なキューバ音楽の歌姫的な人が、
    キューバ革命後、亡命して米国に拠点を移したからこそ、
    その後の米国で、ブーガルー、そして更にはサルサ、という音楽ジャンルが、
    誕生し発展し花開いた、のかも知れないな…
    という、そういう部分を味わう2枚組CDってことになるのかも。

    …自分は、そういう初期のベスト盤、だとは知らず、
    純粋にセリア・クルスのベスト盤的なアレだと思って注文しちゃったんで…
    個人的には、
    1974年の「Quimbara」(キンバラ)とかも収録されてるような、
    そういうベスト盤のほうがよかったんだけど…
    まぁ、コレも、何かの縁だと思って、
    実際にこの2枚組CD計50曲139分を聴いてみて…

    …セリア・クルスの50年以上続く音楽キャリアの中から見れば、
    初期の頃と言える時期の楽曲のベスト盤って感じの、
    1950〜1962年に録音された楽曲群だけど…
    1925年生まれのセリア・クルスにとって、この時期は、
    20代半ばから30代後半にさしかかった頃で、
    聴いてみれば、もう歌声的には、少なくとも30歳になる頃には、
    後々の1970年代とかに、サルサの女王とか呼ばれて、
    世界的なレジェンドとなる、その頃と変わらぬ力強く魅力的な歌声として、
    ほぼ完成していたんだな、と…で、
    その後も、その歌声を磨きつつ、衰えぬように維持し続けて、
    40代50代60代70代とずっと、パワフルに歌い続けていた人なんだな、
    というのが実感出来て、それが先ず、
    聴いた甲斐があってよかったと思える第一点かな。
    …結局は、アレなんだね…この2枚組CDに収録された曲を録音した
    キャリア初期の時期に、まぁ、ソロとかそういうんじゃなく、
    キューバ音楽のバンドの魅力的な歌声の歌手として、
    …ツアーで世界を巡ってたわけだしね…既に世界的に認知され、
    名声も得ていて、って感じだったのが、
    その後、米国に亡命して活動拠点を移して…で、1970年代のサルサ誕生、
    の時期に、再度、人気に火が点いて、再び世界にその名を轟かせた、
    と…そういう、ことなんだな…
    というのは聴いていて実感し納得出来た…そんな感じ。
    で、聴いてよかったと思える第二点目…
    全50曲の内、他の作品や音源で、
    これまでにセリア・クルスが歌っているものや他の人が歌っている、
    のを聴いたことがあった曲が個人的には4曲あったけど、
    それ以外は初めて聴く曲だったんで、
    沢山キューバ関連の楽曲を新しく聴いて知ることが出来たんで、
    個人的には、ソレもよかったね…
    そういう観点では、マニア向け、コレクター向けなコンピレーションアルバム、
    ってことに、なるんだろうね。

    とりあえず、収録曲中で、
    手許に別音源等で既に持ってて聴いたことがあって知っていたのは、
    「Cao Cao,Mani’picao」
    「Burundanga」
    「Oyela Gozala」
    「Goza Negra」
    の4曲だったけど、これ等は、
    そういう他のキューバ関連のコンピレーションアルバムにも収録されてる曲
    ってことで、それだけ、人気の高い古典的名曲ってことになるのか、
    このアルバム収録の50曲の中でも、
    聴いていて、印象に残ったほうの曲だったんじゃないかな、
    と思ったり…っていうか、
    最初は…聴いてみて、これとこれとこの曲が、よかった…的に、
    列挙しようかな、と思っていたんだけど、
    実際に、よくよく聴いてみると、
    セリア・クルスのパワフルな歌声が特に耳に心地よい曲、
    アフロキューバンな各種パーカッションのリズムが印象深い曲、
    その両方が合わさった曲、
    更には、アフロキューバンのパーカッションと、
    トランペット等の管楽器の音とピアノの音との渾然一体感、
    更にそこにセリア・クルスの歌声が合わさり…という曲…等々…
    あ、あと、曲によっては、
    サンテリア信仰系の音楽要素や、
    歌詞の中に、エレグアとか、オリシャ(神様)の名前が出てきたり、
    っていうのも個人的には興味深かったりするし…
    ってことで、
    楽しめて気に入った曲、印象に残った曲を列挙するときりがない、
    っていうか、
    よかった曲を1つ1つ列挙するよりも、
    コレとコレとコレは普通だったけど、それ以外は全部よかった、
    と形容するほうが手短に済むくらいに、
    いい曲が多かった…
    …ってことで、
    はじめは、セリア・クルスの全キャリアでのベスト盤なのか、
    と思って注文して入手したんで、届いた時、
    初期の楽曲のベスト盤だったと分かって、少し、期待ハズレな感じかも、
    と聴く前には思っちゃったりも、してたんだけど、でも、
    実際に聴いてみたら、
    収録曲50曲ある内で、それなりに気に入った曲が半分以上、
    というか、30曲は確実にあった感じだったので、
    自分にとって、この2枚組CDは、少なくとも、ハズレではなかった、
    ってことは確実に言えるんじゃないかな。
    …そんなこんなで、この2枚組のは、
    セリア・クルスの総合的なベスト盤ってことではなくて、
    キャリア初期頃に歌っていたキューバ歌謡名盤、
    みたいなアルバムなので、
    万人向けじゃないマニアやコレクター向けなヤツだったけれど…
    セリア・クルスをより深く、
    今まで以上に知るキッカケにはなったんで、個人的には、
    興味深く聴けて、何よりも、純粋に音楽的に、
    高いクオリティの楽曲群だったから尚更、言うことなく、大満足!
    って感じ…なので、
    今後も、折に触れて繰り返し聴いて、色々と楽しめれば、と思います。

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     2016/08/18

    計14曲38分のボサノヴァ楽曲アルバム。
    1974年にブラジルのエリス・ヘジーナとアントニオ・カルロス・ジョビンが、
    米国LAのスタジオで16日間かけて録音し、同年に発売になった、
    というアルバムで、エリス・ヘジーナにとっては、
    それまでずっと、ジョビンと一緒に、彼の楽曲でフルアルバムを録音したい、
    と希望していた長年の夢が叶ったアルバムでも、
    あるんだとか。
    ただ、別に、彼女のこのアルバムの為に彼が全曲新曲を書き下ろしたとか、
    そういうアルバムではなくて、
    曲自体は、1960年から、この1974年以前に創られて世に出ていた曲も、
    多く含まれている…っていうか、
    自分も、そんなに詳しくないんで、少なくとも収録曲目の内7〜8曲は、
    当時既に過去の曲だな、と分かる程度で、
    それ以外の残りの曲に関しては、当時の書き下ろしの新曲だったのか、
    既に発表済みの曲なのか、って部分は、
    はっきりとは、
    分からないんだけど…。

    ともかく聴いてみて…
    正直、自分はボサノヴァ系のヴォーカルっていうと、
    ナラ・レオンのほうが馴染みがあって、好きなんだけど…
    でもまぁ、
    エリス・ヘジーナの歌声も、コレはコレで、
    悪くはないかな、とは思う。
    あと…同時期のブラジルのボサノヴァ&MPBジャンルの歌手として…
    その、1950年代末にボサノヴァが生まれて、
    その後、ブラジル自体は1964年から1985年まで20年間、
    軍事独裁政権が支配する、という社会状況の中で、
    1960年代末からパリに亡命したナラ・レオンと、
    亡命はしなかったエリス・ヘジーナ。
    また、
    一時音楽活動を休止した後、1979年に治療不可能な脳腫瘍が判明し、
    時を同じくして音楽活動を再開し1989年に亡くなるまで、
    出来る限り精力的に音楽創造活動を続けたナラ・レオンと、
    亡命もせず音楽活動の中断もせずやってたけど、
    麻薬のコケインと酒と他の薬物とをちゃんぽんしたら不慮の心停止、
    みたいなことで1982年1月に亡くなったエリス・ヘジーナ…
    そんな2人の夫々の人生を知った上で、
    双方の歌声を聴き比べれば、どっちの歌声にも、
    夫々の生き様というか人生というか、が反映されてるような気がして、
    ソレはソレで、興味深い気もしてきたり…。

    今回自分は、ついこの前、
    エリス・ヘジーナの生前最後の、
    そういう意味では遺作となった1980年のスタジオアルバム「Elis」
    を聴いてみて、そっちは、ボサノヴァじゃなくて、
    ボサノヴァから発展した、もっとポップ系のサウンド、即ちMPB
    のアルバムだったので…何というか、
    この1974年の、
    アントニオ・カルロス・ジョビンとコラボしたボサノヴァの名盤
    (…と世間的に言われているっぽい…)
    「Elis & Tom」もセットで聴いておかないと、片手落ちかな、
    という気がしたんで、
    入手して聴いてみようって流れに、個人的には、
    なったんだけど…
    実際に聴いてみて、個人的には、ボサノヴァの歌声としては、
    ナラ・レオンのほうが好きかな、
    って感じなんだけど…
    一方で、エリス・ヘジーナはあの、1980年の「Elis」みたいな、
    MPBの楽曲のほうが、活き活きしていて魅力的かな、
    と…こっちのボサノヴァのアルバムを聴いてみて逆に、
    そっちのほうの良さを実感した、
    みたいな。
    …勿論、コレはコレで、そこそこのアレだとは、思うけど…。

    収録された全14曲中で、
    特に印象に残ったのを挙げるとするなら…
    歌詞内容はどうか知らないけど、メロディや曲調が暗くなく明るい感じの
    1曲目「Aguas De Marco」
    3曲目「So Tinha De Ser Com Voce」
    5曲目「Triste」
    9曲目「Brigas Nunca Mais」
    11曲目「Fotografia」
    13曲目「Chovendo Na Roseira」
    …とかは、まぁ、いい感じに心地よいイージーリスニング系な曲だな、
    って感じ…と思って振り返ってみれば、
    全14曲中、明るいめの曲調の曲が上述の6曲、残りの8曲は、
    暗いめというか落ち着いた系というか、ってことで、
    全体としては、暗過ぎず、明る過ぎず、
    って感じになるように、収録曲が考えて配置されてるんだな…
    という収録作品構成に関しても、
    見えてきたり…。

    …今回、この1974年のアルバムを聴きながら、自分は何故か、
    エリス・ヘジーナのことと同時に、ナラ・レオンのことも考えてしまってた、
    という感じになったんだけど…更に、
    別ジャンルの比較対照になるし、厳密な過程や結果は同じではないけれど、
    当時のブラジルの大衆音楽ジャンルにおける、
    ナラ・レオンとエリス・ヘジーナっていう2人っていうのは、
    キューバ出身で、キューバ革命後に亡命して米国に活動拠点を移した
    セリア・クルスとラ・ルーペの、米国音楽文化内での関係に、
    似た部分があるのかな…と、少し思ったりも…その……
    夫々、狭い音楽ジャンルなんで、女王の玉座は1つしかないんだけど、
    玉座に値する実力のある2人が同時代にいて…みたいな、
    そういう意味合いで。
    …その、ラティーノ系コミュニティでは、
    セリア・クルスとラ・ルーペとが、
    天使と悪魔、太陽と月、光と影、清純派と妖艶派、聖女と悪女、
    (1960年代頃の基準での)全年齢OKとアダルト向け、
    みたいな感じで対比されることが多いようで…
    ナラ・レオンとエリス・ヘジーナも、
    …全年齢OKとアダルト向け、っていうアレではなかったかも知れないけど…
    若干、似たような、同時代に両雄並び立たず、的な…そんな部分も、
    あったんじゃないのかなぁ…みたいな…
    …まぁ、聴きながら、そんな部分にも想いを馳せられたり、
    っていうのは、ある意味、それだけクオリティの高い作品である、
    ってことの裏返しなのかもね…
    ってことで、今回、入手して聴いた甲斐は、そこそこにあったと思うし、
    今後も、折に触れて、繰り返し聴いて楽しみたいな、
    と…そんな感じです。

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     2016/08/17

    基本的には、テックスメックス系カントリー音楽の楽曲アルバム、
    という感じの計12曲49分。

    テキサス州オースティン出身のメキシコ系米国人シンガーソングライターで、
    バイオリンやギターやエレキマンドリンの奏者でもある
    Carrie Rodriguez(キャリー・ロドリゲス)
    は、2002年頃からプロとして活動はしているらしいけど、
    その存在を自分が知ったのは、
    毎週聴いているNPRのAlt.Latinoで今年2016年の1月中旬に
    「This Week On Alt.Latino: New Music, And Remembering A Legend」
    という放送回があり、
    そこで、翌月2月に発売になるこのカントリーアルバム「Lola」
    から、そのアルバムタイトルにもなっているローラ…
    ローラ・ベルトランというメキシコのランチェラ歌手に言及する歌
    「I Dreamed I Was Lola Beltran」
    が放送内で流され紹介されて…何となく聴いていると、
    その歌詞が…
    「私がローラ・ベルトランで、貴方がハビエル・ソリス…な夢を見た」
    という歌詞で…それって一体誰なの?
    と思って、少し確認してみると…
    どうも、
    Lola Beltran(ローラ・ベルトラン/1932-1996)
    はメキシコのランチェラ歌手で女優、
    Javier Solis(ハビエル・ソリス/1931-1966)
    もランチェラ歌手で俳優、
    で同年代の男女の俳優で映画で共演もしてる…ってことみたいだから、
    その歌詞ってのは、
    貴方と私が映画の中の美男美女みたいになってる夢を見た、的なこと?
    と漠然と思いながら、まぁ、
    雰囲気のある曲なので、へぇ、と思いながら聴いて印象にも残り…
    で、その後、3月下旬の
    「SXAmericas 2016: An Embarrassment Of Riches」
    という今年のSXSW特集の放送回や、6月末の
    「Alt.Latino Picks The Best Of 2016 (So Far)」
    という放送回でも、
    このキャリー・ロドリゲスの曲とアルバムとが紹介されてたりで…
    毎週聴いてる番組で、
    何度も繰り返し紹介されてるのを聴いてじわじわと興味が湧いてきて、
    かつ、偶々、タイミング的に、入手出来る縁も巡ってきて…
    ってことで、この計12曲49分のアルバムを入手。
    で、
    実際に全曲聴いてみて…

    基本、スペイン語で歌っている曲が4曲<1,6,8,12曲目>、
    スペイン語と英語とのデュエット系の曲が1曲<5曲目>、
    スペイン語で歌い始め、後半部分を英語で歌う系の曲が1曲<9曲目>、
    基本、英語で歌っていて、
    所々でスペイン語が混ざった感じの曲が5曲<2,3,4,7,10曲目>、
    とインストゥルメンタル曲が1曲<11曲目>、
    の全12曲で…

    やはり、一番、印象深く雰囲気のある曲は、
    3曲目の「I Dreamed I Was Lola Beltran」かな…

    あと、
    4曲目「La Ultima Vez」では、
    テキサス州オースティン繋がりのアーティスト、
    2014年度のオースティン音楽賞でミュージシャン・オブ・ザ・イヤー他
    多数の賞を受賞したGina Chavez(ジーナ・チャベス)
    がゲスト・ヴォーカルとして参加して、
    ハーモニー的なコーラスを担当しているってことで、知ってる人には、
    ちょっと豪華なゲスト、って感じだよね…。
    この曲は、基本的に英語で歌っていて、サビの部分が、
    英語とスペイン語の歌詞が混ざってる感じ…。
    この曲は何か、歌いながら、ヴァイオリンも弾いてるっぽいから、
    何か、大変そうだな…とかも思ったり…
    ギターを弾きながら歌うのとは、やっぱ違うもんねヴァイオリンは。
    この曲以外でも、
    6曲目と7曲目の曲でも歌とヴァイオリンと、担当してるっぽいけど。
    そうそう、余談で、
    自分は全然ヴァイオリンとか詳しくないから全く知らなかったんだけど、
    キャリー・ロドリゲスって人のことを知って少し確認してみたら、
    何か、彼女は5歳の時からヴァイオリンを始めたらしいけど、
    それが、日本発祥のSuzuki method(スズキ・メソード)
    っていうレッスンで学び始めた、
    ということのようで…そんなのがあるんだ?!と、
    このキャリー・ロドリゲスがキッカケで、その存在を知って、
    へぇ、と思ったりで…
    でもだから、そういう意味では、彼女のプロとしての音楽ジャンルは、
    テキサス州地域のカントリー音楽だけど、
    日本とも、縁があるっていうか、無縁ではないってことで…
    興味深いな、と感じたり…。

    9曲目「Caricias」は、全体的にはしっとりと歌う系の
    カントリー音楽って感じだけど、スペイン語で歌い始めて、
    後半部分は英語で、という体裁の曲…シンプルな歌詞で美しいメロディ
    って感じで好感持てる曲だな、とは思う。

    最後の12曲目「Si No Te Vas」では、
    第52回グラミー賞の「Best Tejano Album」部門で賞を受賞したコンフント・バンド
    Los Texmaniacs(ロス・テクスマニアクス)の創始者で
    Bajo sexto(バホ・セクスト)奏者のMax Baca(マックス・バッカ)
    がゲスト参加している、らしい…
    このマックス・バッカも、テキサス近辺の音楽シーンでは有名な人なんだろうから、
    知ってる人には、豪華なゲスト演奏者ってことに、
    なるんだろうね…。
    11曲目のインストゥルメンタル曲では、
    エレキギターとヴァイオリンが使われていた部分が、
    12曲目では、ヴォーカルとバホ・セクストになった、ってことで、
    いいのかな…同じ曲でも編曲の仕方や演奏時間も違うんで、
    そう単純でもないとは思うけれど…。


    …全くの余談だけど、スペイン語初心者な自分的には、
    歌詞カードが付いてれば、より親切設計だったのにな、と思ったり…
    付いてたのは、各曲の担当パート他のクレジット表記と、
    あと、少し本人の作品発売に当たってのメッセージ&謝辞的な文章
    とが掲載された小冊子で、
    各曲の歌詞は、残念ながら掲載されてなかったんで…。


    …このアルバムを聴いての、別の観点からの印象として、
    その、昔の、リディア・メンドーサの時代であれば、基本的には、
    スペイン語で歌うって形で、
    今みたいに、スペイン語と英語とが混ざった形の、
    スパングリッシュ的な歌詞とか、はなかったというか、ありえなかった、
    というか…時代が流れて今は、米国内での、
    ラティーノ系住民の人口割合が増えて、ラティーノ系住民は、
    アフリカ系米国人(黒人)よりもずっと多くなり、まだまだ割合的に、
    増えて行く傾向にあり、今や米国で白人の次に多いのは、
    ラティーノ系住民であり、かつ白人の人口割合は減少傾向にあるという、
    そんな社会状況だからこそ、
    そういうスパングリッシュ的な言語が社会的に許容され、かつ普及して、
    ってことで、歌の歌詞としても、そんな歌が、
    どんどん創られてる、という…そういう状況なんだな、というのを、
    実感したり。


    …まぁ、そんなこんなで、個人的には、
    聴いていて、
    収録された楽曲そのもの、もそうだし、
    それが生み出された社会的経緯とか色々な観点で、想いを馳せて、
    興味深く、あれこれと楽しめたし、
    まだまだ繰り返し繰り返し聴いても飽きずに楽しめそうなので、
    それなりに、入手して聴いた価値はあったと思うし、
    今後もじっくりと、折に触れて、繰り返し聴いて楽しめればいいかな、
    と思っています。

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     2016/08/17

    R&B、ジャズ、ロック、ファンク、ヒップホップとカリビアンなリズム
    や電子音楽といった音楽要素の融合と、
    ソウルフルな歌声とで独自の雰囲気を醸し出す楽曲群、計14曲44分…
    少し確認してみると、コレは、
    2013年のデビューアルバム「Magic Trix」で注目を集めた新鋭アーティスト
    の2ndアルバム、ってことらしい。

    Xenia Rubinos(セニア・ルビノス)は、
    米国コネティカット生まれで、
    プエルトリコ系とキューバ系の家庭環境で育ち、
    今はNY市のブルックリンを拠点に活動するミュージシャン…
    キーボーディストでヴォーカリストで作詞作曲もし、
    曲によってはベースも弾く、という女性シンガーソングライター。

    上述したように2013年のデビューアルバムで既に、
    ラテンオールタナティヴ系の音楽通のような人達から注目を集めていた、
    そういう人らしいけど、
    自分がこのセニア・ルビノスを知ったのは、
    毎週聴いているNPRのAlt.Latinoで、今年2016年3月末の
    「Take Alt.Latino’s ’Ladies Of Spring’ Mix For A Spin」
    という放送回で、
    このアルバムの8曲目の収録曲「Lonely Lover」が、
    6月末の
    「Alt.Latino Picks The Best Of 2016 (So Far)」
    という放送回で、
    3曲目の収録曲「Mexican Chef」が紹介されているのを聴いて、
    そういう、
    カリブ海系ラティーノのバックボーンを持ちつつ、
    人種の坩堝的なNY市を拠点に、米国の音楽要素とカリブ海系の音楽要素や、
    更にはそれ以外の音楽要素も混ぜ合わせた、
    多国籍感または無国籍感漂うラテンオールタナティヴ系サウンドを創造する、
    セニア・ルビノスって人がいるんだな…
    と少し印象に残って…
    かつ、偶々、タイミング的に、入手出来る縁も巡ってきて…
    ってことで、この計14曲44分のアルバムを入手し、
    実際に全曲聴いてみて…

    やっぱ、
    3曲目の収録曲「Mexican Chef」で、
    繰り返し出てくる歌詞のフレーズ…

    French bistro
    Dominican chef
    Italian restaurant
    Boricua chef
    Chinese takeout
    Mexican chef
    nouveau America
    Bachata in the back

    …っていう歌詞も曲のメロディも…何か、そういう、
    NY市のブルックリン辺りの人種の坩堝感が、
    表れてるんだな…
    っていうか、特に、ラティーノ系の人達が、社会のあちこちに溢れて、
    フランス系、イタリア系、中国やアジア系の文化とも、
    混ざり合っているって状況を歌っている曲なんだな…っていうのが、
    …あと、他の歌詞でも、
    犬の散歩代行もベビーシッターも家政婦も、みんなブラウンがやってる、
    みたいな内容の…
    つまり、白人でも黒人でもなく、ブラウン=ラティーノ系って意味で…
    カリブ海地域や、中南米等からの移民が沢山流入してきていて、
    ラティーノ系の人口割合が増えているという状況が、
    表現されている、
    そういうのが、興味深く、印象深いな…と思ったり。

    一応、スペイン語でも英語でも歌う人らしいんだけど、
    このアルバムに関しては、
    基本的に全部英語の歌詞で歌っている感じだね、聴いてみると…。
    余談で、海外の作品のそのままの輸入盤みたいなCDだと、
    ペラペラの薄いブックレットに作詞作曲者や楽器担当者他のクレジット表記
    のみがあるだけで、歌詞カードとかがないことが多いけど、
    コレは一応、歌詞カードが付いていたね…
    そういう意味では、意外と良心的だったと言えるかも…。

    歌の内容的には、
    ラティーノ系の女性としての視点からの、
    米国社会で生きて行く上での、色々な想い…社会的な、
    差別とか不平等的なことに関する不満や憤りや問題提起的な、
    そういう部分とか、自分自身のアイデンティティとか、
    勿論もっとパーソナルな恋愛感情的な部分を歌った歌とかもある…
    けどまぁ、人種の坩堝的な状況ではない日本社会に住んでる自分達には、
    ピンとはきにくい内容の歌が多めかな、
    という印象…まぁでも、そういう細かな部分は置いておいて、
    単純にセニア・ルビノスの歌声と曲のメロディやリズムや雰囲気を楽しむ、
    という楽しみ方だけでも、そこそこ楽しめるんじゃないかな…
    とも思ったり。
    雰囲気を楽しむって意味においては、
    1曲1曲の雰囲気というよりは、
    1曲目から順番に最後の14曲目までを、その順番で全曲聴いて、
    トータルの44分間の雰囲気に浸る、
    という感じのアルバムだな、っていうか、そういうふうに楽しめるように、
    考えて曲が配置されているな、と聴いていて実感する感じ。
    アルバムの冒頭、中盤、終盤に、
    特に歌詞のない、演奏だけ、または、
    演奏に、コーラスというかハミング的で即興的な歌声が加わっている
    という感じの曲が配置されているのも、
    そういう意図からなんだろうね。

    個別の曲で印象に残ったのは、
    上述の3曲目「Mexican Chef」以外では、
    2曲目「Don’t Wanna Be」の終盤、一旦曲がフェイドアウトして、
    終わったのかと思いきや、
    再度音がフェイドインしてきて、っていう曲の締め方がカッコイイな、
    と思えたり…。
    後半の10曲目「I Won’t Say」は、
    ジャズとヒップホップ、そしてR&Bとが融合したような曲が、
    印象深かったり…曲の最後の演奏音のぶちっと切るような終わらせ方、
    も面白いな、と思ったり…。
    12曲目「See Them」や14曲目「How Strange It Is」も、
    メロディと歌声のインパクトと、その歌声の根底に流れる、
    怒りとか不満とか、そういうのが、はっきりと感じ取れて、何かしらの
    強い主張があるってことなんだろうな…
    というのが伝わって来る、という意味で印象深いな、と思ったり…。


    …まぁ、とりあえず、世界には、色んな環境で生まれ育って、
    その中で、自身の音楽を創造して表現している、そういう才能ある人が、
    色々といるんだな、と知れた、という意味では、
    入手して聴いた甲斐はあったと思うし、今回せっかく縁が巡ってきて、
    入手したんだから、今後も末永く、
    繰り返し聴いて楽しめればいいかな、と思っています。

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     2016/08/16

    『双星の陰陽師』の2代目OP曲「Re:Call」…
    表題曲以外のカップリング曲として2曲目に「鏡のLabyrinth」、
    3曲目に「真夏の花火と秘密基地」を収録したCDのみ盤。

    表題曲「Re:Call」は、
    『双星の陰陽師』の初代のOP曲が、インパクトの強い曲だったんで、
    そういう相対比較からすると、どーしても、
    ちょっと、インパクト的には、弱いなと感じる部分があるんだけど…。
    個人的には、
    ここ2年ほどのi☆Risのシングル曲ってのは、
    全部『プリパラ』のOP曲だった曲ばかりだったんで、
    『双星の陰陽師』の第14話から2代目OP曲に変わったのを視た時に、
    あ!i☆Risが『プリパラ』以外のOP曲を歌ってる!!
    みたいな、曲内容とは別の部分での驚きとインパクトがあった、
    という感じ…まぁ、熱心なi☆Risのファンの人なら、
    事前に、今度○○というアニメの新OP曲を歌う、ってことを知った上で、
    ソレを視てるんだろうから、自分のような驚き方をする人は、
    いないんだろうけど。
    とりあえず、曲の中身としては、曲自体のインパクトとしては、
    前回のOP曲に見劣りする部分はあるけれど、でもまぁ、
    第14話は、物語前半(第1〜13話)を半分、振り返るような総集編的な、
    そういうエピソードだったけれど、
    第15話以降の話の流れを視ていれば、この2代目OP曲「Re:Call」は、
    その物語後半の内容に即した曲になっているんだな、
    という部分は、ある程度は感じられるので、そういう意味では、
    それなりにしっかりと創られているな、という印象も、
    ないではない。
    けど、やっぱり、イマイチ感情移入はし辛いっていうか…
    例えば初代OP曲「Valkyrie-戦乙女-」は、
    完全に、紅緒視点で創られ歌われてる曲だったけど、
    この「Re:Call」は、
    歌詞を聴いてる感じでは、どちらかと言えば、ろくろ視点なのかな、
    って感じの歌詞だけど…
    でも、そうであれば、ろくろは「僕」とは言わないから…。
    その、もしかしたら、
    ろくろでも紅緒でも、どちら側ととらえてもOKなように、
    創ろうとしたのかも、知れないけど…
    だとしても、結果として、中途半端感だけが感じられてしまって、
    心に響かないっていうか、
    そういう感じになっている気がして、勿体無いというか…。
    それは、i☆Risが悪いっていうよりは、
    作詞作曲編曲をした人の責任なんじゃないか、って気がするんだけど…。
    根本的な企画として、
    その、芹澤優演じる音海繭良視点の想いを描いたような曲をi☆Risが6人で歌う、
    っていうんであれば、もう少し、しっくりくる曲が、
    出来たんじゃないのか?
    みたいな…そもそも、ろくろ視点、または、
    ろくろと紅緒共通的な視点からの曲、をi☆Risが6人で、っていう部分に、
    根本的に無理があるっていうか、
    作品OP曲としても、i☆Risとしても、双方の良さを十分には発揮出来てない、
    そういう取り合わせに、なっちゃってるような…
    とりあえず10回あまり聴いてみて、残念ながら、そういう印象が、
    強い、かな…。
    この曲内容であれば、アルバム内での一部収録曲でやってるような、
    6人で、じゃなくて、メンバーの中の誰か1人が歌うとか、2人で歌うとか、
    そういう感じにしたほうが、よりしっくりくるんじゃ、
    ないのかな…と。


    2曲目「鏡のLabyrinth」は、
    表題曲の「Re:Call」よりは、i☆Risが6人で歌う良さが、
    ちゃんと表れてる曲なんじゃないかな…
    歌声的にも、ちゃんと6人夫々の色が出ているし…。
    「それでも僕らは、歩いて行くんだ…」
    という歌詞から始まる…
    まぁ、こういう青春系応援歌のような曲は、これまでにも歌っているけど、
    i☆Risの歌声的には、ぴたりとハマる系の曲って感じだよね。

    3曲目「真夏の花火と秘密基地」は、
    今回のシングルの収録曲の中では、コレが一番好きかな。
    ポップで、爽やかなピュアさと若々しさが、
    感じられる曲で、聴いていて、ある意味、童心に帰るような癒しも、
    あるしね…。
    正直、コレをシングルの表題曲にして、
    「Re:Call」はカップリングの2曲目か3曲目、って扱いのほうが、
    曲のクオリティって面からは妥当なんじゃないか、
    と個人的には思ったり…。


    余談というか…
    i☆Risのシングルは、毎回、DVD付き盤とCDのみ盤とが出てる感じだけど、
    自分は曲が聴ければいいというスタンスなので、
    更に、DVD付き盤のCDの収録曲は2曲で、
    CDのみ盤は3曲収録っていうパターンになってるんで、
    値段が安くて1曲多く入っているから、必然的に毎回CDのみ盤を買う、
    って感じなんだけど…
    その、CDのみ盤だけに入っている3曲目、ってのが、
    個人的には毎回、気に入る曲だっていうか…
    「ミラクル☆パラダイス」の3曲目「Special Kiss」も
    「ブライトファンタジー」の3曲目「ハチャメチャ x ストライク」も
    「Goin’on」の3曲目「キラリ」も
    「Ready Smile!!」の3曲目「Garnet」も、そして今回の
    「Re:Call」の3曲目「真夏の花火と秘密基地」も…
    3曲目に収録されてる曲が、何かの作品のタイアップ曲である、
    っていう場合も時々はあるけど、それ以外の、
    特に何かの作品のタイアップ曲とかになってない曲であっても、
    けっこう毎回気に入って、
    何度も繰り返し聴いてしまう曲が、多いな、っていうのが個人的な印象で、
    その辺も、ここのところ、
    i☆Risのシングルを毎回買ってる理由の1つに、なってるのかも…
    個人的には、そんな感じ。

    …そんなこんなで、今回のシングルは、正直、
    ここ1年余り、i☆Risのシングルを続けて買っていたんで、
    半分、その流れで惰性で、買ってしまったような感じもあったんだけど…
    その、ここしばらくの『プリパラ』のOP曲とは違う、
    『双星の陰陽師』の2代目OP曲が表題曲というシングル…の、
    その表題曲は、イマイチ感がちょっとあったけど、
    カップリング曲の2曲、特に3曲目のがよかったんで…トータル的には、
    そこそこの満足度かな、と…個人的には、
    そんな感じです。

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