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TOP > My page > Review List of hitomaro
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1 people agree with this review 2012/10/15
これを初めて聴いて,レビンのことが大好きになった。 日々聴いていて思うことだが,パガニーニを「聴かせる」ひとに,悪い人はいない。「悪い」というのは,「演奏家の質」のことである。パガニーニはロマン派に入りそうだが,曲は古典的な様式も強い。音の派手さや,超絶技巧だけでは,人を感心させることはあっても,感動せることはできない。また,恣意にテンポなどをくるくる変えながら演奏する人も,嫌らしさを感じさせ下品になってしまう。また,ただ淡々と弾くのもだめで,音のパレットが豊かでないと聴くことはできない。その点,レビンはうってつけである。何より,音が豊かである。フランチェスカッティのおしゃれな豊かさとも違うし,オイストラフの大きさとも違う。もっと素朴で,純粋で,パステルカラー。それでいて技巧は確かだし,充実感がある。同録のメンデルスゾーンも音が伸びやかで美しい。若手や中堅の演奏家の中には,カッコを付けたり芸術家のポーズを取りたがる人がいるが,その人たちにこの録音を聴かせてやりたい。CDには小曲集も入っているが,これらも美しい。小曲にも気を抜かず,美しく仕上げようとするレビンの誠実さが感じられる。
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バッハ演奏で,特に印象深いのがシェリング,ミルシテイン,グリュミオーの3人である。3人とも出身は異なり,シェリングはポーランド生まれのドイツ流ヴァイオリン,ミルシテインはウクライナ出身のロシア流ヴァイオリン,グリュミオーはベルギー生まれのフランス流ヴァイオリンであるが,この3人からは非常に端正な印象を受ける。バッハはドイツ人だから,シェリングのヴァイオリンが合うのは理解できるが,だからといってドイツ人のバッハがすべて良いわけではない。ミルシテインはロシアの演奏家だが,オイストラフでは到底聴けない。フランスといえばフランチェスカッティなど,豊麗な音の持ち主は多いが,彼らでは,バッハが沈黙してしまう。3人の演奏で聴くと,ヴァイオリニストのうまさを感じると同時に,バッハの良さをしみじみと感じることができる。その中で,グリュミオーのバッハは,一番音が豊かでありながら,それでいて嫌らしさやわざとらしさを感じることはない,見事な演奏だ。特にオランダの至宝クレッバースとの2重協奏曲は,こういう美しさを表す言葉を自分が持ち合わせていないのが残念だが,とにかく聴いて欲しい。今まではメニューイン/エネスコの録音が私の中でベストであったが,演奏の質は均衡,録音の良さにおいて勝っているのでベストの順位は完全に入れ替わった。
2 people agree with this review 2012/10/08
ミルシテイン好きであったら,ぜひとも持っていたいセットです。 また,ミルシテインを聴いてみたい人にとっては,「まずはこのセットから」とお薦めしたい。 ミルシテインの音は必ずしもロマンティックではない。音の大きさで驚かせたりはしない。 ただ,正確なテクニックで,透明な音で弾く。これだけだと機械的な音になりそうだが,彼の根底には音楽を表現することへの強い情熱がある。同系統の奏者にはハイフェッツやシェリング,オイストラフが挙げられそうだが,ハイフェッツの切れ味についていけない人や,オイストラフの骨太な感じに飽きた人にはうってつけだ。 バッハは,ミルシテインが得意とした作曲家だ。というより,ミルシテインのバロックは,絶品である。ヴィターリのシャコンヌは,シェリングの端正に情熱を加えた名演。 ベートーヴェンは,オイストラフの力強い響きもいいが,透明感のあるミルシテインもときに聴きたくなる。 ブラームスは,ヨッフムとの盤が有名だが,こちらも悪くない。 チャイコフスキーは,個人的にはこの録音が他の誰より好ましい。個性たっぷりに歌い上げるよりも,曲自体の良さを感じさせてくれる。その上,ドライではない。 同様に,メンデルスゾーンもこの録音が一番好きである。アバドとの新盤も持っているが,録音の具合か,ヴァイオリンの音がとてもクリアである。メンデルスゾーンが嫌っていたロマン派的表現はそこにはなく,バロックや古典派を奏するような感覚で弾いている。これも,曲自体の良さを味わえる。 他の曲も同様に,質が高い。 これだけの録音が廉価で手にはいるのだから,買いである。
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