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　2021/03/19

江國香織によって編まれた詩のアンソロジー。
こういった本ではあまり取り上げられないような作家（林茉美子など）の詩に選者の好みが現れているように思いました。
江國さんによる訳詩もいくつか収録されており、それがまた興味深い内容でした。

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　2021/03/18

中川ひろたかと長新太による絵本。
大人はどうして泣かないんだろう……自分もかつてそんなことを考えていたはずなのに、この本を読むまですっかり忘れていました。
読み終わった後もずっと余韻が残る、素敵な作品です。

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　2021/03/18

ぶん　ぶん　ぶるるん　みつばち　ちくりと　おうしをさした…　
蜜蜂が牡牛を刺したのをきっかけに八つ当たりが連鎖していく様を描いた絵本。
リズミカルな文章とユーモラスな絵が楽しい一冊です。

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　2021/03/17

漫画家の一ノ関圭と歌舞伎研究家の服部幸雄により、8年もの歳月をかけて作られた絵本。
隅から隅まで描き込まれた緻密な絵は、膨大な取材の成果を伺わせます。
24ページにも渡る解説と絵の注も読み応えがあり、歌舞伎や江戸の風俗に興味がある人には強くお勧めしたい一冊。

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　2021/03/17

漫画家の一ノ関圭と日本近世史家の塚本学による絵本。
淀川べりの田畑で育てられた菜花が、海を越え“江戸のあかり”になるまでの道のりを描いている。
惚れ惚れするほど美しい絵は、読者の心を江戸時代へいざなうことに成功している。

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　2021/03/17

ドラマ『古畑任三郎』の西園寺守役で知られる石井正則氏によるハンセン病療養所の写真と、入所者の詩作品を収めた写真集。
写真群の多くは穏やかな風景を写したものですが、時折挟まれる詩は、想像を絶するほどの悲しみを生きた人たちがいることを読む者に伝えます。
また、巻末には日本のハンセン病政策と療養所の歴史についての概説があり、読者の関心に応える内容になっています。

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　2021/03/17

詩人の内田麟太郎と絵本作家の高畠純による絵本。
うしが後ろを振り返るとうしがいた……というだけの話なのですが、とぼけた味わいの絵と詩人の企みが見事にマッチしており、読後は思わず「うわ、ずるいなあ！」と声に出してしまいました（笑）。
全身の力が抜けてしまうような、呆れるほどくだらなく面白いオチは一読の価値あり。

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　2021/03/16

赤羽末吉による、ほとんど言葉の無い絵本。
着物から逃げ出した鳥模様を追いかけて、旅人は野を越え山を越え……というただそれだけのお話だが、今にも動き出しそうなほど生き生きとした絵は、何度見ても見飽きない魅力がある。

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　2021/03/16

赤羽末吉により選ばれた三十編のわらべうたと絵が収められた絵本。
著者は「この絵本はあくまで「唄」が主役で、「絵」はわき役である」と書いているが、唄に添えられた絵はそれ自体がとても魅力的であり、私などは、絵本というよりもむしろ上質な詩画集として本書を読んだ。

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　2021/03/16

長谷川集平のデビュー作。
有名な作品だが、不勉強な筆者は詳細を知らずに読み進めたため、森永ミルクが描かれたページで背筋が凍るような衝撃を受けた。
余りに哀しくやるせないお話だが、「きらいや」と言いながらも長谷川くんを放っておけない少年の姿に心救われる。

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　2021/03/12

谷川俊太郎の自選詩集。
長大なキャリアの中から著者自身が「ほとんど即興的に」選んだ詩作品が収められている。
その時々で様々な詩法を用いてきた谷川の詩選集であるから、読者は多様なスタイルの詩に出会うことができる。
詩人の軌跡を概観するのはもちろん、現代詩の入門にも好適の一冊と言えるかもしれない。

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　2021/03/12

分かち合うことの喜びを軽やかに描いた秀作。
躍起になって奪い合うことが常である大人の私は、自らの胸に手を当てて「ちょうど いい」とは何かを考える為に、何度もこの本を読み返したいと思った。

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　2021/03/12

地面から様々なものが現れては消える。
画面中央を真横に走る線は地平線なのだろうが、我々の知っているそれと同じものではないのだろう。
長新太の真骨頂とも言うべき不思議と可笑しみに溢れた傑作。

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　2021/03/12

兄弟アブのアブアアとアブブブが、動物たちの顔前に紙をパラリとさげては去って行く……という何とも掴み所のない話なのだが、これが滅法面白く、読後は不思議と「きもちが／スーッと／する」のだ。

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　2021/03/11

宇宙物理学者である著者のデビュー詩集。
「私は知っている。」で始まる、長くても三行程度の短詩群に高踏的なところはなく、その多くは素朴でユーモラスな味わいを持つものだ。
筆者としては、時折挟まれる科学者の感性が伺える詩に特に惹かれた。
「203.　私　は　知　っ　て　い　る。宇宙には匂いがないと。」（p.62）