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Review List of sadRed 

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  • 4 people agree with this review
     2011/02/13

    ベートーヴェンに限らず、この演奏家のすべての演奏に感じるのは、各曲の楽譜をすごく深く詳細に勉強しているなぁ、ということ。曲というドラマの全体構造、それに対する細部(各フレーズ〜各音)の意味、この両者の把握理解が完全に主体的で、しかも奇異矮小ではなく堂々とスケールが大きい。たとえば「ワルトシュタイン」3楽章の出だしのフレーズ、聞いて思わず「ほお、こう来ましたか!」とうなりたくなる、人が語るような、やさしい個性的な感性(これまでこういう解釈は聞いたことがない)。ピアニストとしてのテクニックは女性らしさとは無縁のたいへんパワフルなもので、ワルト1楽章など、アレグロというよりプレストみたいな猛スピードで突っ走るが、一音一音は完全に打鍵されているから、巨星が砕け散るような、すさまじい効果を聞く者の耳に与える。まいりました。このパワーを維持研磨しつつ、ぜひ健康で長生きしてください。

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  • 5 people agree with this review
     2011/02/09

    後期については、すでにみなさんが書いておられるので、ここでは補足的に「熱情」について書いておきましょう。この、21世紀最大の(と私が思う)英才ピアニストの、余人にない最大の特長の一つが、左手と右手がそれぞれ、独立の音楽的人格を持っていることである。それにより、演奏する音楽に、たぐいまれなる圧倒的に強力な立体感、構造感、ダイナミズムが与えられる。この「熱情」ソナタも、初回は、こんな「熱情」は初めて聞く!と多少違和感をおぼえたが、聞き込むにつれて、演奏者の確信的な表現意思に圧倒され、かつ、非常に気持ちよく包まれてしまった。とにかく、あとは、この方の健康と長寿を祈るのみである。

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