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Review List of おいづる 

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     2024/05/06

    此の程、我が苦手とするオペラと言うジャンルでは或ったものの、数有る歌劇の中で取り分け名高いゼヴィリアだけは、全曲で所有せねばと言う観念に駆られ本ディスク購入に至った次第だが、先ずのっけから当序曲の(特に主部に移行してからの)爽快なテンポ感に思わずうなずかされた。筆者にとって本楽曲鑑賞に於ける処女航海は、小学生の折に耳にしたfontana盤ベンツィ指揮ラムルー管に依るレコードでの事だったが、有無を言わせぬ速いテンポで徹頭徹尾貫かれる其の鮮烈で欣快な演奏スタイルは、我に強烈なインパクトを与え、ロッシーニの序曲たるものは、かく有るべしと云う言わば規範的存在として今でも己の中に君臨し続けている。是迄根っからのオペラ指揮者として不動の地位を築いたカラヤンに期待した時期も有ったが、音の構築、組み立て、更にはリズム処理までもがあくまで重たく、テンポも中庸で堅実では有るが、今一つ理想に応え得るものたり得なかった。そうした中でライナー、シャイーに依る録音は、其れ相応に速めのテンポ設定で筆者にとって好演と成り得たのだが、此処でのガリエラの解釈は、あくまで主観に基づいての主張だが、もはや良き意味での軽みの世界に達したかの様な印象を抱かせ、彼等にも増して目の覚める様な快心の出来栄えに仕上がって居り、感嘆の意を禁じ得ない。又、アバドの指揮した映像物も配信を介してほぼ一通り試聴してみたが、俊敏且つ細やかに上下する高度な歌唱技巧が求められるフレーズでの声の安定感に於いて、かのカラスと言えどもベルガンサにやや一日の長が有るやに思えたりする側面も認められた。がしかし其れでも本盤については、即述の冒頭一曲を持ってしただけで、勝負有った感の手応えを得るに充分な快演で有ると明言したい。

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     2024/03/14

    秀逸な録音の多いラインスドルフのXRCDとあって此の半年間程、オークションに入札するなどして入手に奔走して来たが、希望プライスとのミスマッチ等から中々思うに任せない状況が続いたが、此の程、本商品を幸いにして偶然にもHMV―BOOKSの掲載欄に見つけ、マッハのタイミングでようやく手にする運びと成った。結論から述べると本盤は最近迄筆者の中に在った期待とは裏腹な不満の意の表出を禁じ得ないものと化したと言う事だ。同一規格のラインスドルフ指揮に依るハーリ・ヤーノシュや火の鳥は、至って卓越した録音で充分納得の行く完成度を示すものたり得ているが、本ディスクは、音楽が佳境に達してオケ全体が最強奏に転ずると音声が歪みかけ、全体として混濁した淀みをきたすものと化している。本来、当規格は、比類無き透明感と抜群の解像度を誇る極めて鮮度の高いサウンドが売りであり、魅力の筈だが本盤からは其の美徳、特性が殆ど享受できず、ひょっとすると此処では本家本元のマスターテープより派生したサブマスターを音源としている可能性も否定出来ず、少なくとも録音時の過剰入力が関与している事は疑いの無い処と目される。更に加うれば、当盤が世界初CD化と言うキャッチフレーズの下でリリースされている辺りに裏事情としての必ずしも本意とは言い難いサウンドの存在が垣間見られる様な気がして来るのは筆者のみだろうか。然るに此のブランド規格の名誉の為にもメーカーサイドにも商品化に関しては、もう少々慎重な対応、姿勢が有っても良かったのではと感じたりもしている。パフォーマンスについてはラインスドルフは、ワーグナーをレパートリーの中核に据えていたと言われているが、同作曲家をイメージした際に筆者としては金管の分厚い力感漲る号砲を想起したくなる処だが、此処ではブラス陣が抑制気味で鳴りを潜めて居り、筆者的には、70年代半ばに4chセッションで録音されたカラヤン BPOとの対比に於いて一歩及ばない感が否めないと言うのが率直な印象だ。何れにせよ、当ディスクをXRCD初体験として傾聴する向きが在ったとすると誤解を回避する意味合いからも当規格本来の真なる実力はこんなものでは無いと豪語せずには居られ無い。

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