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Review List of 世外迂人 

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  • 18 people agree with this review
     2013/08/27

    星の数だけあるのでは…と思わせるほどたくさんの録音があるが、聴くたびに泣かせる演奏というのは案外少ない。私にとって、その代表格がこのセルの『英雄』と『田園』だ。ベートーヴェンの交響曲の中でこの2曲が飛びぬけて好きだというのもあるが、気分が落ち込んだ時、また何か事を成そうとする時、セルの音楽は心に響いてくる。特に英雄は、70年の来日公演で聴いた感動がスタジオ録音でも充分に伝わって、涙なしでは聴けない。
    また田園は、クリーヴランドの管楽器奏者の名手らの美しい音色が素晴らしい。名盤の誉れが高いワルター盤をしのぐ心地よさだ。この心地よさは、セルの完璧なリズム感から生まれてくるのだろう。弦楽器の刻むリズムに乗った管楽器は本当に美しい。永遠に聴いていたいと思ってしまう。
    LP盤から初期のCD盤、リマスター盤など何度も買い求めているが、この全集も手に入れたい。それほどの価値がある廉価盤全集である。なお、見事な合唱による『第9』も聴きもの。

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  • 11 people agree with this review
     2011/12/16

    正直言ってクレンペラーのマーラーは敬遠していた。然したる理由はないのだが、他にいくらでも名演があるし…また旧世代の指揮者でオケも魅力に欠ける…と言ったところか。しかし、価格の安さに惹かれたのと、『大地の歌』の評判は知っていたので購入してみる気になった。まずは同曲を試聴して驚愕したのである。なんという音の良さ! アナログ時代の最良の音がここにあった。仏EMIのリマスター技術の高さに脱帽したい。最新の英EMIのデジタル録音よりも自然で迫力があって、なおかつ美しい。おそらくは、当時の録音スタッフらの「人類の遺産である巨匠の名演を残したい」という強い意気込みが、現代のコスト優先のデジタル録音との大きな差なのではないだろうか。それはともかく、ここで聴くクレンペラーの『大地の歌』は素晴らしく感動的だ。過去に聴いたワルター(ウィーン・フィル&ニューヨークフィル)、バーンスタイン(ウィーン・フィル&イスラエル・フィル)、カラヤン、ショルティ、テンシュテット、インバル、シノーポリ、セル盤……どれも充分に感動できたのだが、それらが瞬く間に霞んでしまった。終楽章でルートヴィヒが「永遠に…」と歌うところで、クレンペラーが聴かせる弦楽器のピッツィカート奏法の東洋的な音色は極めて独創的。譜面どおりなのだろうか。プロの音楽家の意見を伺いところだ。何はともあれ、続いて聴いた第9番、第7番とも他では味わえない個性あふれる表現は「早く聴いておけばよかった」との思いがしきり。多くのマーラーファンに薦めたい。

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  • 3 people agree with this review
     2011/02/19

     この映画はワーナー・マイカルの特別上映で観ました。朝日新聞の映画評で絶賛されていたので気になっていた作品です。フランス映画らしいエスプリに富んだユーモアとチャイコフスキーの感動的な音楽、そして社会主義体制下のロシアへの皮肉とが綯い交ぜになって、ある種痛快な作品になっています。ドタバタ喜劇風に始まり、途中から主人公の指揮者がソリストの美人ヴァイオリニストを見つめながら、ラストに向かって万感の想いを込めて指揮する姿は感動的。拾い物の傑作。

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