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Review List of Blanchet1730 

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     2013/10/10

     ベルダーさんは落ち着いたクールな演奏を好む方だと思います。変な癖も無いし、イネガル奏法もごく普通です。ロスの演奏がとても高水準である事は確かですが、もう既に古めかしいと感じる部分もあります。これは仕方が無い事で、古楽でもどんどん進化していくのです。クラシックなのに新しく変遷するのが不思議ですね。

     ロスの演奏は本当にいいものです。まねしろと言われてもとても出来るものではありません。一音一音全てが完璧で隙が見当たりません。ロスがチェンバロ界の演奏水準を上げたと言っても過言ではないと思います。

     そんな時代を経てこの演奏がある訳です。イネガルはより現代的、録音水準も上がりアーティキュレーションもごまかしがききません。ベルダーはアーティキュレーションのとても瑞々しい演奏をする方です。どちらが良い悪いといった比べ方は出来ないと思います。

     ロスは端切れも良いしリズム感が素晴らしい。ドライブでもしながら聴いたら楽しいでしょう。対してベルダーはより落ち着いた雰囲気で、家でゆっくり聴くのに向いているかと思います。

     スカルラッティの辞書的な演奏が聴きたいならばベルダーの方が良いような気がします。ロスよりは2000年代の時代に則した演奏といえるからです。また、スカルラッティは楽譜の解釈に難しい所が結構あったりします。バッハのようにきっちりしていませんから、ここはどう弾くんだという疑問が沢山生まれます。だから、一人の演奏家に弾かせてそれが全て正しいとは限らないのです。

     この演奏の中から、ある程度のイメージを得たらそれは今の時代にあった演奏です。弾かない人もこの中からこの曲が気に入ったから他の人のも聴いてみようというふうに利用されるのがいいかと思います。スカルラッティは、アンタイ、バイアーノ、ファディーニなど得意とする演奏家が多いですからね。

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