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　2012/12/09

新録音はないオムニバス盤だが、一時代前の録音ながら音の状態もよく、何より巨匠ヨゼフ・スークの魅力がぎっしり詰まっている。出色は１曲目のドヴォルザークのロマンス。スークの太い指先から、こんなデリケートで味わい深いヴァイオリンの音色が出るとは、不思議なものだ。この曲はこう弾くしかないだろうという、一言。アルバム全体が暖かみにあふれている。スークの音楽性と選曲の勝利だろう。スーク80歳を記念したジャケット／解説書は、このアルバムのために新たにスークの近況が撮影されたと思われる写真がちりばめられ、チェコファン、スークファンなら垂涎ものだ。ぜひお手元に、記念に一枚揃えられたい。