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2 people agree with this review 2011/06/26
バティアシヴィリのCDは今回初購入。サロネンの振るバイエルン放送響のサポートも受けて、彼女のバイオリンはショスタコのヴァイオリン協奏曲ですら冷たく妖しい氷柱のような美しさと哀しさで彩る。不気味さや緊張感、焦燥感以上に冷たい美しさが先に立つショスタコーヴィチ。そのようにこの曲を聴かせてくれる演奏はなかなかない。他にもエレーヌ・グリモーのピアノと演奏するペルトの『鏡の中の鏡』とラフマニノフの『ヴォカリーズ』が素晴らしい。『鏡の中の鏡』は簡潔で音数の少ない美しい旋律が、文字通り鏡に写すようにバイオリンとピアノ、低音と高音を行き来する、シンプルで静謐な美しい曲。シンプルの極みのような曲だけに、バティアシヴィリとグリモーの演奏の素晴らしさが際立つ。涼やかな透明感、静かな優しさ、深くおおらかな呼吸。派手さはないものの、実にクールな美しさだ。『ヴォカリーズ』で聴ける、胸に響く切ない旋律も、甘ったるくなく涼しげで、それでいて突き放した感じの冷たさではない。その涼やかながら情感に満ちた詩情は、聴いていて思わず涙を誘われるほど。総じて、音色に冷たく感じるほどの透明感がありながら、その中にさりげない優しさや情感が感じられるのが彼女のバイオリンの魅力だ。軽くお試しのつもりで買ってみたが、このCDはすっかりお気に入りの一枚になってしまった。
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2 people agree with this review 2011/05/14
これはメシアンが第二次世界大戦でドイツ軍の捕虜となり収監された際、獄中で作られた曲。ヴァイオリン、クラリネット、チェロ、ピアノという変わった編成の四重奏だが、これは獄中にその楽器しかなかったため、それに合わせて獄中で演奏できるようにこの編成にしたとのことらしい。 全体を通してタイトルの通り暗いイメージが付きまとう曲。静かな絶望と躁状態的な高揚が何度も交錯していく。高揚を感じる部分には、ピアソラの音楽に通じる内向きだが激しい情熱のようなものが感じられるのが興味深い。 特に好きなのは5、7、8曲目。第5曲のじりじりと暗い何物かに精神を浸蝕されていく感じ、第7曲の激しい発作的な動悸や目眩と疲弊した小康状態が交互に襲って来るような病的さ、ゾクゾクする。そして終曲の虚無と静寂に包まれた行き場のない祈りのような音楽。最後にほんの少しだけ救いの音が明るく澄んで響くが、でもそれでも残る空虚さとのバランスの美しさ。これは灰色のモノトーンの退廃の音楽。 正直この値段でこれだけの音楽に巡り合えるとは思っていなかった。素晴らしい掘り出し物。
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