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1 people agree with this review 2011/05/15
'11年発表。まず振り返りたい。マス・ロック/ポスト・ハードコアの最強メンバーが集結したバトルスのファーストは、閉塞したシーンを尻目にネクスト・ステップへと踏み出した鮮烈な作品だった。恐ろしいほど正確無比なアンサンブルで変拍子をバシバシと決めるマス・ロック特有の快感はそのままに、同作では初めてボーカルを導入。更にはメロディアスでユーモラスな旋律も大幅に取り入れたことで、従来よりも遥かに幅広い層へと開かれたポップネスの獲得に成功したのである。この4年ぶりのセカンドでも、基本的なアイデアは前作を継承。ポップ路線を拡張した曲もあれば、前作でも垣間見られたクラシック音楽からの影響を強めた曲や、ハードコア的な演奏のカタルシスで一気に駆け抜ける曲もある。だが、やはりボーカル曲を聴くと、本作録音中に脱退したタイヨンダイの不在を痛感せずにはいられない。バンドの「声」がいなくなった代わりに、ゲイリー・ニューマンを始めとした豪華ゲスト陣がボーカルを聴かせるのだが、当然ながら以前とは印象がガラリと違う。これをどう受け止めるかで、新生バトルスへの評価は大きく分かれるはずだ。
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0 people agree with this review 2011/05/15
'11年発表。唄い手としての細野晴臣。その声はどちらかというと淡々とした、ややボソッとした響きだが、本作での歌には親近感を強く覚える。長らく生きてきた一人の男の滋味と、少年の頃から変わらず抱き続けてるかのようなイノセンスが香ってくるのだ。 往年の映画音楽にブルース、プレスリーの「ラヴ・ミー」など20世紀半ばまでのカバー曲を含む12曲は、グッとレイドバックした、それもカントリー&ウェスタンの匂いがあるという、このところの彼の流れにある音。鈴木茂のギターと高田漣のハワイアン三線(←'75年に細野氏自身が購入したと噂の)が炸裂するEなど聴きどころは多い。でも真ん中にあるのは、やはり歌。そしてそのたたずまいには“ダンディズム”という言葉を使いたくなる。そう、ちょっと照れ屋の細野さんは、ひょうひょうとしていながらも、クールかつ潔い情熱の持ち主だと思う次第。先のEやFには、そんな63歳の生きてきた道が見えるかのようだ。
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'11年発表。昨秋行われた全米ツアーの空き時間に、デーモンがiPadをメイン楽器にして、手近なギターやウクレレなどを加え1人で作った1日1曲ずつのロードムービーならぬロードミュージック。iPadの能力とアプリ楽器の音の良さに驚く一方、プライベートでのデーモンの曲作りはロックやポップという枠に全く縛られてない事にも気づく。ゴリラズの新作と言うよりもその青写真的作品。iPad抱えた吟遊詩人!
'11年発表。全編をくるりが担当した『ジョゼと虎と魚たち』が異常に素晴らしいサントラだった分、岸田繁ソロ名義の本作も期待が大きかったが、こちらは『ジョゼ〜』以上に映画そのものに寄り添った作品になっている。映画のワンシーンを多彩なオーケストレーションでスケッチしたような、1分半に満たない断片的なトラックが大半だが、それでいて独特の人間臭い可笑しさが伝わってくるのは作編曲家・岸田繁のすごさなのか、あるいは三浦しをんの世界観の強さなのか。どこか散文的なサントラの楽曲を一つの物語として回収しているのが、ボーナストラックとして収録されている、くるりプロデュースによる「キャメル」「まほろ駅前多田便利軒」の2曲。肩の力が抜けた、おぼろげな希望に向かってぶらぶらと歩いていくような、ぼんやりとした威風堂々っぷりがなんとも頼もしい、うっかりこぼれ落ちたような名曲である。
'11年発表。日本でブレイクしたKYTEのVo.で、フロントマンでもあるニック・ムーンのソロ・プロジェクトのデビュー作。プロジェクト名に相応しく初夏の萌ゆる緑と反射してキラキラ輝く太陽の恵みを感じる生命力溢れた歓びの音楽。自分自身がハッピーになれる曲を書く事に従事したと言う事だが、1ミリの暗さも捻れもない素朴でピュアで彼らしい優しいサウンド。少年は外界をシャットアウトし、自分の信じる、自分が楽しめる、歓べる世界を探しているように見えるけれど、しあわせと言う概念に多くの物を求めることのない強さが感じられる。例えばハイジとかコナンとかトトロに通ずる普遍性を感じました。
'11年発表。さらなる夜の闇に溶けこんだ彼らのセカンド。や、夜だ闇だと言うほど曲調はダークではないけど、すべて密室の中で行われているような淫靡さが作品全体に美しい「黒」のイメージを与えている。鮮烈なギターのカッティングと波打つシンセのレイヤー。それらを静かに浴びながら、抑制した低音ボーカルを響かせるKENT。最初に彼の脳内で完結するというアンサンブルは、生バンドはダイナミズム命、人間臭さが出てナンボ、といった論調をシャットアウトした場所で孤独かつ優雅な芸術たりえているよう。80'sニューウェイブが好きなバンドは現在も多いが、みんなどこかで今のライブハウス・シーンを意識している。彼らの場合、録音芸術=アルバムとしての完成度を求める気高さ、不純物なき音の世界を研ぎ澄まそうとす意志が他とは違いすぎる。洋楽至上主義と言われようが耽美主義と言われようが、やるならここまでやってくれ。それが本気ってことでしょう。
2 people agree with this review 2011/05/15
'11年発表。ジャケット、それに混乱のなか世界公開されたビデオ「ロータス・フラワー」でのトムのダンスと表情の異様さからも伝わるように、ポピュラリティについては棚上げ気味。そのぐらいアグレッシヴな作品だ。 ダブステップの影が濃い低音強めの電子音の一方、アコースティックな曲も際立つ。サイケ臭多め。とっつきやすいメロディはさほどないが、聴くほどに引き込まれる磁力を持つ。淀みの中を静かに、深く潜航していく感覚。トムのソロ作『ジ・イレイザー』に通じる点も感じる。題名は英ウィルトシャー州の古森にある巨大オークの名で、F(これとDを去年トムは弾き語りで唄ってた)の前には森のようなSEが聞こえる。 全8曲37分は、息苦しさや重さが過度にならぬ地点でとどまり、後半はかすかに灯りが差すような…。こうした緻密なプロダクショニングに結実させる意志と視座に今の彼ららしさを感じる。付け加えれば、分量的にもムード的にも、もしや本盤の続きがあるのでは?と感じるのだった。
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'11年発表。ロック史に光輝く1stの衝撃があまりにも強かったせいもあって、ストロークスへの期待というのは過度にバブリー気味で、'01年の革命をもう一度という空気が支配的だった。だが5年もの焦らしを経て世に出た4作目をじっくり聴けば、ロックンロール・リバイバルの先駆者としてのストロークス幻想はもはや遥か彼方であることがわかる。ジュリアンがソロ活動時「バンドは方向性が絞れていない」と愚痴っていたが、ソリッドな音から広がる多様性は、コンサバな形で進化するしかないと悟ったようにも聴こえる。レディオヘッドの新作同様、風通しのいい途中経過のような感触の充実作。
'11年発表。洋楽への憧れにも似た感情に向き合いつつ、世相や時代を取り入れながら、できるだけたくさの人が共有できる“歌”を提示する。このアルバムを聴いて僕は、和洋折衷こそが日本のポップスの基本であることを久々に思い知らされた。この国でポップ・ミュージックに携わることの意味を誰よりも考え、実践してきたのはやはりこの人であり、本作によってそれは、ひとつの高みへと達している。本当に日本のことが好きなんだなと、まるで日の丸弁当みたいなジャケットを見ながら、そんなことを思った。
'11年発表。@は椎名林檎が出演するCMで流れる疾走感溢れるロック・チューン。何かに追い立てられるようなヒリヒリ感が全編を貫くシリアスな仕上がり。Aは、これまた椎名林檎が出演するCMで流れるビッグ・バンド調の楽曲。服部隆之によるドリーミーかつ斬新なアレンジをバックに女性賛歌とも言える詞を高らかに歌う。両A面だ。
0 people agree with this review 2011/05/08
。11年発表。オークランドを拠点とする女性アーティスト、メリル・ガーバスのソロ・プロジェクト。ウクレレ、ドラムス、そしてボーカルなどを軸とするスリムなサウンド・アプローチで、カラフルな声を聴かせている。大胆なまでに直感的な振る舞いからライブ巧者ぶりが伺える。
0 people agree with this review 2011/05/07
'11年発表。30年前の英国ニューウェーブのサウンドを拝借しながら、今のニューヨークの空気感を確実に表現する3人組。引き出しが多そうなので2ndでどう化けるかと注目したが、ポスト・パンク・リバイバルをより忠実に再現。開き直ったぶん、ポップさが増し、攻撃的になっている。
0 people agree with this review 2011/05/05
'11年発表。THE MAD CAPSULE MARKETSのKYONOのソロ・プロジェクトとして始動し、昨年バンド・サウンドを軸にした2ndアルバム『R.A.M』をリリースしたWAGDUG FUTURISTIC UNITYが、その流れをくんだニュー・アルバムを完成させた。1stアルバム『HAKAI』以前の楽曲12曲を、ライブ・サウンドに再構築して新録したものだ。やはりKYONOはライブが似合うと再確認できる。
1 people agree with this review 2011/04/30
'11年発表。日本随一のシンギング・アスリート=Salyuと、その歌を“感情というエフェクトを搭載した究極の楽器”として捉えたCorneliusによる圧倒的完成度のコラボレーション。2年の歳月にてゆっくりと編み上げられた、肉声表現におけるひとつの到達点だ。坂本慎太郎や七尾旅人らが提供した言葉もヒリヒリと先鋭的。今まで「奴隷」という名のポップスがあっただろうか。
0 people agree with this review 2011/04/30
'11年発表。2月18日。満月の夜だった。 突如リリースが発表されたレディオヘッドの通算8枚目のアルバム『ザ・キング・オブ・リムス』のダウンロード配信が始まった。 4年前、『イン・レインボウズ』リリースの際、彼らが行った前代未聞の価格一任制ダウンロードは音楽業界を震撼させるニュースだった。それに比べれば今回のネット・リリースは穏やかに迎えられた。しかし、開始まもない20時にはすでにサーバー接続は困難な状態に陥っていた。やはり気の置けないバンドなんである。 バンド史上もっともコンパクトな8曲、37分間のこの新譜は、変則的なドラム・チューンのリズミカルなもつれを溶かすようなホーンが印象的な「ブルーム」で幕を開ける。続く「モーニング・ミスター・マグピー」「リトル・バイ・リトル」はカタカタと早急にリズムを刻むパーカッションにじわじわ高揚させられる。4曲目の「フィラル」はトム・ヨークのリフレインするソフトなボーカルにマルチなドラム・パターンがシャープに切り込む。 前半はドラマー、フィルの電子パーカッションが強調されたリズミックな仕上がりだ。 一方、後半はトムのボーカルの魅力を再認識する曲が並ぶ。先行シングルの「ロータスフラワー」「コーデックス」「ギブ・アップ・ザ・ゴースト」の3曲はアコギを主導にぼんやりとした輪郭のピアノの和音、悲しげなホーンのハーモニーが美しい。そこにトムのセクシーなファルセットを華やかに重ねて、壊れそうで夢見心地な世界に。ラストの「セパレーター」は'90年代の彼らを彷彿とするミッド・テンポの一曲。クリアなサウンドは清々しくもあり、優しい希望に包まれるようだ。 たしかに本作は革新的でも実験的でもない。そのスタンスには彼らの歴代のアルバムとのギャップを覚える人もいるだろう。しかし、前半の緻密な空気から、ラストに得られる伸びやかな大地に着地したような深い満足感はバンドのナチュラルな進化の表れのはずだ。
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