(Orchestral)String Quintet, Overture in G Minor : Gerd Schaller / Prague Radio Symphony Orchestra
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ぴたすみん | 大阪府 | 不明 | 03/November/2018
う〜ん…、どう評価したものか迷うところがありますねえ。ブルックナーの弦楽五重奏曲は好きで、何度となく「これが交響曲だったら…」なんて妄想をかきたてる曲ではあります。特に三楽章アダージョ(この録音ではアンダンテ)は、ブルックナー好きには堪えられない魅力があります。だから、スクロヴァチェフスキもアシュケナージも、この楽章をオーケストラの弦楽合奏で交響曲の余白に録音しちゃってます。昔ツァグロクセクもオルフェオに全曲を弦楽合奏版で出してました。これが又とんでもなく素晴らしかった。だから、この曲に木管も金管も打楽器もつけて交響曲にしちゃったら、どんなに素晴らしいだろう…。ブルックナー好きは、妄想するんです。それをやっちゃうところがシャラーらしいと言えば、そうなんですが…。それにこれをやっちゃってもOKなのも、今生きてる人で言えば多分シャラーかキャラガンくらいなのも判ります。でも、聴いてて、やはり戸惑ってしまいました。当然、ブルックナー自身が交響曲にしなかったのには、リズムや曲調の部分があってのこと。だから無理があるのは百も承知で、それでも交響曲版を聴いてみたい。でも、たぶん私はハードルを上げすぎていたのかもしれない…とも思います。編曲はけっこう健闘している部分はあります。木管の処理は、私がこうだったらいいな…と思ってたとおりだし、でも終楽章はもっとスケールが大きくなるんじゃないか?とか、いろいろ思ってしまうわけです。考えてみると原曲が弦楽五重奏曲なのに、曲が進むにつれて、妙に弦のセクションが薄く感じてしまうのが、問題なのかとも思います。それでも、こいうことを敢えてやっちゃうシャラーという人はホンットにブルオタだなあと思っちゃいますね。みんな(?)が聴きたいと思ってるものを自分で作って演奏しちゃうんですから。 余白にはト短調序曲が入ってます。これは自分としては「特選もの」です。全集を録音した指揮者で、この序曲にまで手を出した人は、私の知る限りでは朝比奈御大とミスターSだけですが(他にもいるんだろうか?)、このブルックナー第一人者の二人でさえ、ブルックナーらしくない曲にしか仕上げられなかったのを、シャラーはチャンと徹頭徹尾ブルックナーの曲として仕上げています。さすがブルオタ指揮者! これはビックリですよ、本当に。2 people agree with this review
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 31/October/2018
序曲ト短調はへ短調交響曲(00番)と同じ頃に書かれている 対して”クィンテット”はイ長調交響曲(6番)の時期と重なるから音楽の質が全く違う 前者は作風を模索していた時代であり 後者は第4交響曲に至ってブルックナー交響曲の形式が確立した後の作品なのだ では何故旺盛な交響曲創作の盛期に弦楽五重奏なのか その鍵は3拍子だ 程よいModeratoで奏でる3拍子の曲(第一楽章)を思いついたからだと思う これは確立したシンフォニー様式のどこにも収まらない これをシャラーが二管編成のオーケストラ曲に編曲した 全交響曲に止まらず シャルク版まで録音したブルックナーオタクなのだ あのキャラガン補筆完成版の第9に飽き足らず シャラー自身の校訂完成版まで録音した人だから驚かない だが全5楽章になっている 後から第二楽章の差し替え用に書いた”間奏曲”を第四楽章として加えているからこれは驚いた 肝心の中身はと言うと 原曲スコアの五段譜を21段譜のオーケストラに割り振ったのではなく 追加省略は勿論のこと デュナーミクも変えデフォルメされている ただ優れていると思ったのは 室内楽だった時の静穏さが保たれていること そして響きがブルックナー交響曲しかもあの第9の未完の終楽章のソノリティーを醸していることだろう 聴かなければ始まらない あなたも如何3 people agree with this review
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